かんぽ生命は１２月８日、郵政民営化法の規定に基づき、金融庁長官と総務大臣に対し、学資保険の改定を内容とする新規業務を行うことについて届け出を行った。改定では、①１０歳払込済の契約種類を新設（現在販売している１２歳払込済の契約種類は販売停止）②保険料率の引き下げ（戻り率の向上）③保険料払込方法（経路）の見直し（団体払込みは選択不可に）④契約者（女性）の加入年齢範囲下限を１８歳に変更⑤医療特約を付加する場合の基本契約の最低保険金額を５０万円に引き下げ―を実施する。改定後の取り扱いは４月以降の開始を予定している。

かんぽ生命は学資保険改定の趣旨について、「当社が販売している学資保険は、マイナス金利後の保険料の引き上げにより戻り率が魅力的な水準となっておらず、商品内容・価格の面で課題がある。この課題を解消するため、保険料率を見直して戻り率の改善を図り、この見直しに合わせて、保険料払込期間を短く設定し、保険料払込済年齢を１０歳とする契約種類を新設する」と説明した。
今回の商品改定案に基づく保険料等の例として、契約者３０歳、被保険者０歳、基準保険金額２００万円、口座払込み、基本契約のみの場合の契約種類ごとの月払保険料額と戻り率は次の通り。
▽１８歳満期学資祝金なし（カッコ内は改定前の現行の保険料・戻り率）
①全期間払込：男性９４００円、９８．５％（９７６０円、９４．８％）、女性９３６０円、９８．９％（９７４０円、９５．０％）
②１０歳払込済：男性１万６４６０円、１０１．２％（１２歳払込済：１万４３２０円、９６．９％）、女性１万６４４０円、１０１．３％（１２歳払込済：１万４３００円、９７．１％）
▽２１歳満期学資祝金あり（カッコ内は改定前の１２歳払込済の保険料・戻り率）
男性１万６３６０円、１０１．８％（１万４２４０円、９７．５％）、女性１万６３４０円、１０１．９％（１万４２２０円、９７．６％）
同社は併せて、学資保険（Ｈ２４）への加入を検討する顧客に向け、「４月以降は改定後の商品に加入することができるが、その間の健康状態の変化によっては加入できなくなる場合がある」として注意を呼び掛けるとともに、「今回の商品改定案は現時点で確定したものではなく、取り扱い開始の正式決定後に別途案内を行う」としている。