2023.02.16 明治安田生命グループ 22年度第3四半期決算、保険料38%増、基礎利益18億円の減益 通算グループ基礎利益3800億円程度見込む
明治安田生命が2月10日に発表した同グループの2022年度第3四半期決算によると、連結損益計算書上の保険料等収入を示すグループ保険料は、明治安田生命単体の外貨建一時払保険の販売量増加とスタンコープ社の増収等を主因に前年同期比38.4%増、7954億円増加の2兆8688億円。単体のオンバランス自己資本は前年度末差795億円増の4兆2182億円で、健全性を表す指標はいずれも高い水準を維持した。22年度の業績見通しは上半期報告時の「増収・減益」から修正はない。
グループ基礎利益は、単体の利息及び配当金等収入の増加があったものの、新型コロナに関する保険金等の支払い増加の影響を主因に前年同期比0.6%減、18億円の減益で2859億円となった。なお、22年度から基礎利益の算定方法が、為替に係るヘッジコストを含め、投資信託の解約損益、有価証券償還損益のうち為替変動部分および再保険に関する損益を除外するよう改正されたため、21年度第3四半期、22年度第3四半期は改正後の数値。
グループ連結の経常収益は、前年同期比38.3%増の4兆1687億円、経常費用は同40.9%増の4兆222億円、経常利益は同8.2%減の1464億円、四半期純剰余は同9.1%減の1189億円となった。
連結ソルベンシー・マージン比率は、内外金利上昇による国内および外国公社債の含み益の減少等により前年度末から187.9ポイント低下して947.6%となったが、引き続き高い健全性を維持している。
明治安田生命単体の業績を見ると、保険料等収入は営業職員チャネルと銀行窓販チャネルにおける外貨建一時払保険の販売量増加により、前年同期比37.5%増の2兆4848億円となった。そのうち個人保険・個人年金保険は同53.7%増の1兆8416億円。
新契約年換算保険料は、外貨建一時払保険の販売量増加と、22年度に新たに発売した終身医療保険とがん終身保険の販売好調等により、同64.3%増の1279億円となった。チャネル別内訳では、営業職員チャネルが同44.3%増の973億円、銀行窓販チャネルが同216.9%増の296億円。なお、保障性商品新契約年換算保険料は、同9.3%増の327億円、第三分野新契約年換算保険料は、同5.3%増の350億円だった。
保有契約年換算保険料は、新契約の好調を主因に前年度末比0.3%増の2兆1736億円となった。なお、保障性商品保有契約年換算保険料は、同0.8%増の6145億円、第三分野保有契約年換算保険料は、同2.3%増の4860億円。
単体の基礎利益は、円安による外国公社債の利息及び配当金等収入の増加があったものの、新型コロナに関する保険金等の支払い増加の影響などにより、前年同期比3.3%減の2566億円だった。
単体のオンバランス自己資本は前年度末差795億円増の4兆2182億円。単体のソルベンシー・マージン比率は、同136.1ポイント低下して925.5%となった。一般勘定資産全体の含み損益は、内外金利上昇による公社債、外国証券の含み益の減少などにより、3兆614億円と同2兆6301億円減少した。
経常収益は、前年同期比37.8%増の3兆6586億円で、このうち保険料等収入は前記の通り同37.5%増の2兆4848億円で、資産運用収益は同41.5%増の1兆1309億円を計上した。
経常費用が同40.9%増の3兆5095億円で、このうち保険金等支払金は同24.2%増の2兆1597億円、責任準備金等繰入額は同71.8%増の3723億円、資産運用費用は同255.1%増の5825億円となった。経常利益は同9.2%減の1490億円、四半期純剰余は同1.5%減の1261億円となった。
契約クオリティを示す指標は引き続き良好に推移。解約・失効・減額率(個人保険・個人年金保険)は、円安の影響で外貨建保険の解約が増加した結果、前年同期差1.13ポイント増加して4.33%となり、前年同期を上回るものの、主力商品は同0.10ポイント低下の3.97%となり、低位な水準を維持した。総合継続率は、13月目が同0.1ポイント低下の95.0%、25月目が同0.2ポイント低下の89.6%、61月目が同0.8ポイント低下の70.4%で、ともに高水準を維持した。
米国子会社のスタンコープ社の業績では、保険料等収入は堅調な新契約実績と団体保険の良好な更新により前年同期比40.1%増の3494億円。基礎利益相当額と当期純利益は、好調なアセットマネジメント事業に加え新型コロナに関する保険金等の支払いが4月以降減少傾向にあることから増加し、基礎利益相当額が同37.7%増の269億円、当期純利益が同26.8%増の139億円となった。
22年度通期の業績見通しは上半期報告時からは変更ない。グループ保険料は外貨建一時払保険の新契約業績の好調により25%増の「増収」となる見通しで、3兆5000億円程度を見込む。3兆円超となるのは18年度以来としている。 グループ基礎利益は、新型コロナに関する保険金等の支払いの増加、標準責任準備金の積み増し負担の増加および為替に係るヘッジコストの上昇等により「減益」見通しで、3800億円程度としている。