2022.12.06 T&D保険グループ 22年度第2四半期決算、グループ修正利益は17%増、当期純利益予想▲1600億円に下方修正

T&D保険グループが11月14日に発表した2022年度第2四半期決算によると、連結経常収益は国内生命保険事業の業績好調により前年同期比35.1%増の1兆4968億円を計上した。一方、海外再保険フォーティテュード社における米国金利上昇に伴う会計上の一時的な評価性損失等により、連結経常利益は▲1149億円で、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期(317億円)から減少し▲1483億円だった。グループ修正利益は新型コロナウイルス関連の支払いが増加したものの、T&Dフィナンシャル生命とT&Dユナイテッドキャピタルの利益が増加したことにより同17.4%増の654億円。

同グループでは同日付で「23年3月期通期連結業績予想の修正および海外関連会社における評価性損失等の計上に関するお知らせ」を発表。22年5月13日に公表した22年度通期連結業績予想を修正し、経常収益2兆7800億円(前回発表予想2兆3900億円)、経常利益▲1000億円(同840億円)、親会社株主に帰属する当期純利益▲1600億円(同170億円)、1株当たり当期純利益▲286円33銭(同30円30銭)、グループ修正利益900億円(1060億円)に予想値を修正した。
修正の理由については、経常収益は主に外貨連動型保険の販売好調による保険料等収入の増加を見込み修正、経常利益と当期純利益は主にフォーティテュード社における米国金利上昇等に伴う会計上の一時的な評価性損失等を反映、グループ修正利益は主に新型コロナウイルス関連の支払増加と下期以降の為替ヘッジコストのさらなる増加等を勘案し修正したとしている。
評価性損失等の計上については、フォーティテュード社の第3四半期連結会計期間(22年7月1日~22年9月30日)において、主に米国金利上昇等に伴う会計上の一時的な評価性損失等を計上する見込みとし、そのため、同社グループの第3四半期連結会計期間(22年10月1日~22年12月31日)において、同評価性損失等を含めフォーティテュード社にかかる持分法による投資損失として370億円程度を計上する見込みとしている(注1)。一方で、フォーティテュード社にかかるグループ修正利益相当額として、同社グループの第3四半期連結会計期間(22年10月1日~22年12月31日)において20億円程度、累計期間(22年4月1日~22年12月31日)において190億円程度の利益を計上する見込みで、フォーティテュード社にかかる当初想定に対しおおむね順調な進捗となっているとしている。
第2四半期末の中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の基礎利益は前年同期比25.0%減の657億円だった。
中核生保3社の新契約年換算保険料は同27.5%増の781億円だった。このうち第三分野は同16.7%増の208億円。保有契約年換算保険料は1兆5534億円で前年度末比0.7%増、このうち第三分野は2851億円で同2.7%増だった。
中核生保の業績を個社ごとに見ると、太陽生命の経常収益は前年同期比27.4%増の5173億円で、このうち保険料等収入は同0.1%増の3230億円だった。新契約年換算保険料は同8.7%増の187億円、うち第三分野は同22.4%増の116億円。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、インフォマーシャルやインターネット広告等を経由した情報を活用し、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」の推進や、22年5月に発売した「告知緩和型死亡保険」「選択緩和型先進医療保険」等の販売が好調だったことから、同31.4%増の121億円。保障性保有契約年換算保険料は、第三分野商品の販売好調により前年度末から2.5%増の1619億円となり、上場以来最高だった前年度末からさらに伸展した。
大同生命の経常収益は前年同期比3.6%増の5249億円で、このうち保険料等収入は同0.7%増の3959億円だった。新契約年換算保険料は同9.6%増の341億円、うち第三分野は同13.2%増の90億円だった。新契約高(注2)は、対面・非対面を組み合せた丁寧なコンサルティング営業の実践等により顧客の保障ニーズに的確に対応したことで、主力の定期保険、特にオーダーメード型商品(αシリーズ)の販売が堅調に推移。「就業不能・介護保障商品」の新契約高も前年同期から増加したことで、新契約高は前年同期から765億円増の2兆1886億円となった。保有契約高(注2)は46兆7578億円で、新契約高が堅調に推移したことにより前年度末(46兆7033億円)から純増となった。
T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前年同期比167.8%増の4839億円、うち保険料等収入は同127.9%増の3948億円だった。新契約年換算保険料は同95.6%増の252億円。内外金利上昇による商品の魅力度向上等の影響により、一時払終身保険「生涯プレミアムワールド5」「生涯プレミアムジャパン5」の販売が堅調に推移。また、変額保険「ハイブリッドシリーズ」も商品浸透と代理店数が拡大したことにより着実に販売が拡大した。保有契約年換算保険料は前年度末から5.7%増加し1735億円だった。
本四半期の新型コロナウイルス感染症関連保険金等の支払状況(3社合算)については、死亡保険金が233件・16億円(21年通期は548件・47億円)、入院給付金が14万5810件・208億円(21年通期は2万8129件・35億円)で、そのうちみなし入院の率が約99%だった。
グループ連結のソルベンシー・マージン比率は前年度末比136.8ポイント低下し889.5%。実質純資産は前年度末差8972億円減の1兆7703億円となった。
(注1)フォーティテュード社の決算日は12月末であり、同社の第3四半期連結会計期間(22年7月1日~22年9月30日)の損益は、T&D保険グループの第3四半期連結会計期間(22年10月1日~22年12月31日)に反映される。
(注2)「新契約高」「保有契約高」には、「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額を含む。