2022.08.16 SOMPOHD 22年度第1四半期決算、連結純利益は28%減の417億円 正味収保は海外の増収等で20%増

SOMPOホールディングスが8月5日に発表した2022年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比比19.0%増の1兆2865億円となった。このうち、正味収入保険料はSompoインターナショナルのコマーシャル部門(以下、SIコマーシャル)の大幅増収に加え、火災保険や新種保険を中心として損保ジャパンでの拡大により同20.6%増1795億円の増収で1兆521億円を計上した。生命保険料は同1.5%減の744億円だった。連結経常利益は同29.5%減の552億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同28.4%減の417億円となったが、計画通りの進捗としている。修正連結利益は、639億円で、業績予想に対する進捗率は25%。

SOMPOグループの連結純利益417億円(業績予想に対する進捗率は25%)の増減要因は、損保ジャパンが318億円で前年同期比▲149億円、海外グループ会社が172億円で同+4億円、SOMPOひまわり生命が▲1億円で同▲52億円、SOMPOケアが13億円で同▲2億円、その他・連結調整等が▲84億円で同+28億円。
国内損保事業のうち損保ジャパン単体の業績では、国内自然災害の発生や新型コロナ影響(自動車保険損害率低下効果)の一部剥落などにより、保険引受利益は338億円減益の8億円にとどまった。保険引受利益の増減要因で、自動車保険損害率低下効果の一部剥落は110億円程度、国内自然災害(主にひょう災)の影響は196億円としている。資産運用粗利益は、政策株式を着実に削減(126億円)し、これによる有価証券売却益の増加を主因に95億円増益の432億円を計上。当期純利益は保険引受利益の減益を資産運用粗利益の増益で一部オフセットし、149億円減益の318億円となったが、計画どおりの進捗としている。
正味収入保険料は火災保険・新種保険が好調に推移し、自賠責・家計地震を含む合計正味収入保険料は前年同期比1.4%増の5682億円だった。自賠責・家計地震を除く正味収入保険料は、同2.8%増の5198億円。火災保険は同15.2%増の791億円、その他(新種保険)は、同2.9%増の1037億円を計上、一方、自動車保険は同0.9%減の2749億円だった。
自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は、ひょう災影響などにより前年同期比7.2ポイント上昇し61.4%となった。除く自賠責・家計地震のW/P損害率は同0.4ポイント上昇の54.1%。
正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は前年同期比0.1ポイント低下し34.4%、社費率は横ばいの13.4%と計画対比で良好な水準としている。コンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は同7.4ポイント上昇し95.5%で、コンバインド・レシオ(W/P、除く自賠責・家計地震)は、同1.1ポイント上昇の88.7%となった。
なお、保険引受利益から異常危険準備金に係る影響を除いたコア保険引受利益は前年同期比390億円減益の133億円だった。国内自然災害の影響は▲199億円で、それを除くと332億円となる。異常危険準備金繰入額は124億円で前年同期から52億円減少した。
経常利益は、前年同期比202億円減益の412億円で、当期純利益は同149億円減益の318億円となった。修正利益は、同242億円減益の366億円。単体ソルベンシー・マージン比率は前期末比5.7ポイント上昇し703.2%。
国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、21年10月発売の新がん保険などのInsurhealth(R)商品を中心に、新契約年換算保険料は引き続き拡大し、新型コロナによる保険金等の増加影響を除くと、修正利益は前年同期比1億円増と着実に増益した。
新契約年換算保険料は前年同期比24.0%増の81億円。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年度末比0.1%増の3829億円だった。
保険料等収入(法令にのっとった生命保険会社の様式に基づく数値で連結様式とは異なる)は、同1.3%減の1037億円、責任準備金繰入等が同2.9%減の645億円、保険金等支払が同40.3%増の266億円、事業費は同2.2%増の228億円、資産運用損益は同0.3%減の124億円で、基礎利益は同76.5%減の20億円となった。経常利益(連結様式とは異なる)が同87.4%減の10億円で、当期純利益は同102.4%減の▲1億円。修正利益は37億円(39.4%)減益の57億円。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比76.2ポイント低下し1283.6%となった。
海外保険事業では、SIコマーシャルが、計画を上回るレートアップや、農業保険で作物価格の上昇や保有比率引き上げによる増収を実現したことなどを背景として、正味収入保険料は1512億円増(56.4%増)と大幅増収を示した。増収効果に加え、海外自然災害が減少したこともあり、コンバインド・レシオは3.2ポイント改善し、91.0%となった。修正利益は78億円増益の219億円で、計画に対して順調な推移をみせている。
介護・ヘルスケア事業では、SOMPOケアの入居率改善やネクサスケア社の統合効果(20億円)により売上高が拡大、前年同期比33億円増益の367億円となった。修正利益は同3億円増益となった。