2021.12.14 T&D保険グループ 21年度第2四半期決算、グループ修正利益は65%増

T&D保険グループが11月12日に発表した2021年度第2四半期(中間)決算によると、連結経常収益は、フォーティテュード社の第1四半期会計期間に係る資産と負債の会計上の処理の相違による一時的な評価性損失等の発生に伴う影響や金銭の信託運用益の減少等による資産運用収益の減少により、前年同期比5.0%減の1兆1078億円となった。連結経常利益は同55.9%減の661億円。親会社株主に帰属する中間純利益は前記フォーティテュード社損失等の影響により、同73.1%減の309億円。ただし、国内生命保険事業(3社合算)の中間純利益は同100.7%増と伸展。グループ修正利益は国内生命保険事業が堅調に推移したことで計画を上回って進捗し、同65.5%増の557億円となった。同社では主に運用収支が好調だったこと等から、通期連結業績予想を上方修正した。

 中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の基礎利益は前年同期比20.6%増の930億円だった。
 中核生保3社合算の新契約年換算保険料は、同26.7%増の613億円となった。このうち第三分野は同25.1%増の178億円。保有契約年換算保険料は1兆5388億円で前年度末比0.2%増、このうち第三分野は2730億円で同2.1%増だった。
 太陽生命の経常収益は前年同期比3.5%増の4061億円で、このうち保険料等収入は同5.0%増の3228億円だった。新契約年換算保険料は同17.9%増の172億円、うち第三分野は同21.6%増の94億円。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は前年同期比19.3%増の92億円。ウィズコロナ時代に対応した営業活動の推進、および「感染症プラス入院一時金保険」や「ガン・重大疾病予防保険」の販売が第1四半期に引き続き好調だった。「感染症プラス入院一時金保険」については、昨年9月発売からの累計販売件数が17万件と好調に推移している。保障性保有契約年換算保険料は、入院一時金保険等の第三分野商品の販売が堅調に推移したことから、前年度末比0.8%増の1566億円となった。基礎利益は前年同期比1.6%減の287億円。
 大同生命の経常収益は前年同期比2.7%増の5065億円で、このうち保険料等収入は同0.2%増の3931億円だった。新契約年換算保険料は同32.7%増の311億円、うち第三分野は同26.7%増の80億円だった。新契約高(注)は、前年同期比で4570億円増加し2兆1121億円。これはコロナ以前の前々年同期との比較でも2705億円の増加となる。対面・非対面を組み合せたコンサルティング営業を実践したことで主力の定期保険、特にオーダーメード型商品(αシリーズ)の販売が堅調だったほか、「がんステージ限定型Jタイプ」(20年12月発売)の推進等により、就業不能・介護保障商品も前年同期から増加した。保有契約高(注)は新契約高が堅調に推移したことにより、46兆7697億円と、前年度末(46兆6560億円)から純増となった。基礎利益は前年同期比37.3%増の673億円。
 T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前年同期比0.8%増の1807億円、うち保険料等収入は同24.8%増の1732億円だった。新契約年換算保険料は同25.4%増の129億円。コロナ禍でもウェブを活用したオンライン研修の実施や研修・動画ツールの提供などにより、募集代理店での同社商品の認知度が向上したことにより、一時払終身保険「生涯プレミアムワールド5」を中心に販売が好調に推移した。保有契約年換算保険料は、前年度末から5.7%増の1562億円だった。
 グループ連結のソルベンシー・マージン比率は前年度末比0.7ポイント低下し1094.1%。実質純資産は前年度末差1101億円増の3兆2622億円となった。
 同社グループでは、運用収支の好調および海外再保険関連会社に係る持分法投資損益が当初想定を大きく上回っていることを理由に、通期連結業績予想を上方修正。経常収益2兆1550億円(前回発表予想2兆1300億円)、経常利益990億円(同740億円)、親会社に帰属する当期純利益360億円(同160億円)、グループ修正利益930億円(同730億円)にそれぞれ予想を引き上げた。1株当たり年間配当金の予想については今年5月14日の公表内容から修正はない。なお、業績が好調に推移していることを踏まえ、同社グループでは400億円を上限に自己株式の取得を実施する予定。
 (注)「新契約高」「保有契約高」には、「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額を含む。