2022.01.12 損保ジャパン・SOMPOリスク 陸上風力メンテナンス事業者向け、「稼働率保証保険」等を提供

損保ジャパンは、SOMPOリスクマネジメントとともに、陸上風力発電のメンテナンス事業者に対する「稼働率保証保険」および「メンテナンスコストキャップ保険」の提供を12月から開始した。

 損保ジャパンは、メンテナンス事業者が風力発電事業者に対して、メンテナンスサービス契約の中であらかじめ定めた稼働率を下回った分の売電減少額を補償する「稼働率保証保険」を提供する。さらに、想定以上にメンテナンスの修繕費用等が発生した場合、追加で発生する費用を「メンテナンスコストキャップ保険」で補償する。
 SOMPOリスクマネジメントは、東京大学と共同で開発した陸上風力O&M(運用・保守)事業専用のリスクモデル技術を活用し、メンテナンス事業に係るリスクの定量化を行い、損保ジャパンが定量化されたリスク量に基づき保険の設計を行う。
 損保ジャパン、SOMPOリスクマネジメントは、本保険提供を通じ、将来的には高い稼働率を維持するためのO&Mのリスクコンサルティングサービスの提供も視野に入れて取り組んでいく。
 昨今の世界的な脱炭素化社会に向けた潮流の中で、わが国でも2020年10月に、50年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことが宣言された。これを受け、第6次エネルギー基本計画では30年の日本の電源構成における再生可能エネルギー比率目標が、22~24%から36~38%まで引き上げられ、再生可能エネルギーの主力電源化が急務となっている。
 一方、風力発電の発電コストは太陽光や原子力発電など他の電源と比較すると依然として高く、また、諸外国の風力発電コストと比較しても高くなっている。このことから、風力発電のさらなる普及促進に当たっては、発電コストの低減を図っていくことが重要となる。
 陸上風力の発電コストのうち、メンテナンスに係るコストは総事業費の30%以上を占めるといわれており、適切なメンテナンスによる故障・事故の予防保全と併せて、メンテナンスコストの低減を図っていくことは、風力発電の主力電源化を後押しする取り組みとなる。損保ジャパンでは、これらの保険の提供を通じて、風力発電メンテナンス事業者の安定的事業運営ならびに信用力を補完することで、風力発電事業における多様なメンテナンスプレーヤーの事業を支援し、風力発電事業のさらなる普及を後押しすることで、わが国におけるカーボンニュートラル実現への貢献を目指す。