2022.05.20 T&D保険グループ 21年度末決算、純利益は86%減141億円に、太陽生命再保険影響除くと大幅増益

 T&D保険グループが5月13日に発表した2021年度決算によると、親会社株主に帰属する当期純利益は、米国金利上昇に伴うフォーティテュード社の会計上の一時的な評価性損失等により前期比86.9%減の141億円となった。グループ修正利益は、太陽生命の新たな再保険取引の影響により同49.6%減の392億円。ただし、その影響を除けば国内生命保険事業と米国再保険関連会社(フォーティテュード社)の業績が好調だったことにより前期から381億円増加の1160億円となる。1株当たり年間配当金は、通期予想通り10円増配の56.0円を予定。22年度(23年3月期)の通期業績予想については、親会社株主に帰属する当期純利益が22年3月期並みの170億円、グループ修正利益が1060億円と大幅な増加を見込み、1株当たり年間配当金は62.0円と6.0円増配を予定する。

 T&D保険グループの連結経常収益は前期比10.8%増の2兆6143億円、連結経常利益は同67.3%減の570億円だった。国内3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の新契約価値は235億円増の1669億円。グループMCEVは、新契約価値の積み上げ等により前期末から1309億円増加し、3兆5085億円となった。連結ソルベンシー・マージン比率は、前期末比68.4ポイント低下して1026.3%。
 国内3社合算の新契約年換算保険料は、保障ニーズが高まる中、対面・非対面を融合した営業の定着等により堅調に推移し、前期比10.5%増の1219億円となった。このうち第三分野は同12.1%増の359億円だった。保有契約年換算保険料は前期末比0.5%増の1兆5431億円で、このうち第三分野は2775億円で同3.8%の増加。
 国内生保3社合算の基礎利益は、利息及び配当金等収入の増加などにより前期比14.3%増の1840億円。
 各社の業績では、太陽生命の経常収益は前期比80.6%増の1兆4398億円で、このうち保険料等収入は同3.5%減の5981億円だった。新契約年換算保険料は同3.2%増の341億円、うち第三分野は同11.4%増の197億円だった。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、インフォマーシャルやインターネット広告等を経由した情報を活用し、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」等のウィズコロナ時代に対応した営業活動の推進、「感染症プラス入院一時金保険」や「ガン・重大疾病予防保険」の好調な販売状況が継続したことにより、同11.5%増の192億円。保障性保有契約年換算保険料は、入院一時金保険等、第三分野商品の販売が好調だったことから前期末比1.6%増の1579億円となり、上場以来の最高値を記録した。
 大同生命の経常収益は前期比1.0%増の1兆326億円、うち保険料等収入は同0.0%減の8080億円だった。新契約年換算保険料は同18.8%増の606億円、うち第三分野は同11.1%増の155億円だった。新契約高(注)は、前期比で4913億円増加し4兆419億円となった。対面・非対面を組み合わせたコンサルティング営業の実践等により、コロナ禍で高まっている顧客の保障ニーズに対し的確に対応したことで、主力である定期保険、特にオーダーメード型商品(αシリーズ)の販売が堅調に推移。また、「がんステージ限定型Jタイプ」(20年12月発売)の販売が堅調に推移したことなどにより、「就業不能・介護保障商品」の新契約高も前年度から増加した。新契約高の堅調な推移により、保有契約高(注)は46兆7033億円と、前期末(46兆6560億円)から純増となった。
 T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前期比5.4%増の4853億円、うち保険料等収入は同5.5%増の3671億円だった。新契約年換算保険料は同3.4%増の271億円、うち第三分野は7億円で同72.8%増加した。対面・非対面を融合したサポート体制の充実により募集代理店での同社商品の認知度がさらに向上したことや、海外金利の上昇による商品の魅力向上等により、一時払終身保険「生涯プレミアムワールド5」や変額保険「ハイブリッドシリーズ」を中心に販売が堅調に推移した。保有契約年換算保険料は前期末比11.0%増の1641億円。
 (注)「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額を含む。