2023.05.22 第一生命HD 22年度末決算 コロナ支払・米損失等で純利益53%減、23年度グループ修正利益は2700億円見込む

第一生命ホールディングスが5月15日に発表した2022年度末決算によると、第一生命のコロナ支払増加、第一フロンティア生命の外貨標準責任準備金の負担増や金利上昇、米銀破綻等の要因による海外事業の損失により、グループ修正利益は前年比38%減の1844億円(11月発表通期予想約2400億円、進捗率77%)、親会社株主に帰属する当期純利益は同53.0%減の1923億円(同2190億円、進捗率88%)、グループ基礎利益は同34%減の3642億円となった。連結経常収益は同16.0%増の9兆5194億円(同9兆6500億円、進捗率99%)、連結経常利益は同30.5%減の4109億円(同4300億円、進捗率96%)。

23年度末の連結業績予想については、コロナ支払や金利上昇、米銀破綻等による影響から反転し、主に第一生命、第一フロンティア生命、米プロテクティブでの利益回復により、経常収益は12.3%減の8兆3530億円、経常利益は13.2%増の4650億円、親会社株主に帰属する当期純利益は42.0%増の2730億円、1株当たり当期純利益277円67銭、グループ修正利益は2700億円程度を見込む。グループ連結の基礎利益は同18%増の約4300億円を見込む。
株主還元では、22年度の1株当たり配当金は86円(前期比3円増配)とする他、上限1200億円の自己株式取得を決定した。24年3月期についてはグループ修正利益予想を踏まえ、引き続き1株当たり86円の配当を予想する。
22年度末のグループの営業業績では、新契約年換算保険料は前年比25.2%増(為替調整後同21.0%増)の3920億円となった。国内は、第一フロンティア生命が海外金利上昇で高まった外貨建商品の訴求力を背景に販売量を大きく拡大し国内全体で同35%増となる一方、第一生命は年間を通じて自社商品の販売が低迷し、ネオファースト生命も他社の商品改定等の影響を受け前期比で減少した。なお、第一フロンティア生命・ネオファースト生命商品の販売を含めた第一生命チャネル販売全体は同8%増となっている。海外は、円安の影響もあり同6.3%増(為替調整後同6.0%減)の1130億円。保有契約年換算保険料は前年比6.1%増(為替調整後同3.3%増)の4兆4924億円だった。
グループ連結純利益は、前期の増益要因だった第一フロンティア生命におけるMVA関連益が大きく減少したことなどにより、前記の通り1923億円となった。グループ修正利益は、第一フロンティア生命で販売好調に伴う外貨標準責任準備金の積増し負担が増加したことや、米プロテクティブで海外金利の上昇に伴い評価性損失を計上したことに加え、3月の米銀破綻等を受けた同社の損失について修正後発事象として22年度に取り込んだ影響等を受け、前記の通り1844億円。
グループ新契約価値は、第一フロンティア生命・米プロテクティブが堅調に推移するも第一生命・ネオファースト生命が低迷し11月修正予想水準に届かず、前年比31%減の878億円となった。第一生命は、コンサルティング改革による活動量の減少から回復基調にあるも、収益寄与の大きい自社の保障性商品販売が大きく減少したことで大幅に減少。第一フロンティア生命は、海外金利上昇の中で販売量の大幅増を背景に増加。海外は、米プロテクティブが経営者保険の販売好調を背景にけん引し増加した。
グループ各社の業績を見ると、第一生命の個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は前年比38.0%減の462億円。このうち第三分野は同38.7%減の295億円だった。保有契約年換算保険料は前年比2.7%減の1兆9977億円で、このうち第三分野は同1.0%減の7019億円。
経常収益は前年比7%増の4兆1398億円で、このうち、保険料等収入は同1%増の2兆2968億円。資産運用収益は同1321億円増の1兆3792億円。経常費用は同2856億円減の3兆7863億円で、このうち保険金等支払金が同5646億円減の2兆4513億円、責任準備金等繰入額が同219億円減の229億円、資産運用費用が同3076億円増の6693億円、事業費が同147億円減の3954億円だった。経常利益は同253億円減の3535億円、当期純利益は同341億円減の1656億円だった。
修正利益は、前記の減益要因を金融派生商品損益や臨時損益の改善が補い、同17%減の1656億円。第一生命単体のソルベンシーマージン比率は、前年度末から41.9ポイント下がり865.4%。基礎利益は、新型コロナ感染拡大に伴う入院給付金支払い増加等により保険関係損益が大きく悪化したことや、ヘッジコスト上昇に伴う順ざや減少の影響等により、同37%減の2571億円。23年度は9%増の約2800億円を見込む。
第一フロンティア生命の個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は前年比87.2%増の2207億円だった。保有契約年換算保険料は前年7.4%増の9644億円。保険料等収入は同74%増の2兆6126億円。当期純利益は、基礎利益の悪化に加え、キャピタル損益やMVA関連損益に含まれる市場価格調整に係る戻入益の剥落等により、同95%減の64億円。MVA関連損益等を除いた修正利益は同358億円減益の▲167億円。基礎利益は、同671億円減益の▲232億円。
ネオファースト生命の個人保険の新契約年換算保険料は前年15.5%減の120億円。保有契約年換算保険料は前年比10.2%減の1248億円だった。保険料等収入は、医療保険の保有契約が増加したものの、経営者保険の解約等により同7%減の1312億円。当期純利益は、新型コロナ感染拡大に伴う入院給付金支払いの増加があったものの、グループ内出再の影響で同315億円増の247億円(前期は▲68億円の純損失)。基礎利益は同17億円減益の▲96億円。
海外保険事業では、米プロテクティブは、営業利益は、主にリテール事業におけるコロナ関連の保険金支払の減少等が寄与し、前年比52%増の6億4100万ドル。単体の当期純利益は、前期に計上したのれんの減損の影響が剥落したものの、主に金利を中心とした金融市場変動に伴う営業外損益の悪化(評価損等)から、同50%減の1億3800万ドルとなった。また、グループ連結上は、23年3月に破綻した銀行の債券および無価値となったAT1債券に係る損失▲1億ドルを後発事象として取り込む。
豪TALは、基礎的収益力は、個人保険で前期に計上されたアステロン・ライフの保険負債評価のモデル変更に伴う一時益が剥落したものの、TAL Life Insurance Services Limited(旧Westpac Life)の利益貢献を含めて全般的に好調に推移し、前年比11%増の2億6700万豪ドル。当期純利益は、基礎的収益力の増益に加え、前期の大幅な豪金利の変動(フラットニング)に伴う資産・負債の時価評価の悪影響からの回復や、その他の経済変動がポジティブに寄与し、同225%増の4億900万豪ドルとなった。