2022.09.14 生保各社22年度第1四半期決算 新契約年換算保険料は8%増、コロナ関連の保険金・給付金支払が急増

生保各社の2022年度第1四半期決算によると、全社計の個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は前年同期比8.2%増の4882億円を計上、収入保険料は同10.0%増の8兆1142億円を計上した。一方、保険金が2兆5580億円(同8.1%増)、給付金が1兆3064億円(同21.8%増)を示し(以上、生保協会集計)、死亡保険金・給付金の増加傾向はコロナ関連の支払いが影響しているもよう。コロナ関連の支払いを公表している会社の状況を見ると、日本生命で、死亡保険金の支払いが約570件で約50.8億円(うち災害保険金が約90件で約5.7億円)、入院給付金の支払いが約27万3400件で約386.1億円。かんぽ生命で、死亡保険金が2014件で67億61万円、入院保険金が25万3275件で100億7329万円。明治安田生命で、死亡保険金が219件で14.2億円、入院給付金が12万2447件で101.4億円。第一生命国内グループ3社合計で、死亡保険金(給付金)が659件で約35億円、入院給付金等が20万3415件で約222億円。T&D保険グループ3社合計で、死亡保険金が105件で7億円、入院給付金が5万2106件で73億円―などとなっている。

日本生命グループの第1四半期の保険料等収入はグループ各社で増収となり前年同期比11.0%増の1兆5058億円だった。日本生命が同6.5%増の1兆1627億円だったほか、大樹生命が同43.7%増の1788億円、ニッセイ・ウェルス生命が同22.8%増の1049億円、豪MLCが同4.8%増の461億円だった。日本生命は外貨建商品の販売増等149億円のほか団体年金の増加377億円により同709億円の増加。大樹生命は一時払外貨建養老保険の販売増265億円のほか再保険収入の増加321億円により同543億円の増加。ニッセイ・ウェルス生命は一時払外貨建終身保険等の販売増307億円により同194億円の増加。グループの資産運用収支は同1758億円減の4008億円を計上し、グループの基礎利益は同2.4%減の1424億円だった。単体の基礎利益では、日本生命が同9.6%増の1492億円だったほか、大樹生命が同39.5%減の51億円、ニッセイ・ウェルス生命が同73.0%減の22億円、豪MLCが同29.1%減の7億円だった。日本生命の新契約年換算保険料は同13.4%減の500億円、大樹生命は同9.0%増の71億円、ニッセイ・ウェルス生命は同5.9%増の235億円。
かんぽ生命の連結保険料等収入は前年同期比670億円減の5769億円。新型コロナウイルス感染症に対する保険金支払の増加等、保有契約減少および新しいかんぽ営業体制の構築等に伴う事業費増加に伴い保険関係損益が減少したため、単体の基礎利益は前年同期を378億円下回る622億円となった。個人保険の新契約年換算保険料は同42.0%増の166億円と伸展。第三分野の新契約年換算保険料は同157.8%増の12億円と大幅に伸展した。
明治安田生命のグループ保険料は明治安田生命単体の外貨建一時払保険の販売量増加を主因に前年同期比26.7%増の8767億円、グループ基礎利益は明治安田生命単体での円安による外国公社債の利息及び配当金等収入の増加を主な要因として同15.7%増の819億円となった。明治安田生命単体の保険料等収入は同27.1%増の7670億円で、基礎利益は同19.2%増の827億円。個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は、同32.3%増の359億円。海外保険事業等の保険料等収入は同23.9%増の1097億円で、そのうちスタンコープ社(米国)が同19.7%増の982億円。基礎利益相当額はコロナ禍に起因する保険金等支払いや団体長期就業不能保険の支払いが増加したため同50.8%減の18億円だった。
住友生命グループの連結保険料等収入は前年同期比7.9%増の6441億円となった。グループ基礎利益は同26.9%減の500億円だった。グループの新契約年換算保険料は同35.5%増の893億円。住友生命単体の基礎利益は同18.6%減の504億円となった。新契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険)は同15.2%増の289億円。海外事業では、シメトラ社(米国)の新契約年換算保険料は同54.9%増の557億円、保険料等収入は同27.3%増の610億円、シメトラほかの基礎利益は、同5.1%減の129億円を計上。
