2022.06.23 あいおいニッセイ同和損保 NExT―e Solutionsと協業

 あいおいニッセイ同和損保は6月6日、蓄電池の長寿命化や複数用途での利活用を実現する独自の技術・ノウハウを保有するNExT―e Solutions㈱(東京都世田谷区、井上真壮代表取締役社長)と、蓄電池のリユース市場創出に向けた協業を6月から開始すると発表した。また、「CSV×DX」を基軸とする商品・サービス開発を進め、カーボンニュートラル・脱炭素社会実現に貢献するとしている。

 地球温暖化・気候変動を背景に、国内外でカーボンニュートラル・脱炭素社会実現に向けた取り組みが加速している。そこではエネルギーの有効活用が不可欠で、これまで以上に「つくる」「貯める」「使う」を最適化するエネルギーマネジメントシステムが重要となる。このうち「貯める」役割を担うのが蓄電池で、今後広く普及していくことが見込まれる。
 こうした蓄電池の普及拡大に欠かせない要素の一つが蓄電池の「リユース技術」だ。例えば、耐用年数を超過し車載用として使用できなくなった蓄電池は、新たに定置用蓄電池にリユースをすることで、ビルや商業施設、病院等で再利用することができる。一方で、蓄電池のリユースには、事業面、安全面、コスト面等でさまざまな課題があり、いまだ限定的な活用にとどまっている。
 そこで、あいおいニッセイ同和損保は、NExT―e Solutionsと協業し、安全かつ高性能なリユース蓄電池の開発、円滑な取引を支える補償の提供に取り組むことで、蓄電池のリユース市場の創出やリユースの活用促進による循環型社会の実現を目指すとしている。なお、NExT―e Solutionsは、自社開発したバッテリーのデジタル制御・管理技術により、新品・中古を問わず、制御デバイスを組み合わせることで、異種電池の混載、新品・中古の混載も可能とする技術を有し、日本、中国、台湾などで車載電池のリユースを実証済みだという。
 今回の協業では、蓄電池のリユース市場の創出に向け、課題解決に向けた取り組みを共同で進める。事業面では、NExT―e Solutionsが電池をリユースし、リユース後に使用状況のモニタリングを行うことで電池を最大限に有効活用する仕組みを構築。あいおいニッセイ同和損保は、リスク分析やリスクアセスメント等のノウハウを活用し、前記スキームが円滑に運営されるよう保険面で支援する。
 安全面では、両社でリユース電池の使用状況をモニタリングし、異常値を早期発見することで、事故・故障等のトラブルを未然に防止するサービスを構築する。あいおいニッセイ同和損保は、テレマティクス自動車保険の開発で培ったデータ分析ノウハウの活用により、リユース蓄電池の性能、劣化状況等の各種データに基づいた最適な補償・料率体系の構築を行い、リユース蓄電池の品質を保証する制度構築に取り組むとしている。
 コスト面では、電池の残存価値に応じた最適なリユースパターンを確立し、転用コストを抑制する仕組みを構築する。各種メーカーとの協業を進め、リユースを想定した電池の開発を行うことで転用コスト抑制を実現する。あいおいニッセイ同和損保は、リユース蓄電池の安全性を反映した低廉な保険商品を提供することで、事業者のコスト低減に貢献する。