2022.03.03 日本生命グループ 21年度第3四半期決算、基礎利益30%増5854億円に

日本生命が2月15日に発表した2021年度第3四半期決算によると、グループの業績は保険料等収入、基礎利益ともに前年同期比で増収・増益となった。引き続きコロナ禍で大幅に減少していた反動を受けたことや、国内外の企業業績回復により株式配当金および投資分配金が増加したことなどが主因。国内生保事業の新契約年換算保険料は、営業職員チャネル・銀行窓販チャネルでは19年4~12月対比で減少となりコロナ禍前の水準には回復していない。一方、保有契約年換算保険料は、海外金利上昇に伴うニッセイ・ウェルス生命の米ドル建商品の販売増を主因に前年度末から増加した。

 日本生命グループの21年度第3四半期の経常収益は、前年同期比3.2%増の6兆191億円だった。保険料等収入は同5.9%増の4兆230億円。国内生保事業の保険料等収入は同5.7%増の3兆8629億円で、コロナ禍で大幅に減少していた前年同期からの反動を受けて増収した。一方、対19年4~12月では、海外金利が19年度の水準と比較して低位で推移したため、外貨建保険の販売減少に伴う銀行窓販チャネル等の減少により同6.1%減とマイナスとなった。
 基礎利益の合計は、前年同期比30.7%増の5854億円。日本生命は利差益の増加(企業業績の回復による株式配当金および投信分配金の増加等)により前年同期から1112億円の増益で5349億円、大樹生命は保険関係損益の増加(海外金利上昇に伴う外貨建保険の最低保証に係る責任準備金の戻入等)により同101億円増益の310億円、ニッセイ・ウェルス生命は外国証券配当の増加等により同81億円増益の282億円、はなさく生命は事業費等の支出増により同26億円減益の▲132億円、海外保険のうちMLCは個人保険の収支改善を主因に同148億円増益の2億円となっている。国内外のアセットマネジメントはニッセイアセットマネジメント、ニッポンライフ・インディア・アセットマネジメントが共に増益となった。
 グループの資産運用収益は前年同期比1.8%減の1兆8086億円だった。経常費用は同0.7%減の5兆4336億円で、このうち保険金等支払金は同1.9%増の3兆3790億円、資産運用費用は同17.5%減の2020億円、事業費は同2.5%増の5965億円だった。これらの結果、経常利益は同62.0%増の5854億円、これに特別損益を加減した四半期純剰余は同49.1%増の3139億円となった。
 グループの総資産は、前年度末比2.6%増の87兆8475億円となった。責任準備金は同1.5%増の67兆9187億円だった。
 グループのソルベンシー・マージン比率は、劣後債務調達に加え、危険準備金・価格変動準備金の積み増しを通じた自己資本の強化に伴い、前年度末の1075.0%から84.0ポイント上昇し1159.0%となった。また、実質純資産は、自己資本の着実な積み増しに加え、有価証券の含み益の増加により、前年度末から増加して22兆4049億円となった。
 国内における保険料等収入は、前記の通り前年同期比5.7%増の3兆8629億円で、うち個人保険・個人年金保険は同5.7%増の2兆7328億円。チャネル別では、営業職員チャネルは同0.7%増の2兆205億円。代理店チャネルは同11.6%増の3017億円。銀行窓販チャネルは同33.1%増の4105億円となった。団体保険は同2.6%増の2099億円、団体年金保険は同5.1%増の8383億円だった。
 国内の個人保険・個人年金保険における新契約は、年換算保険料が同29.9%増の2783億円、件数が同21.2%増の361万件、保障額等が同27.4%増の7兆1530億円となった。
 チャネル別には、営業職員チャネルの新契約年換算保険料は、同27.4%増の1530億円、件数は同20.5%増の343万件、保障額等は同14.8%増の5兆3197億円。代理店チャネルの新契約年換算保険料は、同37.8%増の426億円、件数は同39.6%増の13万件、保障額等は同109.2%増の1兆3977億円。銀行窓販チャネルの新契約年換算保険料は、同30.8%増の825億円、件数は同27.6%増の4万件、保障額等は同38.5%増の4344億円となった。
 会社別には、日本生命の新契約年換算保険料は同26.1%増の1846億円、件数は同19.7%増の338万件。同じく大樹生命は同41.2%増の183億円、件数は同31.2%増の10万件。ニッセイ・ウェルス生命は同35.0%増の694億円、件数は同49.5%増の2万件。はなさく生命は同73.1%増の59億円、件数は同82.6%増の9万件だった。
 国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比0.3%増の4兆5208億円、件数が同1.9%増の3756万件。
 会社別には、日本生命の保有契約年換算保険料は同0.0%減の3兆7381億円、件数は同1.8%増の3446万件となった。同じく大樹生命は同1.3%減の5079億円、件数は同1.0%減の252万件。同じくニッセイ・ウェルス生命は同5.5%増の2608億円、件数は同4.8%増の35万件、はなさく生命は同62.5%増の139億円、件数は同62.5%増の22万件だった。
 国内の団体保険の保有契約(保障額等)は、同0.2%増の110兆6995億円。このうち日本生命は同0.3%増の99兆1245億円、大樹生命は同1.3%減の11兆5750億円だった。また、国内の団体年金保険(受託資産等)は、同4.0%増の18兆5584億円。このうち日本生命は同1.9%増の13兆9048億円、大樹生命は同1.6%増の7924億円だった。
 21年度決算の見通しは前期から変更なく、グループ全体で増収・増益を見込む。保険料等収入はニッセイ・ウェルス生命における外貨建商品の販売増加により増収、基礎利益は利差益の増加を主因に増益を見込む。