2022.03.01 MS&ADHD 21年度第3四半期決算、修正利益747億円の増益

MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が2月14日に発表した2021年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比5.9%減の3兆7381億円だった。連結正味収入保険料は国内損保子会社、海外保険子会社ともに増収となり、同2.6%増の2兆7470億円となった。連結経常利益は同37.4%増の3025億円。親会社株主に帰属する四半期純利益は国内損保子会社および海外子会社における増益を主因に同36.4%増の2046億円を計上した。通期予想額2300億円に対する進捗率は89.0%。グループ修正利益は、国内損保事業や海外事業が大幅増益となり同747億円増益の2760億円で進捗率は92.0%となった。

 国内損保事業の修正利益は、前年同期比404億円増益の1931億円(進捗率97.1%)。
 国内損保主要2社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の業績では、正味収入保険料は、火災保険や自賠責保険が減収となったものの、自動車保険の増収、賠償責任保険等の新種保険の増収により、前年同期比0.9%増の2兆1488億円となった。家計地震・自賠責を除くと同1.7%増の1兆9335億円だった。
 火災保険は、前期の大量更改契約の反動および2021年1月改定前の駆け込み契約の増加の反動により134億円の減収。自動車保険は、契約台数の増加や補償充実提案の取組みなどによる契約の単価上昇などにより204億円の増収。新種保険は、中小企業向け商品の販売好調やニューリスク分野の大口契約獲得などにより150億円の増収。自賠責保険は、料率改定の影響などにより116億円の減収。
 三井住友海上の種目別正味収入保険料は、火災が前年同期比2.3%減の1722億円、海上が同16.0%増の448億円、傷害が同2.3%増の1093億円、自動車が同0.9%増の5152億円、自賠責が同6.3%減の1113億円、その他が同4.0%増の2257億円で、合計は同0.9%増の1兆1787億円。
 あいおいニッセイ同和損保の種目別正味収入保険料は、火災が前年同期比6.0%減の1463億円、海上が同3.4%減の48億円、傷害が同2.6%増の453億円、自動車が同2.9%増の5608億円、自賠責が同3.9%減の1036億円、その他が同6.1%増の1089億円で、合計は同1.0%増の9700億円となった。
 2社合算の保険引受利益(除く家計地震・自賠責)は、前期のコロナによる活動停滞の反動により自動車保険の発生保険金が増加したものの、既経過保険料の増加や国内自然災害に係る発生保険金の減少により、前年同期比357億円増益の897億円となった。2社合算の既経過保険料は同650億円増の1兆9298億円で、発生保険金(含む損害調査費)は同446億円増の1兆1371億円となっている。保険引受利益のうち三井住友海上は同52億円増益の507億円、あいおいニッセイ同和損保は同304億円増益の389億円だった。
 2社合算の正味損害率(含む損調費)は同0.3ポイント上昇し59.2%、正味事業費率(除く損調費)は同0.2ポイント上昇し33.7%となった。コンバインド・レシオは同0.5ポイント上昇し92.9%。家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同0.3ポイント上昇して58.9%。
 2社合算の資産運用・その他収支は、有価証券評価損が増加した一方で、ファンドや海外子会社、政策株式からの配当金の増加、政策株式・ファンドの売却益の増加などにより同183億円増の1315億円となった。
 2社合算の経常利益は、同540億円増益の2213億円を計上。このうち三井住友海上は同207億円増益の1454億円、あいおいニッセイ同和損保は同332億円増益の759億円だった。2社合算の四半期純利益は、同493億円増益の1627億円。このうち三井住友海上は同267億円増益の1103億円で、あいおいニッセイ同和損保は同225億円増益の523億円だった。
 ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上が前期末比23.3ポイント上昇して769.8%、あいおいニッセイ同和損保が同15.2ポイント上昇して806.1%となった。
 国内生保事業の修正利益は前年同期比55億円増益の554億円で進捗率は123.3%。三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命合算の保険料等収入は同1265億円増の1兆1044億円となった。合算の四半期純利益は同54億円増の541億円となった。
 三井住友海上あいおい生命は、新契約が年換算保険料ベースで増加となったが、保険料等収入は、払込満了契約の増加等により同55億円減の3708億円となった。新契約高(個人合計)は同0.2%減の1兆3031億円。新契約年換算保険料は法人向け定期保険の販売増加等により同6.3%増の204億円。なお、19年度対比では▲5.9%となる。保有契約高(個人合計)は期首比1.2%減の23兆9735億円。保有契約年換算保険料は同0.6%減の4452億円だった。経常利益は前年同期比30.5%増の273億円、基礎利益は同32.2%増の254億円を計上。四半期純利益は、責任準備金繰入負担の減少や資産運用収益の増加、経費の削減等により同43億円(34.0%増)の増益で170億円。
 三井住友海上プライマリー生命の保険料等収入は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で金融機関代理店の預かり資産ビジネス自粛の影響等を受けた前期の反動により、前年同期比1321億円増収の7336億円となった。新契約高(個人合計)は同30.3%増の6644億円、保有契約高(個人合計)は期首比0.2%増の6兆6072億円。経常利益は有価証券売却益の減少や保険料の増収に伴う代理店手数料増加等により減益となり、前年同期比14.3%減の535億円となった。経常利益は減益となったものの、四半期純利益は、財務健全化に向けた価格変動準備金について昨年度一定水準まで積立てられ、本年度は繰入額が減少したことにより、同10億円増益の370億円となった。
 ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上あいおい生命が前期末比188.5ポイント低下して1251.0%、三井住友海上プライマリー生命が同90.6ポイント上昇して1145.4%となった。
 海外事業の修正利益は、前年同期比296億円増益の251億円だが、進捗率は50.4%となっている。海外保険子会社の正味収入保険料は、マーケットのハード化に伴う欧州での増収や為替レートの円安影響等により、前年同期比491億円増の5725億円となった。四半期純利益は、海外自然災害による支払いが増加したものの、前期の新型コロナ関連ロスの反動や海外生保における増益等により、同231億円増の141億円となった。
 地域別には、アジア(含む豪州)の正味収入保険料は前年同期比21億円増の1306億円で、四半期純利益は同25億円増の230億円。欧州の正味収入保険料は同434億円増の4080億円で、四半期純利益は同34億円増の▲258億円。このうちMSアムリンの正味収入保険料は同396億円増の3684億円で、四半期純利益は同1億円減の▲287億円。また、米州の正味収入保険料は同35億円増の338億円で、四半期純利益は同5億円増の39億円。海外生保の四半期純利益は同166億円増の129億円。
 なお、グループのESRは、12月末で254%となっている。