2022.07.25 明治安田生命 第75回定時総代会開く、中期経営計画は順調に進捗、顧客満足度は過去最高値記録
明治安田生命は7月5日、東京都港区の「ザ・プリンスパークタワー東京」で第75回定時総代会を開催し、全議案を承認・可決した。可決された2021年度剰余金処分案には、剰余金処分額を1843億5004万円とし、このうち1514億5337万円を社員(契約者)配当準備金として繰り入れる内容が含まれている。永島英器社長は「21年度は中期経営計画の実現に向けて概ね順調に進捗した」と総括した。会場には163人が出席した。事前質問として、先般の雑誌報道を踏まえた、不正行為に対する監視体制についての説明や、世界情勢の急激な変化など、環境急変時におけるリスク削減、およびリスクテイクの方針について説明を求める声などが寄せられた。
明治安田生命では、2020年度から開始した10年計画「MY Mutual Way2030」の中で、21年度から23年度までを「MY Mutual WayⅠ期」と位置付け、フェーズチェンジに取り組んでいる。
初年度に当たる21年度の経営目標の達成状況は一部に遅れはあるものの、概ね順調に進捗した。
成長戦略の営業・サービス「大」改革では、営業職員チャネルについては、MYライフプランアドバイザーに、顧客の健康増進と地域のつながりをサポートする新たな役割を設定し、評価制度を見直すとともに、名称を「MYリンクコーディネーター(LC)」に変更。また、対面と非対面を融合した新たな営業モデルの構築に向けて、オンライン面談システムの活用や、スマートフォンでの団体保険の加入手続き等ができる「みんなのMYポータル」の導入・利用を促進した。
病期の早期発見・重症化予防に資する健康増進型商品「ベストスタイル健康キャッシュバック+発見・予防」をはじめ、商品ラインアップを拡充。22年4月からは「団体がん保障保険」の案内を促進しているとした。
基幹機能・事務「大」改革では、定型事務業務を担っていた全国の職員約2000人を「事務サービス・コンシェルジュ」に登用し、LCとともに顧客を訪問し保険金請求手続きのサポートや診断書の取得代行などを行う取り組みを進めている。併せて、企業保険事務に従事していた職員約200人を「法人事務サービス・コンシェルジュ」に登用し、団体窓口での各種手続きサポートを提供していると説明した。
デジタル化のさらなる推進として、顧客専用サイト「MYほけんページ」の給付金請求画面を改訂し、入力項目を半減させ、入力時間の短縮を実現。団体所属員向けに専用ウェブシステム「みんなのMYポータル」の非対面手続きを拡充した。
資産運用「大」改革では、金融環境に応じた投融資の機動性を向上させるとともに、海外クレジット資産への投資を拡大。機関投資家として、エンゲージメントを通じた働き掛けや、ESG投融資に取り組んだ。海外保険事業では、同社とスタンコープ社のCEOがトップメッセージを互いに発信すること等を通じてグループ会社間の相互理解を促進したと報告した。
ガバナンス態勢の変革では、「ご契約者配当に関する方針」を策定・公表するとともに、「MYミューチュアル配当」の支払いを開始。企業理念「明治安田フィロソフィー」に即した行動の発現に向けて「取組姿勢」と「求められる行動」をまとめたガイドラインも策定。「健全性水準に応じた経営の方針」を公表し、足下の金融環境と、ESR(経済価値ベースの健全性を表す指標)の見通しを踏まえ、対応策を検討・実施する態勢を整備した。
DX戦略では、「DX・ヘルスケア推進」を担当する役員を置き、「デジタル戦略部」を設置するとともに、全社横断的なプロジェクトチームを設置。21年7月には経済産業省の「DX認定」を取得し、四つの取り組み方針に従ってDX戦略を推進していると説明した。
2「大」プロジェクトの一つ、「みんなの健活プロジェクト」では、検診結果の数値悪化をきっかけとした通院に対する保障に加えて、22年6月にはがん検診の受診をきっかけとした生存給付金を支払う新商品「ベストスタイル健康キャッシュバック 女性がん・早期発見サポート」を発売。
「地元の元気プロジェクト」では、従業員一人一人が地元に思いを届ける「私の地元応援募金」に取り組み、21年度は累計1604団体に寄付を実施した。また、地方自治体との連携協定の締結も拡充し、協定に基づく取り組みに加えて、公民館や道の駅、協会健保との協働取り組み等を実施した。
こうした活動の結果、21年度は、顧客の総合満足度、アドバイザー満足度、商品満足度のそれぞれの指標で67%以上と過去最高を記録した。
「21年度は中期経営計画の実現に向けて概ね順調に進捗した」と総括した永島社長は「足下では22年6月には『ベストスタイル健康キャッシュバック』の販売件数が累計100万件を突破した。同商品の加入者の健康意識は依然高く、その割合は昨年度より2.4ポイント上昇した」と説明。また、「2030年に目指す姿の実現に向けて取り組む中で、当社は持続可能な社会づくりに貢献することを、社会的価値と経済的価値の向上の前提になるものと位置付けている。こうした考え方を明確にするとともに、全ての役員と従業員が持続可能で希望に満ちた豊かな未来づくりへの貢献に自分事として取り組むよう、4月には企業理念である明治安田フィロソフィーを改訂した。「『未来世代との絆』を加えることで、企業ビジョンに定める、お客さま、地域社会、働く仲間をはじめとするステークホルダーとの共有価値を創出していくとともに、その価値を未来世代に引き継いでいく姿勢を明確にした」と強調した。