2023.11.10 三井住友海上、MS&ADインターリスク総研 スタートアップ、新規参入企業の挑戦を支援、宇宙事業者向け総合支援サービス開始

三井住友海上とMS&ADインターリスク総研は、これまでのリスク評価の知見を生かした、「宇宙事業者向け総合支援サービス」の提供を10月11日から開始した。スタートアップ、新規参入企業など民間の宇宙事業を対象にリスク評価・法務・技術面で支援する。

「宇宙事業者向け総合支援サービス」は、人工衛星やロケットの製造から輸送、打ち上げまでの宇宙事業におけるリスクを可視化し、低減策を提案する安定的な宇宙事業の継続に資する総合的なリスクマネジメントサービスで、その他にも、被害予測や安全基準策定支援など、個別の要望にも応じることができるものとしている。
サービス例として、▽人工衛星・ロケット・関連部品の製造工程における火災・爆発への対策支援▽事業所の自然災害リスクの洗い出し▽製造時の労働災害リスクの軽減▽人工衛星・ロケットなどを輸送する際のリスクの可視化▽ロケット打ち上げなどの被害予測シミュレーションや宇宙関連実験を実施する際の安全基準策定支援―を例示。
さらに具体的な活用イメージとして、人工衛星事業者については、▽衛星製造から打ち上げまでのプロセスにおけるシームレスな支援▽衛星輸送時の物流リスクの分析支援▽打ち上げ契約書の締結支援と打上機選定におけるサポート。ロケット関連事業者については、▽ロケット打ち上げにおける被害想定シミュレーション策定▽ロケット打ち上げ契約書の作成支援。また全事業者共通のものとして、▽テナントとしてクリーンルーム設置に伴う、防消火設備の管理適切性を評価する火災リスクサーベイ▽新事業における宇宙実証のリスクサーベイ▽航空宇宙関連実験の被害想定シミュレーション▽ロケット打ち上げにおける免許取得や各種手続きに関する支援―を挙げる。
MS&ADグループは、1975年に日本で初めて幹事保険会社として宇宙保険の引受けをして以来、月保険や宇宙旅行保険など宇宙事業における多様なリスクに対する保険組成や、スタートアップ企業との包括連携協定の締結などを進めてきた。近年、宇宙業界は政府を中心とした活動から、民間のスタートアップを起点とした新たな活動が急増し、宇宙事業への参画プレーヤーが大きく変わる過渡期にある。そのような中、三井住友海上とMS&ADインターリスク総研は、宇宙保険の引受けや多くのリスクコンサルティングのノウハウを生かして、スタートアップや新たに宇宙事業へ参入した企業などの現状や課題を分析し、本サービスを開発したとしている。
今後は同サービスに加えて、宇宙事業者のビジネスをサポートする弁護士事務所との協業や、人工衛星製造時やロケット打ち上げプロセスに対する技術支援など、市場のニーズに合わせたメニューを拡充していく予定だ。宇宙事業に挑戦する事業者へソリューションを提供し続けることで、宇宙ビジネスの成長に貢献していくとしている。