2022.12.23 生保各社22年度第2四半期(上半期)決算 保険料等収入17%増と大幅な伸び、コロナ関連の支払増等で減益基調
生保協会集計による生保事業2022年度第2四半期(上半期)決算によると、全社計の保険料等収入は18兆4394億円を計上、前年同期比17.2%増と大幅な伸びを示した。個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は前年同期比14.1%増の1兆122億円で、第1四半期末の8.2%増からさらに伸びをみせている。一方、保険金等支払金もコロナ影響等により大幅な増加をみせ、同34.5%増で保険料等収入を上回る19兆9230億円を計上した。このうち給付金が同26.4%増の2兆6162億円、解約返戻金が同73.1%増の6兆5225億円となっている。また、資産運用収益は極めて好調で同96.6%増の10兆3646億円を計上したが、資産運用費用が同320.5%増の3兆1492億円、責任準備金繰入額が同43.3%増の4兆4224億円、事業費が同4.9%増の2兆4039億円とそれぞれ増加基調にあり、以上の結果、上半期の経常利益は前年同期比42.1%減の1兆207億円となった。(本日4~6面に生保協会会員各社の業績詳細を掲載)
日本生命グループの保険料等収入は、グループ各社の外貨建商品の販売増加等により前年同期比9.1%増の2兆9686億円と増収した一方で、基礎利益はグループ各社の新型コロナウイルス感染症関連の支払増加を主因に同34.3%減の2616億円と減益となった。国内の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は、日本生命は貯蓄性商品の料率改定等により同8.5%減の1059億円と減少したものの、外貨建商品の販売増加によりニッセイ・ウェルス生命が同11.2%増の504億円、はなさく生命が同21.7%増の46億円で、グループとしては前年同期比で横ばいだった。
かんぽ生命の保険料等収入は前年同期比1233億円減の1兆1514億円、資産運用収益は同51億円減の5561億円、責任準備金戻入額は同1157億円増の1兆4926億円で、中間純利益は同322億円、40.0%減の482億円となった。個人保険の新契約年換算保険料は同43.0%増の327億円と伸展。新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払いの増加、保有契約の減少および新しいかんぽ営業体制の構築に伴う事業費等の増加により保険関係損益が減少したため、基礎利益は前年同期を1079億円下回る1046億円となった。
明治安田生命のグループ連結の保険料は、外貨建一時払保険の販売量増加とスタンコープ社の増収等を主因に前年同期比33.2%増の1兆8439億円となった。グループ基礎利益も運用関係損益の増益が主な要因となり、同168億円増加。海外保険事業等の保険料は同37.9%増の2415億円と増収し、初めて2000億円を上回った。グループ基礎利益は、新型コロナウイルスに関連する保険金等の支払い増加の影響があったものの、明治安田生命単体の運用関係損益の増加が主因となり同8.2%増の2212億円。明治安田生命単体の保険料等収入は外貨建一時払保険の販売量増加を主因に同32.6%増の1兆6024億円で、新契約年換算保険料は同51.5%増の784億円となった。
住友生命グループ(住友生命、メディケア生命、シメトラ)の保険料等収入は、前年同期比11.2%増の1兆3109億円となった。国内事業は同8.2%増の1兆1731億円で、そのうち住友生命は同7.7%増の1兆1334億円、メディケア生命は新契約増加に伴い、保有契約が増加したことから同27.4%増の395億円となった。海外事業(シメトラ)も保有契約の増加、為替が円安に進んだことが寄与し、同44.9%増の1378億円。住友生命単体の新契約年換算保険料は、海外金利上昇等に伴い外貨建一時払商品の販売が好調だったこと等により、同18.6%増の586億円となった。グループの基礎利益は、同34.9%減の1098億円。国内事業は同43.9%減の828億円となった。
