2022.09.01 東京海上日動 糖尿病治療支援保険を開発、健康管理アプリや重症化予防プログラムを提供

東京海上日動は8月5日、糖尿病患者向けに、新たに「糖尿病治療支援保険」を開発したと発表した。糖尿病合併症を発症した際の一時金補償に加えて、日々の健康管理や糖尿病の重症化予防を支援するサービスを提供することが大きな特長。企業等を契約者とし、その構成員等が任意で加入する団体契約として販売する(保険料の負担は加入者個人)。

「糖尿病治療支援保険」の保険期間は1年間で、保険期間を通じて、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード、個人の健康・医療・介護に関する情報)を活用した日々の健康管理や糖尿病の重症化予防に資する「“いつも”を支えるサービス」と、重症化して合併症が発生した際の「“いざ”を支える補償」を提供する。
「“いつも”を支えるサービス」には、日々の健康管理に向けたアプリの提供と、リスクが高まった際のより強力なサポートの二つのサービスがある。
糖尿病では、食事・運動の管理等が重要となるため、健康管理に向けたアプリとして食事等の記録・サポートを行うアプリ、運動サポート機能を搭載した糖尿病健康管理ウェブアプリ、糖尿病の専門家である医療職による予防プログラムの提供―を通じて、重症化予防をサポートする。
このうち、食事等の記録・サポートを行うアプリは㈱リンクアンドコミュニケーション(東京都千代田区、渡辺敏成代表取締役社長)が提供元で、同社は8月8日、東京海上日動が開発した「糖尿病治療支援保険」に加入した顧客を対象に、同社が開発・運営するAI健康アプリ「カロママ プラス」(毎日の食事や運動、睡眠などのライフログに、パーソナルAIコーチ「カロママ」がリアルタイムにアドバイスをする健康アドバイスアプリ)の提供を開始すると発表している。医療職による予防プログラムは、㈱カルナヘルスサポート(福岡県福岡市、西田大介筆頭代表取締役社長)が提供元。
また、リスクが高まった際のサポートとしては、糖尿病の評価基準の一つであるHbA1c値が悪化した(同社が定める条件に該当した)場合、24時間リアルタイムで血糖値変動が測定できる端末を配布し、医療職による個人の身体の状態に合わせた予防プログラム(提供元:カルナヘルスサポート)の提供を通じて、重症化予防のより高い効果を狙う。
「“いざ”を支える補償」としては、視力障害や腎症等の糖尿病合併症を発症した場合、保険金100万円を支払う。
糖尿病患者は年々増加し、今や国民病の一つとも言われている。厚生労働省の2016年の調査によると糖尿病患者は約1000万人、年間の医療費は約1兆2000億円となっている。糖尿病は万が一重症化すると透析治療が必要となったり失明に至る等極めて深刻な状態になる恐れがあるが、自覚症状に乏しく放置されやすい疾患とされている。
従来の医療保険等では、糖尿病を既に患って治療している人は申し込み時の健康状態の告知で加入できない場合もある。また、医療保険等に加入していた人が糖尿病を患い入院した場合には、日数に応じた入院保険金が支払われるのが一般的だが、合併症を発症した場合にはさらなる費用が必要となるケースがある。そこで、東京海上日動では、糖尿病予備群および糖尿病患者も加入できる新たな保険を開発した。今後、特定の団体向けに同商品の販売を行い、顧客からの声を収集しながら順次販売先の拡大を目指す。さらに同保険の展開を通じて、ヘルスケア分野における社会課題解決により一層取り組むとしている。