2024.03.06 保険代理店サービス品質管理機構 JSA―1003「保険代理店サービス品質管理態勢の指針」 レベル3「認証取得」のための「審査」実施へ ステークホルダーに対しレベル示す指標に
一般財団法人保険代理店サービス品質管理機構(米山高生代表理事(理事長))は、JSA―S1003認証制度レベル3「認証取得」のための「審査」の申込受付を3月から開始する。同機構は、2021年3月17日に一般財団法人日本規格協会から発行されたJSA規格であるJSA―1003「保険代理店サービス品質管理態勢の指針」の審査・認証を行う団体で、同機構のJSA―S1003認証制度は保険代理店における各種管理態勢とサービス品質を審査し、JSA―S1003の規定に準拠する保険代理店を認証するもの。「目標宣言」「活動実施」「認証取得」の三つのレベルで構成されている。
保険代理店のJSA規格であるJSA―S1003認証制度の認証レベル3に当たる「認証取得」のための「審査」は、初回の審査で認証されると、2年目に中間審査でレベルの維持・改善状況を調査する。認証期間は3年間で、4年目に継続(更新)審査を行った結果、適合と評価された場合に継続が可能となる。
初回(初年度)審査は、申込後初回審査として、本規格の適合判定をするために書面調査(体制整備状況を自己評価し、そのシートおよび証跡資料で確認)とウェブ調査(体制整備の運用確認と保険募集および契約管理の実務確認)を実施する。
その結果、適合評価となった場合に、認証取得した保険代理店として登録され「JSA―S1003認証取得」の証明書とマークが発行される。取得したマークは、顧客のために高い品質管理体制を保持する保険代理店の証として、ホームページや名刺などに利用できる。
また、中間(認証取得翌年)審査では、初回審査・継続審査の結果、認証取得した保険代理店に対し、その翌年度に本規格レベルの維持・改善状況を調査する。
認証取得審査の申込に当たっては、同制度はJSA―S1003の規定に適合しているかを判断するためのものであるため、日本規格協会が発行する規格書JSA―S1003「保険代理店サービス品質管理態勢の指針」および同規格の解説本を購入した後、内容を確認・理解する必要がある。
初回(初年度)審査は、①「認証審査」暫定申込フォームから申込みを行う(3月から受付開始予定で現在、予約受付中、日本代協会員については1月15日からすで受付を開始)②「受審にあたっての講習」のWeb受講③本規格の理解・事前確認後、正式申込書提出④受審対象の適否を自己点検シートで自己判定⑤受審判定(適)の場合に自己点検シートを提出した後、審査・登録料を振り込む(審査判定が不適合の場合は登録料は返金される)⑥書面調査書類の提出⑦Web調査の実施⑧Web講評⑨審査適合評価⑩認証証明書と認証マークの取得―という流れになる。
中間(2年目)審査については、認証された翌年に中間審査費用を振込した後、書面調査書類を提出し、Web講評を受ける。継続審査・認証は、継続審査の申込、継続審査・登録料を振り込んだ後、書面調査書類を提出し、Web調査を実施。Web講評後、審査適合評価となった場合に認証証明書が更新される。
認証レベル3の費用は、初回(初年度)審査費用が25万円(審査料15万円、登録料10万円)。中間(認証取得翌年)審査費用が10万円(審査料10万円)。継続審査・認証費用が15万円(審査料10万円、登録料5万円)となる。
「認定取得」のための「審査」は、モデル代理店を対象にすでにスタートしており、「保険会社の監査の評価が高くなった」や、「規定やマニュアルを作成する理由が分かりやすかった」という声が寄せられていることから、代理店に自発性が出始めるという効果が出ているという。
同制度は、審査の内容などを現場の実態にあわせて、認証を取得した代理店と協力しながら改善していけることが特長となる。また、取引先や顧客提携先などさまざまなステークホルダーに対して代理店の現在のレベルを示すことを主な目的としている。
現状の課題は、多くの人に認知してもらうことで価値が上がるという観点から、保険業界だけでなく、消費者に対しても認知度を向上させていくことだという。一方で、認知度の向上を重視して取得代理店数の目標を設定するのでなく、取得可能な代理店数を一つ一つ確実に増やしていくことや、PDCAを確実に回すことができる代理店を着実に増やしていくことを最優先していく考えだ。
今後について同機構は、規格を取得しただけで品質が向上するのではないとの考えから、取得後も同機構が代理店に伴走しながら、セミナーを開催して規格の意味を伝えたり、悩みなどの課題を聞く体制を構築することも検討している。
また、同規格は、消費者からの評価となるサービス品質が軸となることから、顧客満足度を上げ、顧客に選ばれる環境を構築でき、さらに3年に1度のペースで更新が行われることから、サービス品質の維持に不可欠な業務品質の整備に寄与できるものになる。今後は、業務品質を強化していきながら、サービス品質の部分も評価できるように組織を拡大していく考えを示している。