第一生命ホールディングスの連結保険料等収入は前年同期比27.3%増の1兆5959億円となった。グループ基礎利益は同10.3%減の1006億円だった。新契約年換算保険料はグループ全体で同5%増の881億円、国内3社計では海外金利上昇で外貨建商品の訴求力が高まった第一フロンティア生命が堅調に推移し、同5.2%増の622億円となった。第一生命は同30.4%減の138億円、第一フロンティア生命は同27.4%増の454億円。ネオファースト生命は同18.3%増の29億円だった。海外は円安により前年同期比で増加したものの、第一生命ベトナムが新型コロナに伴う営業制約を受けたほか、豪TALも個人向けが低調に推移し、為替調整後では全体で減少し、海外5社計では同6.0%減の259億円だった。第一生命単体の基礎利益はコロナ第6波の影響等により保険関係損益が悪化したものの、予定利息の減少やオルタナティブ資産の増配、円安による外貨建資産の配当収入増等を背景とした順ざやの増加により、同0%増とほぼ横ばいの824億円だった。
メットライフ生命の保険料等収入は5757億円で、前年同期比32.8%の増収となった。基礎利益は同21.6%増の585億円。新契約年換算保険料は同31.0%増の283億円だった。うち医療保障・生前給付保障等は同68.5%増の98億円。
ソニーフィナンシャルホールディングスの生命保険事業では、特別勘定における運用益が減少したものの、為替差益の増加や一時払保険料の増加などに伴う保険料等収入の増加により、経常収益は前年同期比14.0%増の5570億円となった。ソニー生命の保険料等収入は前年同期比5.0%減の3447億円で、基礎利益は同21.6%減の266億円。新契約年換算保険料は同3.9%増の278億円だった。
アフラックの保険料等収入は3229億円で前年同期比2.8%の減収、基礎利益は866億円で同8.6%の減益となった。個人保険分野の新契約年換算保険料は同4.7%減の114億円で、このうち第三分野は同4.3%減の104億円だった。
プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンの連結保険料等収入は前年同期比28.2%増の7034億円を計上した。生命保険会社3社(プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)合算の基礎利益は同28.2%増の583億円だった。新契約年換算保険料は同15.8%増加し342億円。このうちプルデンシャル生命の保険料等収入は同24.6%増の3009億円、基礎利益は同41.7%減の84億円、新契約年換算保険料は同6.9%増の164億円で、ジブラルタ生命の保険料等収入は同23.8%減の2017億円、基礎利益は同51.0%増の426億円、新契約年換算保険料は同22.9%減の92億円。
T&D保険グループの中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の基礎利益は前年同期比11.5%増の418億円だった。中核生保3社の新契約年換算保険料は、同19.5%増の368億円となった。太陽生命の保険料等収入は同3.2%増の1806億円で、新契約年換算保険料は同2.9%増の91億円、大同生命の保険料等収入は同0.9%増の1908億円で、新契約年換算保険料は同10.9%増の163億円だった。
アクサ生命の保険料等収入は前年同期比10.0%増の1998億円だった。新契約年換算保険料(個人保険+個人年金保険)は同9.5%増の227億円となった。基礎利益は同39.9%減の159億円。
フコク生命グループ(富国生命、フコクしんらい生命)合算の保険料等収入は前年同期比29.4%増の2209億円だった。基礎利益は同27.1%減の118億円、新契約年換算保険料は同9.8%増の61億円。富国生命単体の保険料等収入は同33.7%増の1802億円、新契約年換算保険料は同6.4%増の34億円、基礎利益は同27.1%減の122億円。
朝日生命の保険料等収入は前年同期比2.1%減の935億円となった。基礎利益は同11.5%増の86億円。新契約年換算保険料は同25.7%減の47億円。