2023.03.27 AIG損保 事業賠償・費用総合保険で2特約発売、国内初・アスベスト飛散事故を補償
AIG損保は、2021年に発売した「事業賠償・費用総合保険(ALL STARs)」をバージョンアップし、同特約として「アスベスト飛散事故補償特約」と「特許等知的財産権補償特約」の販売を3月6日から開始した。
「アスベスト飛散事故補償特約」は、業務遂行・施設リスクに起因して、日本国内に所在する工事場内で不測かつ突発的に生じた事故―①工事場内の集じん・排気装置の物理的損壊②工事場の隔離養生のために使用する隔離シートの物理的損壊または外来の事由により生じた隔離機能の不全③特定粉じん排出等作業を行う対象の建築物その他の工作物の物理的損壊―により、石綿(アスベスト)が工事場外へ飛散した場合に、被保険者が負担する費用として、①石綿損害拡大防止費用:アスベスト飛散を発生させた原因に対して行う応急措置のための費用②石綿損害見舞費用:近隣施設(工事場から50メートル以内)の事業者・居住者に対する見舞費用③石綿除去等費用:近隣施設(工事場から50メートル以内)に所在する財物に対する除去費用―などを補償する。支払限度額は①③が1事故・保険期間中1000万円、②が被害者1名〈法人の場合は1法人〉につき10万円/1事故300万円。
国土交通省の資料によると、アスベストを含む建築物の解体は28年ごろにピークを迎えると言われている。一方で、大気汚染防止法の改正により21年からアスベストに関する規制が順次強化され、23年10月からは解体工事の事前調査に資格が必要となる。アスベストへの適切な対応は全世界的な課題だが、海外のAIGでは先行してアスベスト飛散時の補償を提供してきたという。日本ではこれまでアスベストに関する事故は一般的に補償対象外となっていたが、同社ではグローバルで培った知見を生かし、日本でも事故が起こった場合の備えとして業界初(同社調べ)となる同特約を発売した。
また、「特許等知的財産権補償特約」は、日本国内において知的財産権侵害に関する損害賠償請求手続きを受けたことにより負担する賠償責任等を補償する。支払限度額は保険期間中3000万円。中小企業では、特許権、意匠権、商標権など知的財産権については、自社に専門家がいない、相談先がわからない、そもそも知的財産権に関する知識や知見が十分ではないといった企業も少なくない。そこから思いがけず知的財産権を侵害してしまった場合に備え、損害賠償金や争訴費用を補償するものとして同特約を新設した。
AIG損保では、「ALL STARsは、中小企業の多様化するリスクをワンストップでマネジメントする保険。柔軟な補償設計が好評を得ており、時代に合わせた顧客ニーズにさらに応えるため、今回の特約新設に至った」としている。