2022.04.13 東京海上日動 「脱炭素サプライチェーン途絶対応保険」開発、脱炭素取組む企業の「環境価値」減少を補償

 東京海上日動は3月22日、企業のサプライチェーン上に生じた事故によって、企業としての脱炭素の取り組みによる「環境価値」が減少することによって生じる損害を補償する新しい保険として、「脱炭素サプライチェーン途絶対応保険」を開発したと発表した。

 政府は「カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」として14の重点分野を示しており、その1分野である燃料アンモニアおよび水素の活用への期待が高まっている。CO2を排出しない燃料等の活用は、サプライチェーン全体のCO2排出量の削減につながり、その削減されたCO2排出量に応じた「環境価値」(脱炭素の取り組みの結果としてCO2排出量が削減されることで生み出される価値のこと)を「クレジット」という形で金銭に換え、当該金銭により新たな脱炭素の取り組みを実施する循環に向けた取り組みが始まっている。
 「クレジット」とは、脱炭素の取り組みによるCO2削減効果を第三者による審査・認証等を通じて「見える化」し、売買取引できる形としたもののことで、日本のクレジット制度の代表的な例である「Jクレジット制度」では、省エネ機器や再生可能エネルギーの導入などによる温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証している。
 東京海上日動が開発した「脱炭素サプライチェーン途絶対応保険」は、CO2排出量の削減に取り組む企業を対象に、サプライチェーン上で発生した事故によって被る「環境価値」の減少を補償することを通じて、脱炭素の取り組みを支える。
 サプライチェーン上で事故が発生すると、脱炭素の取り組みを停止・規模の縮小等をせざるを得ず、想定していたCO2排出量の削減を達成できない事態が生じる。こうした事態に対して、本保険では、脱炭素の取り組みを再開・復旧するための代替燃料再調達費用等に加えて、従来の保険では補償していなかったクレジットへの換金額が減少したことによる逸失利益等を支払う。
 例えば、自家発電施設用のCO2を排出しないアンモニア燃料の調達時に、アンモニア輸送船の事故により燃料調達が不能となった場合に生じる代替アンモニア燃料調達の費用や、事故がなければ得られたはずのクレジット売却益を補償する。
 同社では今後、脱炭素に積極的に取り組む企業を中心に、それぞれのサプライチェーンの実態を踏まえ、オーダーメードで保険を設計・提供していき、これにより、事業者の投資予見性を高め、社会全体での脱炭素取り組みや事業の推進・加速を支えていくことを目指すとしている。