2024.03.22 生保各社23年度第3四半期決算 保険料等収入は10%増31兆円に 新契約年換算保険料15%増と好調維持
2023年度第3四半期の生命保険各社の業績がまとまった。生保協会集計による生保42社の12月末の保険料等収入は31兆3408億円で前年同期比10.8%増と上半期末をさらに上回る増収率となった。新契約年換算保険料は1兆8546億円で、同15.7%増と引続き好調。純剰余(利益)は1兆3520億円(同12.8%増)の増益となった。(本日4~6面に生保協会会員各社の業績詳細〈本紙調査〉を掲載)
日本生命グループの連結保険料等収入は、日本生命、ニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売好調を主因に金融機関窓販チャネルおよび営業職員チャネルで増収し、前年同期比39.5%増の6兆4331億円を示した。国内の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料が同35.7%増の3921億円。グループの基礎利益も新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等による危険差益の増加を主因に増益となり、同64.9%増の4821億円を示した。昨年11月に連結保険料等収入(豪MLCを除くベース)の通期予想を約7兆円と見込んでいたものを、同ベースで8兆1000億円(+1兆1000億円、+15.2%)に修正した。
かんぽ生命の連結保険料等収入は前年同期比833億円減の1兆5865億円。親会社株主に帰属する四半期純利益は同110億円減(14.5%減)の651億円となった。かんぽ生命単体の基礎利益は、保有契約の減少が続く中、新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払の減少により、同348億円増の1697億円となった。個人保険の新契約年換算保険料は引き続き回復基調で、同32.9%増の659億円。新契約の内訳は、養老保険が20万件占率55.7%で、前年同期比13.9ポイント下がり、終身保険が8万件占率22.1%で同4.6ポイントのアップ、学資保険が5万件占率15.7%で同6.7ポイントのアップを示した。
明治安田生命のグループ保険料は、明治安田生命単体の外貨建一時払保険の販売量減少を主因に前年同期比3520億円減(12.3%減)の2兆5167億円となった。グループ基礎利益は、明治安田生命単体でコロナ関連の支払減少や主要子会社である米スタンコープ社の大幅増益を主因に同641億円増(22.4%増)の3500億円。明治安田生命単体の新契約年換算保険料は、外貨建一時払保険の販売量減少を主因に同24.4%減の966億円となった。
住友生命グループ(住友生命、メディケア生命、シメトラ)の保険料等収入は前年同期比2.0%増の2兆150億円となった。新契約年換算保険料は同15.1%増の2689億円で、グループ基礎利益は同10.7%増の1826億円となった。親会社に帰属する四半期純剰余は同65.9%減の369億円。住友生命の新契約年換算保険料は同0.6%減の851億円、メディケア生命の新契約年換算保険料は同12.7%増の148億円、海外事業のシメトラの新契約年換算保険料は同25.4%増の1689億円を計上した。
第一生命ホールディングスの連結保険料等収入は前年同期比12.9%増の5兆7044億円となった。グループ全体の新契約年換算保険料は同26.1%増の3782億円、国内4社計では同39.8%増の2892億円だった。国内は、第一フロンティア生命が高い金利水準が続く米ドル建て商品等を中心に引き続き好調な販売量を維持し全社をけん引、ネオファースト生命も前年同期を上回った。一方で、第一生命の生涯設計デザイナーチャネルにおける第一生命自社商品の販売については前年同期比でマイナスが続いている。連結純利益は同42%増の2179億円だった。グループ基礎利益は同45.6%増の3404億円だった。グループ修正利益は同30%増の2146億円。第一生命が利配収入の減少や金融派生商品損益の悪化を保険関係損益の改善で相殺し1642億円と前年同期比89%増を示した。通期連結業績予想を修正し、経常収益の予想を10兆2010億円(前回発表予想8兆3530億円)に、1株当たり当期純利益の予想を282円74銭(同277円62銭)にそれぞれ引き上げた。
ソニー生命の保険料等収入は前年同期比17.9%増の1兆2753億円となった。個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は同21.8%増の1147億円。四半期純利益は同86.2%減の112億円。基礎利益は同87.1%増の1331億円。
メットライフ生命の保険料等収入は2兆4754億円で前年同期比15.6%の増収となった。新契約年換算保険料は同5.8%増の1068億円。基礎利益は同61.8%増の2091億円。四半期純利益は同63.7%減の690億円だった
アフラックの保険料等収入は前年同期から横ばいの9684億円となった。新契約年換算保険料は同11.3%増の425億円。基礎利益は同21.9%増の3334億円となった。四半期純利益は同48.7%増の3147億円を計上した。
プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンのグループ4社(プルデンシャルHD、プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)の連結保険料等収入は前年同期比13.8%増の2兆7334億円だった。合算の新契約年換算保険料は同19.0%増加し1212億円だった。親会社株主に帰属する四半期純利益は同67.1%増の974億円。生命保険会社3社(プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)合算の基礎利益は同10.0%増の1800億円だった。
アクサ・ホールディングス・ジャパンの連結保険料等収入は前年同期比6.7%増の6909億円で、親会社株主に帰属する四半期純利益は同48.1%増の308億円となった。。アクサ生命の保険料等収入は同7.6%増の6451億円で、新契約年換算保険料(個人保険+個人年金保険)は同5.0%増の683億円。基礎利益は同54.5%増の464億円となった。
T&Dホールディングスの親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比2324億円増益の648億円(前年同期実績は▲1675億円)だった。グループ修正利益は同16.4%減の704億円。中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の保険料等収入は同13.3%増の1兆8431億円で、基礎利益は同14.9%増の801億円だった。太陽生命の保険料等収入は同24.9%増の5630億円で、新契約年換算保険料は同7.0%減の240億円。大同生命の保険料等収入は同4.5%増の6249億円で、新契約年換算保険料は同9.5%増の574億円。T&Dフィナンシャル生命の保険料等収入は同13.4%増の6551億円で、新契約年換算保険料は同77.4%増の704億円。
フコク生命グループ(富国生命・フコクしんらい生命)の合算の保険料等収入は前年同期比2.0%増の5808億円だった。新契約年換算保険料は同16.7%増の247億円で、合算の基礎利益は同109.2%増の617億円となった。富国生命の保険料等収入は同8.2%減の3722億円で、新契約年換算保険料は同6.4%増の110億円、フコクしんらい生命の保険料等収入は同27.2%増の2086億円で、新契約年換算保険料は同26.7%増の137億円。
朝日生命グループは連結子会社のなないろ生命との合算の基礎利益は前年同期比331.2%増の199億円だった。合算の新契約年換算保険料は同8.6%増の280億円。朝日生命単体の保険料等収入は同2.9%減の2749億円で新契約年換算保険料は同5.4%減の149億円だった。