2023.11.27 保険毎日新聞/韓国保険新聞/中国銀行保険報 第7回大学生アイデアコンテスト本選大会 日本チームが初めて大賞、明治大学の4人が健康増進型保険「LAUGH」で快挙
保険毎日新聞、韓国保険新聞、中国銀行保険報が共同開催する「第7回大学生アイデアコンテスト」本選大会が10月27日、韓国・ソウル中区世宗大路にある大韓商工会議所中会議室Aで開催された。韓国の8チームに、日本と中国から参加した1チームずつの計10チームが公開プレゼンテーションで競った結果、明治大学商学部藤井陽一朗教授のゼミ生4人(仁見丈さん、江澤開さん、燕玲雄さん、柴田裕貴さん)のチームがユニークな健康増進型保険のアイデアで大賞(金融監督院長賞)を受賞した。これまで韓国以外のチームが大賞を受賞したことはなく、7回目にして初の快挙となった。(2面、8~10面に関連記事)
人工知能(AI)やチャットGPTなどの最先端技術をアイデアに盛り込んだ「保険業界の発展に資する新しい保険商品」がテーマとなった今回のコンテストは、コロナ禍によって4年ぶりに、地元韓国の8チームに加え、日本と中国から1チームずつが参加した。
本選大会の冒頭、主催者と審査員が紹介されてから、審査委員長のソン・ジュホ氏(慶煕大学経営学部教授)が激励のあいさつを述べ、その後、学生たちのプレゼンテーションが始まった。各チームは15分間で自ら考案した商品アイデアを紹介し、その後の5分間、審査員と質疑応答を実施。90以上の応募による予選をくぐり抜けて本選の舞台に立った韓国チーム、少数精鋭の日本チーム、中国チームと、3カ国の学生たちによるハイレベルのプレゼンテーションを、保険業界の実務家、保険を専門とする研究者から成る審査員たちが真剣な眼差しで評価した。
日本チームの明治大学「Colon―D」は、健康増進型保険「LAUGH」を提案した。高齢世代の課題であるフレイルの予防を目的とし、「笑い」の量に応じて保険料を割り引く医療保険のアイデアで、デジタル機器を使って顔の表情、声、横隔膜の動きから「笑い」を正確に測定する仕組みや、契約者が日常で笑う機会を増やすために、漫才などの動画、コメディーのライブ、同年代のコミュティー形成を付帯サービスにするといったユニークさが、英語による元気のよいスピーチと相まって会場の注目を集めた。プレゼン後には審査員から多くの質問を受けた。
全プレゼンテーション終了後、コリアン・リー常務取締役のソン・ヨンフプ氏による特別講演に続いて、授賞式が行われた。梨花女子大学経営学部のイ・ミヒョンさん、漢陽大学経営学部のカン・ダヒョンさん、高麗大学保健政策管理学部のチャン・ハンビさん、延世大学アジア学のハン・ヘスンさんによるチーム「ARPC」は、「ディープテックで一つになる農業保険管理・withfarm」で、漢陽大学経営学部のキム・ヘジンさん、クァク・ミンジュさん、チェ・グァンジンさんのチーム「HARU」は、「インホームケア(Insurance Home Care)サービス導入」で、浦項工科大学コンピュータ工学科のイ・セギュさん、産業経営工学科のキム・ヨンフンさん、延世大学国語国文学科のチョン・ジインさんのチーム「恋愛細胞」は、「AI基盤・流動人口指数型保険・どうぞ」でそれぞれ優秀賞である生命保険協会長賞、損害保険協会長賞、保険開発院長賞を受賞した。
また、北京工商大学大学院保険学科、北京工商大学保険計理学科の学生で構成されたチーム「CLOVER」(リュウ・ハさん、リャン・チンジョンさん、ホ・ジョンビンさん)は、「長期療養年金保険プレミアムを決定するための、革新的なモデル」で、成均館大学消費者学科、教育学科、スポーツ科学科、経営学科の学生たちで構成されたチーム「成均保険院」(チョン・ウソンさん、シン・ジアさん、イ・ダウォンさん、チェ・ソジンさん)は、「共有モビリティ組み込み保険」でそれぞれ奨励賞である韓国保険新聞社長賞を受賞した。
最後に大賞が発表され、「Colon―D」が呼ばれたことに気付くと、日本チームの4人は登壇し、笑顔を見せながら賞金300万ウォン(約34万5000円、1ウォン=0.115円換算)が記された大賞のパネルを受け取った。
集合写真を撮った後、会場を移してディナーパーティーが行われた。コンテストを終えた3カ国の学生たちは、食べ物や飲み物を手に取りながらお互い健闘を称え合い、交流を深めた。
本コンテストは、毎年韓国・ソウルで開催され、韓国チーム8チームと、日本、中国から1チームずつが参加する。全体の進行や、日本、中国チーム以外のプレゼンテーションは基本的に韓国語で行われることもあって、これまで大賞は全て韓国のチームが受賞しており、今回、初めて日本のチームが受賞した。審査委員長のソン氏は日本チームについて、「最も重要な要素は創造性と商品の実現性であり、笑いというテーマが非常に良かった。また、プレゼンテーションはとても魅力的で楽しく、発表の完成度が高かった」と評価した。