2022.09.07 3メガ損保 22年度第1四半期決算、国内引受利益は各社減益
8月5日に発表された損保大手3グループの2022年度第1四半期決算によると、東京海上ホールディングス(東京海上HD)では、海外での増収がけん引し、連結正味収入保険料は前年同期比11.2%増の1兆731億円を計上した。海外事業の正味収入保険料は同16.2%増(除く為替ベース)の4228億円で、ハードマーケット環境を生かし、引き続き厳格な引受規律を維持したレートアップや引受拡大等により計画を上回って好調に推移した。連結経常利益は同23.8%減の1653億円。当期純利益は同22.0%減の1245億円となった。修正純利益は同16.8%(281億円)減の1391億円で、通期予想対比進捗率は25%。東京海上日動の保険引受利益は、堅調なトップラインの一方、海外大口事故の増加やコロナ影響により、前年同期比642億円減少し283億円だった。
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)の連結正味収入保険料は、海外保険子会社の増収を主因に前年同期比4.7%増の1兆275億円となった。海外子会社の正味収入保険料は同17.4%増の3049億円だった。経常利益は同43.4%減の935億円。当期純利益は同49.1%減の604億円で進捗率は25.2%。グループ修正利益は同894億円減益の550億円で進捗率は18.3%。例年、自然災害が少ない第1四半期にひょう災によるロスが発生したことや、ロシア・ウクライナ関連ロスの見積額(予備的な備金を含む)を計上したことから、例年に比べ低い進捗率となった。国内損保主要2社の保険引受利益は、国内自然災害ロスや交通量回復による自動車保険のロス増加等の影響により、前年同期比386億円減益の180億円となった。このうち三井住友海上は同298億円減益の63億円、あいおいニッセイ同和損保は同87億円減益の117億円。
SOMPOホールディングス(SOMPOHD)の連結正味収入保険料は、海外保険事業でSompoインターナショナルのコマーシャル部門(SIコマーシャル)での大幅増収に加え、火災保険や新種保険を中心として損保ジャパンでの拡大により前年同期比20.6%増の1兆521億円を計上した。SIコマーシャルは計画を上回るレートアップや農業保険での増収を背景として、正味収入保険料は1512億円増(56.4%増)を示した。連結経常利益は同29.5%減の552億円、当期純利益は同28.4%減の417億円となった。修正連結利益は639億円で、業績予想に対する進捗率は25%。損保ジャパンは、国内自然災害の発生や新型コロナ影響(自動車保険損害率低下効果)の一部剥落などにより、保険引受利益は338億円減益の8億円にとどまった。