2024.02.16 明治安田生命グループ 23年度第3四半期決算 グループ基礎利益は22%増 米スタンコープ社が大幅増益
明治安田生命が2月13日に発表した同グループの2023年度第3四半期決算によると、連結損益計算書上の保険料等収入を示すグループ保険料は、明治安田生命単体の外貨建一時払保険の販売量減少を主因に前年同期比3520億円(12.3%)減の2兆5167億円となった。グループ基礎利益は、明治安田生命単体におけるコロナ関連の支払減少や主要子会社である米スタンコープ社の大幅増益を主因に同641億円(22.4%)増の3500億円。23年度の業績見通しは上半期報告時の「減収・増益」から修正はない。
明治安田生命グループ連結の経常収益は、前年同期比5.6%減の3兆9343億円、経常費用は同6.1%減の3兆7771億円、経常利益は同7.3%増の1571億円、四半期純剰余は同4.2%減の1139億円となった。
グループ保険料は減収も、コロナ禍前の2019年度は上回った。うち明治安田生命単体は前年同期比15.1%減の2兆1089億円、海外保険事業等は同6.2%増の4077億円、米スタンコープ社は団体保険の良好な継続率等を主因に同8.2%増の3781億円だった。
グループ基礎利益のうち明治安田生命単体は同12.4%増の2885億円、海外保険事業等は同87.5%増の680億円、米スタンコープ社は同99.2%増の536億円だった。連結ソルベンシー・マージン比率は、前年度末から5.9ポイント低下して1004.8%となったが、引き続き高い健全性を維持している。
明治安田生命単体の業績を見ると、経常収益は、前年同期比8.3%減の3兆3547億円で、このうち保険料等収入は前記の通り同15.1%減の2兆1089億円で、資産運用収益は同6.3%増の1兆2019億円を計上した。
経常費用が同8.3%減の3兆2193億円で、このうち保険金等支払金は同8.8%減の1兆9695億円、責任準備金等繰入額は同5.2%減の3529億円、資産運用費用は同12.2%減の5113億円となった。経常利益は同9.1%減の1354億円、四半期純剰余は同17.7%減の1038億円となった。
保険料等収入は、営業職員チャネルおよび銀行窓販チャネルにおける外貨建一時払保険の販売量減少を主因に前年同期比15.1%減の2兆1089億円となった。そのうち個人保険・個人年金保険は同18.1%減の1兆5082億円。
新契約年換算保険料は、外貨建一時払保険の販売量減少を主因に同24.4%減の966億円となった。チャネル別内訳では、営業職員チャネルが同19.0%減の787億円、銀行窓販チャネルが同43.2%減の168億円。なお、保障性商品新契約年換算保険料は同6.0%増の347億円、第三分野新契約年換算保険料は同4.4%増の365億円だった。
保有契約年換算保険料は前年度末比0.2%減の2兆1653億円となった。なお、保障性商品保有契約年換算保険料は同1.1%増の6217億円、第三分野保有契約年換算保険料は同2.3%増の4998億円。
単体の基礎利益は、コロナ関連の支払減少を主因に前年同期比12.4%増の2885億円だった。
単体のオンバランス自己資本は前年度末差276億円増の4兆2756億円。単体のソルベンシー・マージン比率は同11.7ポイント上昇して992.5%となった。一般勘定資産全体の含み損益は、国内金利上昇により公社債の含み損益は悪化したものの、内外株価上昇や円安により国内株式や外国証券の含み損益が改善したことから、5兆165億円と同6956億円増加した。
契約クオリティを示す指標は引き続き良好に推移。解約・失効・減額率(個人保険・個人年金保険)は、外貨建保険の解約の減少等により全体では前年同期を下回り、前年同期差0.66ポイント低下して3.58%となった。主力商品は同0.17ポイント上昇の3.84%。総合継続率は、13月目が同1.1ポイント低下の93.9%、25月目が同1.0ポイント低下の88.6%、61月目が同1.9ポイント低下の68.5%で、ともに高水準を維持した。
米国子会社のスタンコープ社の業績では、保険料等収入は団体保険の良好な継続率や既存団体の被保険者数の増加等を主因として前年同期比8.2%増の3781億円。基礎利益相当額は団体保険・個人就業不能保険の良好な給付率等を主因に同99.2%増の536億円、当期純利益は同3.5%増の144億円だった。
23年度通期の業績見通しは上半期報告時からは変更はない。グループ保険料は引き続き減収を見込むが3兆円台を確保する見通しで、グループ基礎利益はコロナ関連支払いの減少や米スタンコープ社の大幅増益を主因として増益の見通しとしている。