2022.11.30 SOMPOHD 22年度第2四半期決算、自然災害・コロナ影響 修正利益は508億円 正味収保は海外の大幅増収で23%増

SOMPOホールディングスが11月18日に発表した2022年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比17.7%増の2兆5657億円となった。このうち正味収入保険料はSompoインターナショナルのコマーシャル部門(以下、SIコマーシャル)の大幅増収を主因に同23.6%、4014億円増収の2兆1032億円を計上した。生命保険料は同0.7%減の1568億円だった。連結経常利益は▲236億円(前年同期1905億円)、親会社株主に帰属する中間純利益は▲200億円(同1307億円)だった。修正連結利益は国内自然災害や新型コロナ影響などの一時的な要因を主因に、同65.8%減の508億円。修正連結利益の通期予想は期初の2600億円から1600億円に下方修正し、下期は連結純利益、修正連結利益ともに1000億円超を着実に積み上げる想定としている。

同社は同日、22年度通期の連結業績予想の修正を発表し、経常利益1150億円(前回発表時予想2350億円)、親会社株主に帰属する当期純利益800億円(同1600億円)、1株当たり当期純利益238円36銭(同467円01銭)とそれぞれ下方修正した。予想の修正は、連結子会社である損保ジャパンで、自然災害、コロナウイルス感染症の拡大、自動車の交通量回復などの影響により発生保険金が前回予想を上回る見込みとなったこと、また、同中間期において、海外保険事業でトルコに所在する連結子会社が、国際会計基準第29号「超インフレ経済下における財務報告」の適用を受けたことに伴い損失を計上することとなったためとしている。また、同社は併せて損保ジャパンの通期業績予想も修正し、正味収入保険料を2兆2400億円(前回発表時予想2兆2040億円)に上方修正した一方、経常利益を990億円(同1875億円)、当期純利益を840億円(同1450億円)にそれぞれ下方修正した。
SOMPOグループの連結純利益▲200億円の内訳は、損保ジャパンが前年同期比984億円減の▲343億円、海外保険事業が同42億円減の327億円、SOMPOひまわり生命が同138億円減の▲37億円、SOMPOケアが同0億円増の25億円、その他・連結調整等が同342億円減の▲172億円。
国内損保事業のうち損保ジャパン単体の業績では、保険引受利益は自然災害のほか、自動車保険や傷害保険における新型コロナ影響を主因に▲1085億円(前年同期実績462億円)。保険引受利益の増減要因は、前年同期の保険引受利益462億円から、国内自然災害を除く影響が▲697億円(うち自動車保険コロナ影響の剥落が▲276億円、コロナ給付金の影響が▲131億円)、国内自然災害影響が▲751億円、異常危険準備金が▲99億円だった。22年度通期(今回予想)の保険引受利益は、今期実績を踏まえつつ下期の雪害影響等も織り込み、▲200億円を見込む。なお、保険引受利益から異常危険準備金に係る影響を除いたコア保険引受利益は前年同期比1448億円減益の▲639億円だった。国内自然災害の影響は▲1016億円で、それを除くと377億円となる。異常危険準備金は▲445億円で前年同期から99億円減少した。
正味収入保険料は引き続き火災保険・新種保険が好調で、自賠責・家計地震を除く正味収入保険料は同656億円(6.6%)増収の1兆569億円。22年度通期(今回予想)は、火災保険を中心に増額修正(期初予想比+450億円)し2兆327億円を見込む。自賠責・家計地震を含む合計正味収入保険料は同5.1%増の1兆1620億円。なお、種目別内訳は、火災保険が同37.9%増の2188億円、海上が同16.8%増の297億円、傷害が同2.2%増の849億円、自動車が同0.8%減の5386億円、自賠責が同8.1%減の1050億円、その他は同2.0%増の1848億円を計上した。
自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は、自然災害影響(+7.6ポイント)、新型コロナ影響(+4.2ポイント)を受けて、前年同期比14.0ポイント上昇して70.8%。除く自賠責・家計地震のW/P損害率は同0.7ポイント上昇の56.3%。下期にかけての雪害影響として200億円程度を織り込みつつ、22年度通期(今回予想)のE/I損害率(除く自賠責・家計地震)は65.4%と見込む。
正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は前年同期比横ばいの33.5%、社費率は0.4ポイント改善し12.6%と計画対比で良好な推移とした。22年度通期(今回予想)の社費率は期初予想比0.2ポイント減とさらなる改善を見込む。
コンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は同13.9ポイント上昇し104.6%で、同(W/P、除く自賠責・家計地震)は同0.4ポイント上昇の91.7%となった。中間期の損害率上昇を踏まえ22年度通期(今回予想)のコンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は99.8%と見込む。
資産運用粗利益(損益)は、政策株式を順調に削減(294億円)し、これに伴う有価証券売却益の増加などにより、同23.2%増の637億円。国内株式配当金の上振れなども踏まえ、通期予想は期初予想から73億円引き上げ1340億円に増額修正した。
経常利益は前年同期比1378億円減益の▲500億円で、当期純利益は同984億円減益の▲343億円となった。修正利益は同1021億円減益の▲91億円。単体ソルベンシー・マージン比率は前期末比15.7ポイント低下し681.8%。
国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、がん保険などのインシュアヘルス(R)商品の販売が引き続き好調で、新契約年換算保険料は前年同期比30.1%増の171億円。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年度末比0.5%増の3846億円だった。
保険料等収入(法令にのっとった生命保険会社の様式に基づく数値)は同0.8%減の2123億円、責任準備金繰入等が同3.8%減の1314億円、保険金等支払が同69.3%増の640億円、事業費は同5.8%増の473億円、資産運用損益は同23.4%増の302億円、基礎利益は同238億円減益の▲62億円となった。
経常利益(連結様式とは異なる)が同187億円減益の▲24億円で、当期純利益は同138億円減の▲37億円。修正利益は同70.3%減益の55億円。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比206.8ポイント低下し1153.0%となった。
海外保険事業では、SIコマーシャルの正味収入保険料は、プライシング効果や農業保険の保有増加を主因に前年同期比28.4%増の59億1800万ドル。再保険のカジュアルティライン、農業保険の増収を中心に、22年度通期(今回予想)も期初予想比6.0%増収の89億9300万ドルに修正した。コンバインド・レシオは増収効果を背景に、同2.4ポイント改善し90.3%。ハリケーン・イアンの影響(+4.6ポイント)を踏まえ、22年度通期(今回予想)のコンバインド・レシオは調整するとしている。当期純利益(現地IFRS会計により未実現損益を含む)は同6億8300万ドル減の▲4億1600万ドル。修正利益は同8400万ドル増の3億9700万ドルだった。
介護・シニア事業は、ネクサスケアの買収効果に加え入居率の改善を主因に、売上高は前年同期比67億円増の740億円。22年度通期業績予想に変更はないとしている。