2023.12.25 生保各社23年度第2四半期(上半期)決算 コロナ影響去り増収・増益基調、保険料等収入は9%増20兆円に

2023年度第2四半期(上半期)の生命保険各社の業績がまとまった。生保協会集計による生保42社の保険料等収入は20兆1027億円で前年同期比9.0%増と増収。新契約年換算保険料は1兆1872億円、同17.3%増と好調。純剰余(利益)は7497億円(同14.4%増)の増益となった。(本日4~6面に生保協会会員各社の業績詳細(本紙調査)を掲載)

日本生命グループの連結業績は増収・増益で、連結保険料等収入は日本生命、ニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売増を主因に前年同期比38.4%増の4兆1089億円。基礎利益は新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等による危険差益の増加を主因に同38.0%増の3577億円となった。国内の新契約年換算保険料は同42.9%増の2531億円、保有契約年換算保険料は前年度末比2.2%増の4兆6942億円と増加した。23年度通期の業績見通しについては、保険料等収入は一時払商品の販売増を主因に増収、基礎利益は新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等を主因に増益を見込む。
かんぽ生命は新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払の減少とキャピタル損益の大幅な改善により単体の基礎利益は前年同期比271億円増の1317億円となった。連結保険料等収入は同545億円減の1兆969億円、連結中間純利益は同4.4%増の504億円となった。新契約年換算保険料は同38.1%増と回復基調が続く一方、保有契約年換算保険料(旧区分・新区分合算)は前期末比4.3%減となった。
明治安田生命のグループ保険料は明治安田生命単体の外貨建一時払保険の販売量減少を主因に前年同期比12.5%減の1兆6125億円。グループ基礎利益は、明治安田生命単体のコロナ関連の支払減少やスタンコープ社の大幅増益を主因として同18.2%増の2615億円と減収・増益となった。明治安田生命単体の新契約年換算保険料は同23.3%減の601億円で、保有契約年換算保険料は第三分野の増加等により前年度末比0.2%増の2兆1749億円となった。23年度の業績見通しは、グループ保険料は「減収」、グループ基礎利益は「横ばい」から「増益」に変更した。
住友生命グループ(住友生命、メディケア生命、シメトラ)の保険料等収入は前年同期比2.4%減の1兆2800億円、基礎利益は同35.5%増の1488億円となった。グループの新契約年換算保険料は同11.2%増の1829億円、保有契約年換算保険料は前年度末比4.4%増の3兆1751億円だった。住友生命単体の新契約年換算保険料は、同11.3%減の520億円で、保有契約年換算保険料は前年度末比0.4%増の2兆2679億円。23年度通期のグループ業績見通しについては、年初の予想を上方修正し、保険料等収入は前年比2.2%増の2兆6400億円程度、基礎利益は同3.3%増の2700億円程度に予想を引き上げた。
第一生命ホールディングスの連結保険料等収入は前年同期比11.9%増の3兆6822億円となった。グループ基礎利益は同4%増の2158億円だった。親会社株主に帰属する中間純利益は同31.1%増の1574億円。グループ修正利益は同24%増の1732億円となった。国内は第一生命における利配減、第一フロンティア生命の販売増を起因とする減益等を保険関係損益の改善で相殺し通期見通しに対し57%の進捗、海外は豪TALの基礎的収益力向上や経済変動等の増益要因により69%の進捗となり、グループ全体では64%の進捗で、通期見通し2700億円に向け国内・海外共に順調としている。グループ全体で新契約年換算保険料は同29.1%増の2395億円。第一フロンティア生命が高い金利水準が続く米ドル建商品等を中心に引き続き好調な販売量を維持し全社をけん引、ネオファースト生命も前年同期を上回った結果、国内4社(第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、アイペット)計で同44.6%増の1819億円となった。グループ全体の保有契約年換算保険料は前年度末比5.5%増の4兆7738億円だった。国内4社計では同3.2%増の3兆2194億円。
ソニーフィナンシャルグループの親会社株主に帰属する中間純利益は、経常利益の減少に加えて、前年同期に計上したソニー生命の子会社における資金回収による利益や、ソニー生命における不動産売却に伴う利益の剥落により、前年同期比73.4%減の199億円となった。ソニー生命の新契約年換算保険料は同28.3%増の715億円。保有契約年換算保険料は前年度末比4.2%増の1兆1611億円だった。保険料等収入は前年同期比12.0%増の7844億円で、中間純利益は同80.3%減の99億円を計上。基礎利益は同108.0%増の846億円。
メットライフ生命の保険料等収入は前年同期比21.5%増の1兆5931億円。基礎利益は同45.7%増の1375億円。中間純利益は61億円となった。新契約年換算保険料は同9.9%増の690億円となった。保有契約年換算保険料は前年度末比6.5%増の1兆2602億円。
アフラックの保険料等収入は前年同期比0.6%減の6432億円。中間純利益は同20.0%増の1575億円となった。基礎利益は同26.2%増の2281億円。新契約年換算保険料は同16.4%増の280億円で、保有契約年換算保険料は前年度末比0.7%減の1兆3230億円。
プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンのグループ4社(プルデンシャルHD、プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)の連結保険料等収入は前年同期比12.2%増の1兆6458億円だった。親会社株主に帰属する中間純利益は同5.7%増の671億円。生命保険会社3社合算の基礎利益は同4.2%増の1152億円だった。新契約年換算保険料は同13.3%増の756億円。保有契約年換算保険料は前年度末比5.7%増の2兆1138億円。
アクサ・ホールディングス・ジャパンの連結保険料等収入は前年同期比4.2%増の4491億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同54.7%増の224億円となった。アクサ生命の基礎利益は同20.7%増の306億円となった。新契約年換算保険料は同0.4%増の430億円、保有契約年換算保険料は前年度末比2.9%増の7256億円だった。
T&Dホールディングスの親会社に帰属する中間純利益は前年同期に海外再保険関連会社(フォーティテュード社)で米国金利上昇に伴う多額の一時的な評価性損失等が発生した反動により、前年同期比1913億円増の430億円だった。新契約年換算保険料は3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算で同20.9%増の945億円で、保有契約年換算保険料は前年度末比2.1%増の1兆5981億円。保険料等収入は、3社合算で前年同期比0.2%増の1兆1163億円。基礎利益は、3社合算で同13.7%減の567億円となった。
フコク生命グループ(富国生命・フコクしんらい生命合算)の連結保険料等収入は前年同期比1.8%増の4047億円。親会社株主に帰属する中間純利益は同441.5%増の403億円だった。2社合算の基礎利益は同293.5%増の425億円と同3.9倍と大幅に増加した。2社合算の新契約年換算保険料は、同22.9%増の166億円、保有契約年換算保険料は前年度末比0.0%減の5497億円。
朝日生命グループ連結の保険料等収入は前年同期比3.8%増の2130億円だった。親会社に帰属する中間純剰余は同37.6%減の68億円。グループの新契約年換算保険料は同9.4%増の183億円。保有契約年換算保険料は前年度末比0.2%減の5072億円。