2024.05.14 東京海上日動 出発から帰還までの死亡・後遺障害を補償 宇宙旅行者向け保険開始 情報提供サイト「SpaceMate」も開設
東京海上日動は4月8日、今後成長が期待される宇宙旅行ビジネスを支援していくための新たな取り組みとして、宇宙への出発から地上に帰還するまでのリスクを補償する宇宙旅行者向けの保険を提供するとともに、3月28日に新たな宇宙関連情報サイト「SpaceMate」(スペースメイト)を開設したと発表した。
同社は宇宙産業に携わる顧客・企業の取り組みを支援し、産業の成長・発展に貢献することを目的に2022年2月24日に「宇宙プロジェクト」を始動。同プロジェクトを通じて、月面探査ミッションを支援する「月保険」の開発や、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)との「宇宙リスクソリューション事業」に関する共創活動など、新たな商品・サービスの研究・開発を行っている(本紙22年3月25日付)。
近年、宇宙旅行ビジネスは米国を中心に拡大しつつあり、「宇宙旅行元年」と言われる21年には宇宙旅行者の数が職業宇宙飛行士の数を上回るなど本格的な運用が始まっており、日本国内でも民間企業を中心とした宇宙旅行サービスの立ち上げが進められている。
同社は宇宙旅行という新たな挑戦を支援するため、宇宙旅行者向けの保険を提供するとともに、将来、宇宙旅行が当たり前となる時代に向け、旅行者が安心して宇宙に行くための情報提供や宇宙産業の「今」を伝えるコンテンツ等を発信していくとしている。
宇宙旅行者向けの保険の提供では、同社がこれまで宇宙保険分野で培ってきたノウハウ等を活用して宇宙空間と地上間の移動にかかるリスクを分析・評価し、保険を提供していく。
補償概要は、▽宇宙への出発日から地上に帰還した日までに発生した傷害により旅行者自身が死亡、または後遺障害が生じた場合に補償▽搭乗機の打ち上げ日の前、および帰還後の保険期間中に発生したけがや疾病によって治療が必要となった場合等に補償―というもので、海外旅行保険で引受けを行い、個別の旅行形態等に応じて補償範囲の設定やリスク評価を行い提供(保険引受)可否を判断するという。
宇宙旅行には、無重力を体験できる小宇宙旅行、国際宇宙ステーションへの滞在、月の周回等さまざまな種類がある。それらの実現を目指す事業者とともに、リスク実態に即した最適な保険を検討していく。
宇宙関連情報サイトの開設では、宇宙をより身近に感じてもらえる場所を創りたいという思いから、宇宙「Space」と仲間「―mate」を組み合わせ、3月28日に新たな情報提供サイトとして「SpaceMate」を開設。
同サイトを通じて宇宙産業を支える企業・自治体との対談企画のほか、宇宙旅行や宇宙を体感できる施設・イベントに関する最新情報を紹介する。また、同サイトで宇宙旅行者向けの保険の提供も予定しており、宇宙に関わる体験からリスクへの備えまで、さまざまな情報をわかりやすく発信していく。