2024.04.22 日本生命 バリューHRと資本業務提携契約 顧客基盤拡大・新サービス開発目指す PHR社会の実現と健康寿命延伸に貢献
日本生命は3月13日、各種健康管理サービス(健診予約、健診結果管理、特定保健指導、カフェテリアプランなど)や健康保険組合の設立支援・人材派遣・BPOサービス等を手掛ける㈱バリューHR(東京都渋谷区、藤田美智雄代表取締役社長)と「双方顧客基盤の拡大」「新サービスの開発」を内容とする資本業務提携契約を締結した。同社との協働により一人ひとりが自ら健康データを管理できるPHR社会の実現と健康寿命の延伸に貢献していくとしている。
バリューHRは2001年7月設立の企業で、「健康情報のデジタル化と健康管理のインフラ企業」を事業ビジョンとして、独自開発した健康管理プラットフォーム「バリューカフェテリア(R)システム」を企業の健康管理システムや健康保険組合(以下、健保)の保健事業支援システムとして提供し、現在200万人以上が利用している。また、健診代行機関および保健指導機関として全国3600を超える医療機関とのネットワークを有し、健診の予約・結果管理、特定保健指導などのサービスを提供している。さらに、同プラットフォームを通じて、一人ひとりの健康状態を可視化することで、利用者の健康の保持・増進に貢献している。
日本生命による出資は、バリューHRが保有する自己株式77万6300株を第三者割り当てによって取得することで実施。払込期日は4月8日だった。出資額は約11.1億円。バリューHRの資料によると出資後の日本生命の持株比率は2.84%だが、保険会社ではそのほか大同生命が5.52%、東京海上日動が3.59%の割合で同社株式を保有している。
業務提携では、まず、「双方顧客基盤の拡大」として、日本生命が同社のチャネルによって企業や保険者、官公庁に対しバリューHRの健康管理サービス(健診予約・結果管理、カフェテリアプラン等)や健康保険組合向けサービス(BPOサービス・人材派遣サービス等)を提案・提供していく。バリューHRも同社のネットワークを活用し、企業や保険者に対し、日本生命が提供する各種サービス(糖尿病予防プログラム、血糖変動チェックプランなど)を間接的に組み込み、展開していく。また、「新サービスの開発」として、両者の協業によって得られる知識や経験に基づき、新サービスを共同で開発・提供していく。
日本生命は、現中期経営計画の柱の一つに健康長寿社会づくりのけん引を掲げ、自治体をはじめとした保険者や企業との連携を通じ、地域の住民や勤労者の健康増進に資する活動に取り組んでいる。たとえば、本年度から全国でがん検診の受診勧奨を行うとともに、2018年から開始した「ニッセイ健康増進コンサルティングサービス(Wellness―Star☆)」では、保険者や企業に対して、健康増進取り組みを分析から予防策の提供までトータルで支援している。
同社では健康増進支援の領域で豊富な実績・ノウハウを有するバリューHRとの資本業務提携を契機に、今後、バリューHRのプラットフォームを活用した保険者・企業向けの独自サービスを展開していく。そこでは、一人ひとりの健康リテラシーの向上や健康の維持・増進を支援する仕組みを提供し、また、同プラットフォームを活用した生涯健康管理・健康行動支援サービス(PHRプラットフォーム)の普及を通じて、若年から中年・老後に至るまで、未病・予防や予後・介護の状態も含めたあらゆる健康データの管理・可視化を支援し、一人ひとりのQOLの向上を目指すとしている。同時に、未病・予防領域で、両社それぞれの強みを生かし、企業の健康経営(R)や福利厚生の支援に加え、保険者のデータヘルス計画(注1)やコラボヘルス(注2)を推進し、一人ひとりが自ら健康データを管理できるPHR社会の実現と健康寿命の延伸に貢献していくとしている。
(注1)各保険者が健康診断結果やレセプト等データの分析に基づき、効率的・効果的な保健事業を実施する取り組み。
(注2)保険者と企業が積極的に連携し、予防・健康づくりを効率的・効果的に実行すること。