2022.04.19 生保協会 乗合代理店の業務品質評価開始、基本項目達成代理店をホームページで公表
生命保険協会は4月4日から、生命保険乗合代理店向けの「業務品質評価運営」を開始した。保険業界全体が「顧客本位の業務運営」の実践を求められている中、代理店や生保会社、消費者団体の代表で構成した検討会(代理店業務品質のあり方等に関するスタディーグループ)で策定した「業務品質評価基準」を提供、また、それに基づき、生命保険代理店の業務品質の評価を行う。
「業務品質評価基準」は、消費者にとって理想的な生保乗合代理店に求められるものとして、「顧客対応」「アフターフォロー」「個人情報保護」「ガバナンス」の四つのカテゴリー別に、法令で求められる対応や代理店としての基本的な取り組みの「基本項目」150項目と、顧客本位の業務運営の観点から、代理店独自のより高度な取り組みとなる「応用項目」60項目に分けられている。
「業務品質評価運営」は生保協会が主体となって代理店の業務品質向上をサポートする消費者のための取り組みで、「業務品質調査」の申し込みがあった代理店に対して基準に基づく調査を実施し、その評価と結果を消費者向けに公表することで、業務品質向上に積極的に取り組む代理店を消費者に広く周知させることが狙いだ。また、代理店にとっては、業務品質評価基準を確認して自社の取り組み状況を把握することができ、各項目の達成を目指すことで、業務品質向上を期待することができる。
調査対象の代理店は、生命保険乗合代理店(2社以上の生命保険会社の商品を取り扱う代理店)で、個人代理店や金融機関代理店、金融機関関係代理店、日本郵政グループは対象外になる。
調査を希望する代理店は、4月4日~5月9日に生保協会のホームページの専用フォームから申込みを行う。加えて、申し込み前に業務品質評価基準の「基本項目」を自己チェックして、全ての項目が達成できていることまたは、調査時までに達成ができることを確認して報告する。調査を受ける代理店は、利用料として30万円を負担する。
生保協会は、各生保会社からの出向者を含めて編成した30人体制の調査チームで22年度下期から調査を開始し、22年度は約100社の調査を行う予定だ。申し込みが多数の場合は、業務品質の状況や顧客接点の多寡から選定するとしている。
具体的な調査方法は、代理店が提出した証跡資料を基に、生保協会が各評価基準の達成状況を確認することに加え、代理店を訪問し、事実確認や担当者にヒアリングを実施する。評価結果は、代理店に通知する他、委託元の保険会社にも情報提供を行う考えだ。
生保協会は、調査によって全ての「基本項目」の達成が確認できた代理店について、代理店名と取り組み内容を同協会のホームページに公表する。また、公表対象となった代理店は、自社のホームページや名刺などに生保協会所定の表示文言を使用することができる。
生保協会は、4月5~8日に業務品質評価に関するウェブ説明会を実施している。既に約130社が参加し多くの反響があったことから、追加で説明会を開催することを決定、15日に続き、18日、21日、25日に開催を予定している。