2021.12.07 フコク生命グループ 21年度第2四半期決算、基礎利益18%の増益

フコク生命グループは11月25日、2021年度第2四半期(上半期)の業績を発表した。それによると、富国生命・フコクしんらい生命合算の新契約高は、通期で営業活動を行ったことにより、前年同期比30.5%増、新契約年換算保険料も同49.9%増加した。保険料等収入も2社ともに増え、合算で前年同期比13.2%増加した。2社合算の基礎利益は、利差益が大幅に増加したことにより前年同期比18.6%増加した。また、2社合算の解約・失効は昨年の反動があったもののコロナ禍以前と比べ改善した。

 2社合算の新契約高は前年同期比30.5%増の8963億円、新契約年換算保険料も同49.9%増の115億円となり、コロナ禍以前(2019年度上半期)を上回る水準に回復した。昨年度はコロナ禍により、第1四半期に営業活動を自粛したが、本年度の上半期はコロナ禍による制約があったものの、通期で営業活動を行ったことが要因という。
 合算の解約失効高は、前年同期比23.2%悪化の6041億円、解約失効年換算保険料も同16.1%悪化の69億円となった。一方、コロナ禍以前の前々年同期と比較すると、解約失効高は6.4%の改善、解約失効年換算保険料も11.6%の改善となっている。
 合算の保有契約高は、前年度末から0.3%減少して26兆9076億円。減少幅は年々縮小しており、引き続き反転増加に向けて取り組むとした。また、保有契約年換算保険料は前年度末比ほぼ横ばいの5486億円となったが、フコクしんらい生命は同1.7%増加して1732億円となった。第三分野は同0.3%増の1165億円と引き続き増加を記録した。
 合算の保険料等収入は前年同期比13.2%増の3270億円となった。フコクしんらい生命において、利率更改型一時払終身保険の販売が好調だったことなどが主な要因となっている。フコクしんらい生命の金融機関による保険販売では利率更改型一時払終身保険の販売が昨年8月以降好調に推移し、前年同期比で大幅に増加。保障性商品もコロナ禍以前を上回る水準に伸展している。
 富国生命単体の資産運用では、17年度より自己資本の充実度状況とリスク・リターン効率を踏まえ、資産運用リスクを取りにいく戦略に変更しており、超低金利環境が長期化する中でも安定した収益性を維持するため、内外の株式や社債を積み増してきた。21年度上半期は、外国株式や外貨建社債を中心にリスク・リターン効率に優れた投融資案件を選別して実行し、株式の変動リスクと外貨建資産の為替リスクについては適切なコントロールに努めた。利息及び配当金等収入は、この取り組みが奏功し、国内株式の配当金が増加したことや株価上昇を受け内外の投資信託の分配金が増加したことから、826億円を計上し上半期ベースで過去最高となった。
 合算の基礎利益は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により保険金・給付金の支払額が増加したことで保険金関係損益が減少したものの、利息及び配当金等収入の増加が寄与し利差益が大幅に増加した結果、前年同期比18.6%増の431億円となった。
 富国生命単体の経常利益は前年同期比32.9%増の440億円となった。中間純剰余は同30.3%増の346億円。
 連結ソルベンシー・マージン比率は、内外株式などの積み増しなどによるリスクの合計額の増加を主因に前年度末から24.2ポイント低下したものの、1279.7%と引き続き高い水準を維持している。なお、富国生命単体の経済価値ベースのソルベンシーマージン比率(ESR)は、上半期末で226.7%(速報値)で、前年度末比4.1ポイント上昇している。
 また、富国生命単体のオンバランスの自己資本強化と継続的なリスク・マネジメントの取り組みでは、経常益による内部留保の積み上げを第一義とし、適時、外部調達を行うことで自己資本を強化。21年度上半期においては、内部留保により自己資本が197億円増加した。ERM(統合的リスク管理)を着実に進め、保険金等の確実な支払いと配当還元の充実を通じ、契約者に安心・満足を提供していく方針としている。