2024.04.23 損保ジャパン ビジネスマスター・プラスをリニューアル 事業継続・業務過誤などで新商品発売 第三者賠償リスク補償も拡充

損保ジャパンは3月13日、中小企業向け主力商品のビジネスマスター・プラス(事業活動総合保険)をリニューアルし、6月1日保険始期契約から販売を開始すると発表した。業界初を含む三つの新商品①「つづける事業・マスター」②「賠責PRO特約」③「弁護士費用等補償特約」―の販売を開始するほか、第三者賠償リスクの補償を拡充し、変化する時代の中で安心して事業を営める環境づくりに貢献する。

損保ジャパンの「ビジネスマスター・プラス」は、中小企業が抱えるさまざまなリスク(物損害・休業損失・賠償責任・労働災害・商取引)を包括的に補償するパッケージ型商品で、必要な補償を自由に選択することができる。補償の対象となる物件等の明細を不要とするなど加入手続きを簡素化していることも特長。
①「つづける事業・マスター」(休業ユニットをセットしたビジネスマスター・プラスのペットネーム)
自然災害などの偶然な事故や取引先の事故によって顧客の事業が中断または阻害された場合に、事業が再度軌道に戻るまでの間の営業利益や必要な固定費(人件費、地代・家賃、光熱費、通信費等)を補償する。「取引先を失ってしまったときの利益減少」を懸念する顧客の声が多かったことから、従来の不測かつ突発的な事故による休業補償などに加えて、「主要な取引先の破産」による休業リスクも補償する(業界初、同社調べ)。商品内容をより分かりやすくするため、補償の対象となる損失を列挙するとともに、事業再開時に受け取れる保険金の算出方法をシンプルにしている。
開発の背景・主旨について「自然災害の激甚化や企業の倒産件数増加の影響もあり、中小企業の事業継続力の向上に注目が集まっている。『もしもの際も3カ月以内に復旧し、従来の事業を続ける』ことを可能とするため、ビジネスマスター・プラスをリニューアルし、万が一の際の事業継続に必要な費用を保険金として受け取れるようにした。商品開発に当たっては1000社を超える中小企業に顧客ニーズ調査を行い、『分かりやすい商品』へのニーズに応えるため、業種を問わず補償内容がイメージしやすい設計にした」としている。
②「賠責PRO特約」(業務過誤リスク賠償責任補償特約のペットネーム)
業務過誤リスクによる損害に対して支払限度額1000万円まで補償し、建設業の顧客については工事の結果に対する修理費用を含む修補等措置費用も補償する。売上高と業種のみの申告で加入でき、告知書などの提出は不要。
開発の背景・主旨について「一般的な第三者賠償責任保険は、身体の障害や財物の損壊等の物理的な被害を発生させたことによる損害賠償責任を補償している。一方で、さまざまな職種で専門性が高まっている昨今では、物理的な被害がなくても仕事の結果により顧客等の第三者に経済的な損害を与えたことが原因で損害賠償や費用負担が必要になってしまうリスク(業務過誤リスク)が顕在化している。顧客ニーズ調査では、業務過誤リスクを感じているものの、そうしたリスクを補償する保険商品が少ないなどの理由により、対策手段を講じられていない点に不満を感じている事業者が多いことが分かった。その調査結果を踏まえ、製造業向け専用商品として販売していた業務過誤賠償責任補償特約を『賠責PRO特約』としてリニューアルし、建設業や介護業の顧客の業務過誤リスクも補償できる商品とした」としている。
③「弁護士費用等補償特約」
2020年7月から消費者のクレーム行為や従業員のバイトテロ行為などに起因する信用毀損行為の解決に要する法律相談費用等を補償する「クレーム等対応費用補償特約」を販売しており、法律相談費用等を支払うだけでなく、クレーム対応等に関する専門相談窓口を無料で利用できる点が特長で好評を得ているという。新商品は従来の補償に加え、役員・従業員の身体や事業者の資産に被害が及んだ場合の弁護士費用や、詐欺被害や知的財産が侵害された場合の法律相談費用まで幅広く補償するようにした。このような被害に関する対応についても、専用相談窓口「クレームコンシェル」を無料で利用できる。
開発の背景・主旨については、「クレーム行為と使用人の信用毀損等の行為以外の被害に遭った場合にも対応できる商品のニーズが高まってきたことから、『弁護士費用等補償特約』としてリニューアルした」としている。
④第三者賠償責任リスク(賠償ユニット)の補償拡充
昨今のデジタル化の急速な進展や急激な物価上昇など、中小企業を取り巻く環境が大きく変化してきていることを踏まえ、企業向け賠償責任保険で業界で初めて(同社による)サイバーリスク補償を標準化するほか、第三者の財物を損壊した場合の修理費高騰に備える補償を標準化する改定を行った。
従来はオプション補償としていたサイバーリスクに関する特約をワイドプランに加入する顧客に全件自動セットする。サイバーインシデントによる損害賠償に対しては最大5億円、フォレンジックなどの費用については最大5000万円まで補償する。ワイドプランに加入する顧客は、SOMPOリスクマネジメントが提供するサイバーリスク緊急時サポート総合サービスを利用できる。
また、対物超過費用を標準補償化し、他人の財物を損壊させた場合で、その財物の修理費用が時価額を上回るときに、修理費用と時価額の差額について1被害者あたり50万円・1事故100万円を限度に保険金を支払うようにした。