ＳＯＭＰＯホールディングスが８月９日に発表した２０２３年度第１四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比１４．４％増の１兆４４９４億円となった。このうち正味収入保険料は、損保ジャパンが新種保険を中心に増収した他、Ｓｏｍｐｏインターナショナルのコマーシャル部門（以下、ＳＩコマーシャル）のトップライン成長（＋７０１億円）がけん引し、同８．０％（８４３億円）増の１兆１３６４億円を計上した。生命保険料は同１．４％増の７５４億円だった。資産運用損益が好調な海外保険事業と、前年度の新型コロナ影響が剥落したＳＯＭＰＯひまわり生命が増益となったことを主因に、連結経常利益は同４４６．１％増の１２８７億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は第１四半期としては過去最高益の１０００億円、同６３１．７％増となった。修正連結利益は同２７．９％増の８１８億円で、通期予想２８００億円に対する進捗率は２９％。

ＳＯＭＰＯグループの連結純利益１０００億円の増減要因は、損保ジャパンが４４２億円で前年同期比＋１２４億円、海外保険事業が６３７億円で同＋７３２億円、ＳＯＭＰＯひまわり生命が４４億円で同＋４６億円、介護・シニア事業が１３億円で同＋０億円、その他・連結調整等が▲１３８億円で同▲４０億円。
国内損保事業のうち損保ジャパン単体の業績では、自動車保険における発生保険金の増加を自然災害影響の減少がカバーし、政策株式の売却も順調に進捗しており、経常利益は前年同期比１４２億円増益の５５５億円、当期純利益は同３９．１％増の４４２億円となった。修正利益は同９億円減の３５６億円。
当期純利益４４２億円の内訳のうち、保険引受利益は、同５０億円増益の５８億円。増減要因では、自動車保険の事故件数増加・修理費単価の上昇等が▲９０億円、国内自然災害が＋８４億円で、異常危険準備金繰入額は６８億円で前年同期から５６億円減少した。また資産運用損益は、有価証券売却益やファンド解約益の増加を主因に同９９億円増益の５３１億円だった。
なお、保険引受利益から異常危険準備金に係る影響を除いたコア保険引受利益は１２６億円で、通期予想（５５４億円）に対しておおむね順調な進捗とした。国内自然災害の影響は▲１１５億円で、それを除くと２４２億円となる。
損保ジャパンの正味収入保険料は新種保険の増収がけん引し、前年同期比１．０％増の５７３８億円だった。自賠責・家計地震を除くベースでは５２３３億円。その他（新種保険）は主力商品の「ビジネスマスター・プラス」が引き続き好調で、正味収入保険料は同３．５％増の１０７３億円だった。
自賠責と家計地震を除いたＥ／Ｉ損害率は、自動車保険の事故件数増加・修理費単価の上昇を主因に前年同期比１．７ポイント上昇し６３．１％となった。除く自賠責・家計地震のＷ／Ｐ損害率は同２．３ポイント上昇の５７．０％。
正味事業費率（自賠責・家計地震を除く）は火災保険の商品改定に伴う代理店手数料率の低下を主因に、前年同期比０．５ポイント低下し３３．６％、社費率は同０．１ポイント低下し１３．０％。コンバインド・レシオ（Ｅ／Ｉ、除く自賠責・家計地震）は同１．２ポイント上昇し９６．７％で、コンバインド・レシオ（Ｗ／Ｐ、除く自賠責・家計地震）は、同１．９ポイント上昇の９０．６％となった。単体ソルベンシー・マージン比率は６５８．５％。
国内生保事業で、ＳＯＭＰＯひまわり生命の新契約年換算保険料は前年同期比６．３％減の７６億円。保有契約年換算保険料（個人保険と個人年金保険の合計）は引き続き保障性商品を中心とする新契約の蓄積により順調に増加し、前年度末比０．１％増の３８５９億円だった。保険料等収入（法令にのっとった生命保険会社の様式に基づく数値で連結様式とは異なる）は、同０．６％増の１０４４億円、責任準備金繰入等が同２．７％減の６２７億円、保険金等支払が同２１．５％減の２０９億円、事業費は同２．０％減の２２３億円、資産運用損益は同４．７％増の１３０億円で、基礎利益は同３３８．１％増の９１億円となった。経常利益（連結様式とは異なる）は同６２２．４％増の７６億円で、当期純利益は同４６億円増（前年同期実績は▲１億円）の４４億円。修正利益は４１億円（７２．９％）増益の９９億円。単体ソルベンシー・マージン比率は１２１１．０％となった。
海外保険事業は、保険引受利益、資産運用損益ともに計画を上回る進捗となり、当期純利益は前期の金利上昇に伴う有価証券未実現損失の剥落を主因に同７３２億円増益の６３７億円となった。修正利益は前年同期比１４７億円増の３４７億円。ＳＩコマーシャルのグロス保険料は、農業保険で作物価格下落の影響を受けるも、好調な再保険の更改や元受保険のレートアップにより同２．７億ドルの増収の５２億６６００万ドルを計上。正味収入保険料は、北米での保有増やグローバルマーケットの成長もあり２．５２億ドル増収の３７．７９億ドル。コンバインド・レシオは地理的拡大への投資やインフレによる人件費増等により同１．３ポイント上昇し９２．４％だった。
介護・シニア事業は、ＮＤソフトウェア社の買収による統合効果に加え入居率の上昇により、売上高は前年同期比６２億円の増収。修正利益は１４億円で、通期予想７０億円に対する進捗は計画通りとした。