2022.02.10 損保ジャパン GAP認証農場向け専用保険開発、賠責補償と労災補償セットで提供

損保ジャパン、一般財団法人日本GAP協会(荻野宏代表理事、以下、GAP協会)、㈱ウィズアイ(石田洋代表取締役社長)は共同で、JGAP/ASIAGAP認証取得農場向けの専用保険制度を発足させ、2月から提供を始めた。業界初の取り組みとなる。JGAP/ASIAGAP認証プログラムを通して農場の事業継続をサポートすることで、日本の農業の発展に貢献していくとしている。

 GAPとは、 Good Agricultural Practiceの略称で、農業において食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組みを指す。農林水産省がGAPの普及に取り組んでおり、GAP協会は、日本のスタンダードとなるGAP認証の構築と普及に向けて農業関連事業者に対してさまざまな取り組みを行っている。JGAP/ASIAGAPに基づいて「GAPが正しく実施されている」という認証を受けることが流通・小売業者や消費者に対する信頼の証しとされており、食の安全性へのニーズの高まりや食のグローバル化、持続可能な農業につながるものとして、GAP認証取得農場数は年々増加しているという(2021年3月末現在、約7500農場)。
 一方で、事業の拡大や多角化を図る経営が増加するなど、日本の農業をめぐる状況が変化する中で農業経営に伴うリスクも多様化している。また、農作業中の事故は依然として多く、労働安全管理の強化についても、対策の重要性が問われている。
 そこで、有事の際の農場の経営を守り、事業の継続をサポートする専用の保険制度を損保ジャパン、GAP協会、ウィズアイが共同で発足させ、提供を開始することとなったもの。専用保険制度は、保険契約者をGAP協会、加入者を認証取得農場とし、取扱代理店ウィズアイを通じて全国の認証取得農場へ案内し、損保ジャパンが引受ける。
 保険制度は、認証農産物に限らず全事業を補償する賠償責任補償と、全従業員を対象とする労働災害補償をセットした補償プランとなっている。賠償責任補償は、農産・畜産を含む全ての事業を包括的に補償するため、例えば、新たに開始した事業も自動的に補償の対象となる。また、業務過誤賠償責任補償をセットし、生産物の瑕疵による(身体障害や財物損壊を伴わない)第三者の経済損失に対する賠償責任も補償するプランとなっている。
 労働災害補償は、正規従業員・臨時雇い(パート・アルバイト)のいずれも補償の対象とし、農繁期や農閑期において雇用人数が変動してもそのつど申告する必要がない。
 JGAP/ASIAGAP認証取得済み農場は、厳しい生産工程管理をクリアしている実績を踏まえ「オリジナル割引」を適用し、一般で加入するよりも割安な設計内容としている。
 食の安全性の原点となる農業への注目度は今後ますます高まり、消費者サイド・生産者サイドの両面からGAP認証ニーズは上昇することが予想されており、損保ジャパンでは、農場のリスク対策・事故データを蓄積・フィードバックすることで、より効果的な事故削減につながる情報・サービスの提供に生かしていくとしている。