2023.11.17 かんぽ生命 23年度第2四半期(中間期)決算 基礎利益1317億円と増益、新契約年換算保険料は38%増と回復基調

かんぽ生命は11月13日、2023年度第2四半期(中間期)決算を発表した。主に新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払の減少とキャピタル損益の大幅な改善により単体の基礎利益は前年同期比271億円増の1317億円となった。連結経常利益は同647億円(187.5%)増の993億円と大幅増。連結中間純利益は、同21億円(4.4%)増の504億円となった。契約の状況では、個人保険新契約年換算保険料が同124億円(38.1%)増と回復基調が続く一方、保有契約年換算保険料(旧区分・新区分合算)は前期末比4.3%減となった。

連結主要業績では、経常収益は前年同期比2.8%減の3兆1139億円で、通期業績予想の5兆8900億円に対する進捗率は52.9%。このうち保険料等収入は同545億円減の1兆969億円、資産運用収益は同632億円増の6194億円、責任準備金戻入額は同1194億円減の1兆3731億円だった。
契約の状況では、個人保険の新契約年換算保険料は同38.1%増の452億円と伸展。そのうち第三分野は同79.9%増の53億円だった。保有契約年換算保険料(新区分)は、個人保険が2兆2532億円で前期末比4.3%減、うち第三分野が3147億円で同2.3%の減少となった。旧区分を合算したベースでは、個人保険が3兆787億円で同4.3%減、うち第三分野が5782億円で同2.5%の減少となる。個人保険の保有契約件数は、新旧区分合算で前期末比3.5%減の2024万件だった。商品別に見ると、養老保険は629万件(占率31.1%、前期末実績677万件)、終身保険は1092万件(占率53.9%、前期末実績1109万件)、学資保険は287万件(占率14.2%、前期末実績297万件)、その他は15万件(占率0.8%、前期末実績13万件)となっている。
連結の経常費用は前年同期比1532億円減の3兆146億円で、このうち保険金等支払金は同1508億円減の2兆6183億円、資産運用費用は同251億円増の1421億円、事業費等は同54億円減の2541億円だった。第2四半期の委託手数料は同87億円減の607億円。このうち、新契約手数料は同66億円減の120億円、維持・集金手数料は同20億円減の486億円だった。拠出金は同31億円増の282億円だった。
連結経常利益は前記のとおり同647億円増の993億円で、通期業績予想の1400億円に対する進捗率は70.9%。連結中間純利益は、キャピタル損益等が価格変動準備金により中立化され、同21億円(4.4%)増の504億円。通期業績予想720億円に対する進捗率は70.1%で、経常収益、経常利益、当期純利益の通期予想には今回修正はない。
連結の総資産は前期末比1兆1019億円減の61兆5854億円で、純資産は同3059億円増の2兆6813億円となった。
貸借対照表上の「金銭の信託」「有価証券」に計上している資産のうち、資産運用目的で保有する国内外株式、外貨建債券、投資信託等を対象とする「収益追求資産」への投資残高は、前期末比3534億円増の10兆1839億円で、総資産に占める割合は16.5%(前期末15.7%)。平均予定利率は前年同期から0.01ポイント下がり1.66%、利子利回りは同0.04ポイント低下し1.86%だった。
有価証券の含み益は2兆5351億円で前期末から1兆2937億円減少した。
連結ソルベンシー・マージン比率は1024.1%で前期末比15ポイント上昇した。
エンベディッド・バリュー(EV)は、国内株価上昇による保有国内株式の含み益の増加等により、前期末比1117億円(3.2%)増の3兆5755億円だった。4月から9月までの新契約をベースに9月末の経済前提を使用した新契約価値は67億円で、新契約価値を将来の保険料収入の現在価値で除した新契約マージンは1.4%だった。
株主還元については、24年3月期の配当については1株当たり94円から変更はない。24年3月期は中間配当、期末配当の年2回の剰余金の配当を予定している。
かんぽ生命単体ベースでは、順ざやが減少した一方、新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払の減少による影響が保有契約の減少による影響を上回り、保険関係損益が増加。基礎利益は前記のとおり前年同期比271億円増の1317億円で、内訳は、保険関係損益が373億円増の815億円、順ざやが102億円減の502億円。キャピタル損益が779億円増の57億円、臨時損益の計上が388億円減の▲372億円となった結果、経常利益は同662億円増の1002億円となった。さらに特別利益(価格変動準備金戻入額)が743億円減の70億円、契約者配当準基金繰入額が72億円増の344億円、法人税等合計が188億円減の213億円となった結果、中間純利益は同35億円増の514億円となった。