2023.08.31 T&D保険グループ 23年度第1四半期決算 純利益は782億円増益、国内新契約保険料は31%増

T&D保険グループが8月10日に発表した2023年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比4.9%増の7888億円となった。連結経常利益は同783億円増の350億円に回復。親会社株主に帰属する四半期純利益は、海外再保険関連会社(フォーティテュード社)において、米国金利上昇に伴う会計上の一時的な評価性損失等が発生した前年同期からの反動により、同782億円増の189億円となった。グループ修正利益は新型コロナ関連の支払が減少した一方、為替ヘッジコストの増加等による資産運用費用の増加により、同26.0%減の286億円。

T&D保険グループの経常収益7888億円のうち保険料等収入は、前年同期比4.6%増の5600億円。資産運用収益は同6.8%増の2072億円だったが、そのうち利息及び配当金等収入は外貨建債券残高の削減等による外国証券利息配当の減少等で、同11.6%減の763億円となった。経常費用は同5.3%減の7537億円で、そのうち保険金等支払金が同8.1%減の5225億円、責任準備金等繰入額はT&Dフィナンシャル生命の一時払商品の解約減少等により同621.1%増の590億円、資産運用費用は為替ヘッジコストの増加等を要因として同80.1%増の898億円となった。
グループの基礎利益は、新型コロナ関連の支払が減少した一方、為替ヘッジコストの増加等による基礎運用収支の減少により、同41.3%減の246億円。
グループのMCEVは、新契約価値の積上げおよび内外株価上昇等により、前年度末比6.0%増の3兆5307億円。新契約価値は、2022年度末に実施した終局金利の変更等により国内生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算で前年同期比13.2%減の402億円。
グループ連結のソルベンシー・マージン比率は、前年度末比2.3ポイント低下し917.8%で十分な健全性を維持。また、同グループの内部モデルに基づき算出したグループ連結のESRは、同8ポイント上昇し238%だった。
国内3社合算の契約業績では、保険料等収入がT&Dフィナンシャル生命の一時払商品の販売好調等により前年同期比4.6%増の5575億円だった。新契約年換算保険料は、同31.3%増の483億円で、そのうち第三分野が同11.3%増の108億円。保有契約年換算保険料は、前年度末比1.1%増の1兆5826億円で、そのうち第三分野が同0.9%増の2897億円となった。
国内生保3社の業績を個社ごとに見ると、太陽生命の新契約年換算保険料は、前年同期比7.7%減の84億円で、うち第三分野は同1.1%増の53億円。新契約年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障部分の合計となる保障性新契約年換算保険料は、インフォマーシャルやインターネット広告等を経由した情報を活用し、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」の推進や営業職員数の増加、新商品の発売等に伴い、同3.6%増の55億円。保有契約年換算保険料は前年度末比0.3%減の5708億円で、うち第三分野は0.8%増の1346億円。保障性保有契約年換算保険料についても、新契約業績が好調だったことを受けて、上場以来最高だった前年度末から2億円増加して1616億円となった。
経常収益は前年同期比18.8%減の2482億円。このうち保険料等収入は同19.1%減の1462億円、資産運用収益は同8.0%減の640億円だった。経常費用は同19.5%減の2341億円で、うち保険金等支払金は同27.4%減の1735億円、資産運用費用は同35.7%増の314億円。経常利益は同6.2%減の141億円、四半期純利益は同11.4%減の71億円、基礎利益は同36.0%減の97億円、修正利益は同11.4%減の71億円となった。
大同生命の新契約年換算保険料は、前年同期比5.5%増の172億円、保有契約年換算保険料は前年度末比0.1%増の8025億円。新契約高は、死亡保障だけでなく、就業不能・介護保障など顧客の幅広い保障ニーズに応えるコンサルティング営業を実践したことなどにより堅調に推移し、前年同期から558億円増の1兆1165億円で、そのうち就業不能・介護保障商品の新契約高は、同117億円増加の3580億円となった。また、保有契約高は、解約失効高が顧客である中小企業の資金需要増加などにより増加したものの、新契約高が堅調に推移したことにより、前年度末並みの水準を確保し、前年度末から417億円減少し46兆6421億円で、そのうち就業不能・介護保障商品は同422億円増の11兆5087億円。
経常収益は前年同期比13.9%増の2950億円、うち保険料等収入は同4.5%増の1995億円、資産運用収益は同44.8%増の875億円。経常費用は同18.2%増の2746億円でうち保険金等支払金は同4.1%増の1393億円、資産運用費用は同157.9%増の584億円。経常利益は同23.6%減の204億円、四半期純利益は同25.9%減の120億円、基礎利益は同43.2%減の143億円、修正利益は同25.9%減の120億円となった。
T&Dフィナンシャル生命の新契約年換算保険料は、今年4月から「円貨プラン」を新設してリニューアルした一時払個人年金保険「ファイブテン・ワールド3」の販売が堅調に推移したことにより、前年同期比99.4%増加し226億円で前年同期から約2倍となった。保有契約年換算保険料は、前年度末から10.0%増加し2092億円となった。
経常収益は前年同期比18.9%増の2701億円、そのうち保険料等収入は同31.1%増の2117億円、資産運用収益は同12.1%減の566億円。経常費用は同20.0%増の2683億円で、うち保険金等支払金は同7.2%増の2082億円、資産運用費用は同94.7%減で2億円。経常利益は同49.8%減の18億円、四半期純利益は同55.8%減の10億円、基礎利益は同63.3%減の5億円、修正利益は同91.8%減の3億円。
その他、クローズドブック事業(T&Dユナイテッドキャピタル連結)の修正利益は、おおむね前年同期並みとなる98億円で、四半期純利益は前年度にフォーティテュード社で米国金利上昇に伴う会計上の一時的な評価性損失等が発生したことの反動により、前年同期から854億円増となる▲5億円となっている。