2022.01.25 東京海上日動 運送事業者の再配達率抑制支援、オールリスク置き配保険発売

東京海上日動は昨年12月24日、運送事業者向けに置き配専用のオールリスク保険(以下、運送事業者向けオールリスク置き配保険)の販売を12月から開始したと発表した。

 「置き配」とは、いわゆる宅配便で荷物の受取人である消費者から玄関前などのあらかじめ指定された場所に運送事業者が配達する配達方式。コロナ禍の影響や新たな生活様式の下でネット通販の利用が拡大し、非対面・非接触での受け取りとなる「置き配」のニーズが増加している。一方、置き配で宅配された荷物の盗難や破損に対して不安を感じる消費者の声も多く、不在時には再配達を選択する消費者が依然として多い傾向にある。また、置き配の際の荷物の破損は、配送中なのか置き配中なのか等、責任の所在が不明瞭なものもあり、トラブルの際に対応が難しいという問題もあった。
 再配達率の抑制は、運送事業者の人手不足への対応やCO2排出削減という観点から重要な社会課題の一つとされている。消費者のニーズに応えつつ再配達に起因する社会課題の解決のため、置き配の普及・拡大が求められているところから、東京海上日動ではこれらを踏まえ、運送事業者向けに、出荷人および消費者のリスクも含めて漏れなく補償を提供できるよう、運送事業者向けオールリスク置き配保険を開発した。
 同保険は、東京海上日動の運送保険(ロジスティクスミニ保険)をカスタマイズしたもので、三つの特長を持つ。
 一つ目は、オールリスクかつ全てのタイミングでの事故を補償する点。受取完了まで、盗難、水濡れ、破損等オールリスクの事故を対象に、運送業者ごとに事前に設定した1荷物当たりの限度額まで、実費を補償する(ただし、紛失は対象外)。また、事故が配送中なのか置き配中なのか等、どのタイミングでの事故か不明なケースについても保険の対象とする。盗難の場合は保険金請求に盗難届の受理番号を必要とし、警察に盗難届を提出する必要がある。
 二つ目はさまざまな置き配場所を担保する点。置き配ボックスの他、玄関前・ポスト・ドアノブ・自転車かご・物置など、さまざまな場所への置き配に対応する。
 三つ目は実態に見合った保険料による引受けで、契約者は保険契約時に1年間の置き配見込み個数に基づいた暫定保険料を支払い、期末に確定置き配個数に基づき精算するという点。
 同社では、同保険の開発・提供を通じて、再配達率の抑制を支援するとしており、今後も、温度管理貨物の置き配保険も検討するなど、最適な商品・サービスの開発・提供を進めていく。