2022.08.26 T&D保険グループ 22年度第1四半期決算、中核3社基礎利益は11%増418億円 フォーティテュード評価性損失で減益[2022年8月10日]

T&D保険グループが8月10日に発表した2022年度第1四半期決算によると、連結経常収益は国内生命保険事業の業績好調により前年同期比32.0%増の7523億円となった。連結経常利益は米国金利上昇に伴うフォーティテュード社の会計上の一時的な評価性損失等により前年同期から減少し同255億円減益の▲432億円。親会社株主に帰属する四半期純利益は▲592億円。グループの経営実態を表すグループ修正利益は、国内生命保険事業およびフォーティテュード社の業績が好調だったことにより前年同期から増加し同60.2%増の386億円となった。通期業績予想および1株当たり年間配当金予想については、5月13日公表内容から修正はない。

グループ連結のソルベンシー・マージン比率は前年度末比77.8ポイント低下し948.5%。実質純資産は前年度末差5181億円減の2兆1493億円となった。
中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の基礎利益は前年同期比11.5%増の418億円だった。
中核生保3社の新契約年換算保険料は、同19.5%増の368億円となった。このうち第三分野は同8.9%増の97億円。保有契約年換算保険料は1兆5449億円で前年度末比0.1%増、このうち第三分野は2804億円で同1.0%増だった。
中核生保の業績を個社ごとに見ると、太陽生命の経常収益は前年同期比41.0%増の3059億円で、このうち保険料等収入は同3.2%増の1806億円だった。新契約年換算保険料は同2.9%増の91億円、うち第三分野は同7.1%増の52億円。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、インフォマーシャルやインターネット広告等を経由した情報を活用し、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」の推進や、新たに発売した「告知緩和型死亡保険」「選択緩和型先進医療保険」等の販売が好調だったことにより、前年同期から13.2%増加し53億円。保障性保有約年換算保険料は、入院一時金保険等、第三分野商品の販売好調により前年度末から0.7%増加し、上場以来最高だった前年度末からさらに伸展し1590億円となった。
大同生命の経常収益は前年同期比6.1%増の2590億円で、このうち保険料等収入は同0.9%増の1908億円だった。新契約年換算保険料は同10.9%増の163億円、うち第三分野は同14.1%増の43億円だった。新契約高(注)は、対面・非対面を組み合せた丁寧なコンサルティング営業の実践等により保障ニーズに対し的確に対応したことで、主力である定期保険、特にオーダーメード型商品(αシリーズ)の販売が堅調に推移。また、「予防」と「そなえ」を一体化した健康増進型保険「会社みんなでKENCO+」(22年1月発売)の販売により新たなニーズを取り込み、「就業不能・介護保障商品」の新契約高も前年同期から増加。結果、新契約高は前年同期から413億円増の1兆607億円となった。保有契約高(注)は46兆7333億円で、新契約高が堅調に推移したことにより前年度末(46兆7033億円)から純増となった。
T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前年同期比123.9%増の2271億円、うち保険料等収入は同67.0%増の1615億円だった。新契約年換算保険料は57.3%増の113億円。海外金利の上昇による商品の魅力度向上等の影響により、一時払終身保険「生涯プレミアムワールド5」の販売が堅調に推移。また、昨年発売した変額保険「ハイブリッドシリーズ」も商品浸透および代理店数が拡大したことにより、着実に販売が拡大した。保有契約年換算保険料は前年度末から2.7%増加し1686億円だった。
本四半期の新型コロナウイルス感染症関連保険金等の支払状況(3社合算)については、死亡保険金が105件・7億円(死亡保険金計7852件・438億円のうち)、入院給付金が5万2106件・73億円(入院保険金計17万437件・130億円のうち)で、そのうちみなし入院の率が約99%。
【第2四半期に損失計上見込み】
なお、同社は同日付で「海外関連会社における評価性損失等の計上に関するお知らせ」を発表し、3月期第2四半期連結会計期間(22年7月1日~9月30日)において、海外関連会社における評価性損失等を計上する見込みとなったと報告した。フォーティテュード社の第2四半期会計期間(22年4月1日~6月30日)において、主に米国金利上昇等に伴い会計上の一時的な評価性損失等1060億円程度を計上する見込みで、T&Dホールディングスの第2四半期連結会計期間(22年7月1日~9月30日)において、この一時的な評価性損失等を含めフォーティテュード社にかかる持分法による投資損失として1000億円程度を計上する見込み。なお、市場の変動により会計上生じる一時的な評価性損失等を調整した「グループ修正利益」は、第2四半期連結累計期間(22年4月1日~22年9月30日)で180億円程度を計上する見込みで、同社にかかる当初想定に対しおおむね順調な進捗となっているとしている。また、本評価性損失等の要因は、主に米国金利の変動により生じたものであり、今後も大きく変動する可能性があるため、現時点では、5月13日に公表した業績予想に修正はないとしている。
(注)「新契約高」「保有契約高」には、「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額を含む。