第一生命ホールディングスの連結保険料等収入は前年同期比34.9%増の3兆2694億円となった。第一生命単体の保険料等収入は同576億円増の1兆1560億円。国内の新契約年換算保険料は、第一生命が同35.3%減の252億円、第一フロンティア生命が同63.8%増の946億円、ネオファースト生命が同18.3%減の58億円だった。海外5社計の新契約年換算保険料は円安の影響により同23.5%増の597億円。連結経常利益は同23.4%減の2192億円を計上。第一生命単体の基礎利益は、円安等による外国証券からの利配収入の増加や出再等による予定利息の減少により順ざやが増加したものの、新型コロナ感染拡大に伴う入院給付金支払いの増加等により保険関係損益が大きく悪化したことから、同25%減の1382億円だった。
メットライフ生命の保険料等収入は1兆3113億円で、前年同期比48.2%の増収となった。基礎利益は同4.9%減の943億円。経常利益は▲317億円(前年同期実績924億円)だった。新契約年換算保険料は同46.6%増の628億円。
ソニーフィナンシャルグループの生命保険事業の経常利益は、新型コロナ関連の給付金などが増加したものの、前年同期に出再保険契約の解約で生じた危険準備金の一括積立328億円を計上した反動により、前年同期比137.8%増の445億円となった。ソニー生命の保険料等収入は同1.7%増の7004億円で、経常利益は同167.6%増の449億円を計上した。新契約年換算保険料は同6.6%増の557億円だった。
アフラックの保険料等収入は前年同期比2.4%減の6472億円で、基礎利益は資産運用収益が増加したものの、保険料等収入の減少および保険金等支払金が増加したことなどにより同2.4%減の1807億円となった。がん保険の販売件数が前年同期比10.0%増の26万件、医療保険の販売件数が同27.2%減の9万件となった結果、個人保険分野全体での新契約件数は同1.6%増の41万件で、新契約年換算保険料は同0.2%増の241億円だった。
プルデンシャルHDの生保3社(プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)の合算保険料等収入は前年同期比26.2%増の1兆4667億円を計上した。3社合算の基礎利益は、同29.8%増の1106億円となった。合算の新契約年換算保険料は同8.0%増加し667億円だった。連結経常利益は同5.5%増の1022億円だった。プルデンシャル生命の保険料等収入は同27.3%増の6379億円、基礎利益は同46.1%減の118億円、新契約年換算保険料は同3.8%増の321億円。ジブラルタ生命の保険料等収入は同22.6%減の4314億円、基礎利益は同46.0%増の842億円、新契約年換算保険料は同29.0%減の182億円(PGF生命商品販売分を含む場合は同16.5%増の299億円)だった。
T&D保険グループの中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合計の保険料等収入は、前年同期比25.2%増の1兆1138億円を計上した。一方、海外再保険フォーティテュード社の一時的な評価性損失等により、連結経常利益は▲1149億円だった。3社合算の新契約年換算保険料は同27.5%増の781億円で、合算の基礎利益は同25.0%減の657億円だった。太陽生命の保険料等収入は同0.1%増の3230億円、新契約年換算保険料は同8.7%増の187億円で、大同生命の保険料等収入は同0.7%増の3959億円、新契約年換算保険料は同9.6%増の341億円だった。
アクサ生命の保険料等収入は前年同期比11.4%増の3984億円だった。基礎利益は同41.3%減の254億円。新契約年換算保険料は同8.3%増の428億円となった。
富国生命グループの富国生命・フコクしんらい生命合算の新契約年換算保険料は、富国生命の新医療保険とフコクしんらい生命の利率更改型一時払終身保険の販売が好調だったことから、前年同期比17.3%増の135億円を計上した。2社合算の基礎利益は、基礎利益上の運用収支の増加により利差益は増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大による給付金等の大幅な増加により同69.3%減の108億円となった。
朝日生命グループ(朝日生命・なないろ生命)の新契約年換算保険料は、前年同期比26.5%増の167億円となった。うち、朝日生命は103億円。基礎利益は、新型コロナウイルス感染症による入院給付金等の増加により保険関係損益が減少したことから、前年同期と比べて138億円減少し、43億円となった。朝日生命単体の基礎利益は78億円。