2024.02.06 日新火災 空家・空地管理センターと共同開発 「空き家専用保険」提供

日新火災は1月16日、特定非営利活動法人空家・空地管理センター(東京都新宿区、上田真一代表理事)と共同開発した「空き家専用保険」(空家所有者補償特約を付帯した統合賠償責任保険)の提供を同日から開始した。空家・空地管理センターが提供する「空き家管理サービス」に自動付帯して提供する。

昨今、空き家は増加の一途をたどり、特に適切に管理されずに放置される空き家の増加は社会問題となっている。昨年12月には「改正空き家対策特別措置法」が施行され、空き家所有者における空き家の適切な管理の必要性が従来以上に高まっている。日新火災では、保険商品を通じて空き家の所有・管理に係るさまざまなリスクや課題の解消に貢献するため、全国の各自治体や弁護士・不動産会社等の専門家などと連携した地域密着型の管理サービスを展開しているNPO法人空家・空地管理センターと業務提携し、「空き家専用保険」を共同開発した。
空家・空地管理センターは、社会問題化する「放置空き家」を無くすことを目標に2013年に設立され、各自治体と連携を図りながら活動し、全国の協力事業者とともに15都道府県139市区町村(23年11月27日時点)で空き家の管理サービスを提供している。
同センターによる空き家管理サービスは、所有者に代わって空き家を定期訪問し、管理作業を代行するものだが、空き家専用保険の自動付帯を含め従来のサービス内容を一新して同時にリリースされた。
「空き家あんしん管理」と「空き家あんしん管理(プラス)」の二つのサービス種類があり、前者では、▽建物外観の目視確認▽草木の目視確認▽近隣クレーム一次対応▽写真付き巡回報告▽管理会社ステッカー設置▽ポスト清掃―のサービスを提供。「空き家あんしん管理(プラス)」では以上に加え、▽室内の目視確認▽敷地内ゴミ拾い▽室内換気▽通水―のサービスを提供する。
日新火災の「空き家専用保険」は、空き家の所有に伴う損害賠償責任の発生への備えや、火災発生時の近隣トラブルの回避など、空き家所有者が抱えるさまざまな不安に対応する商品として開発されたもので、①空き家の所有、使用または管理に起因して他人の身体の障害や財物の損壊が生じた場合に、空き家所有者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償する損害賠償リスクの補償②火災等により空き家が損害を受けた場合に発生する解体費用や失火見舞費用等を補償する火災リスクの補償―を提供する。
損害賠償リスクに加え火災発生時の解体費用等も併せて補償することで、解体されずに放置される空き家の発生抑制とともに、近隣住民の被害の防止・抑制や不安の解消にもつながるとしている。
損害賠償リスクの補償は「空き家あんしん管理」「同(プラス)」両サービス共通で限度額は1億円。火災リスクの補償は、周辺住民への見舞費用については「空き家あんしん管理」で1被災世帯10万円(1事故50万円限度)、解体費用が1事故100万円限度、「同(プラス)」で、周辺住民への見舞費用が1被災世帯20万円(1事故100万円限度)、解体費用が1事故200万円限度となる。
また、同保険では、前記の補償のほか、管理事業者等を被保険者として、管理サービス業務に起因する他人の身体の障害や財物の損壊等について発生する法律上の損害賠償責任を補償する。