2021.11.30 MS&ADHD 21年度第2四半期決算 修正利益は526億円の増益

MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が11月19日に発表した2021年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比6.7%減の2兆5511億円だった。連結正味収入保険料は国内損保子会社、海外保険子会社ともに増収となり、同3.2%増の1兆9285億円となった。連結経常利益は同57.7%増の1821億円で中間期の経常利益としては過去最高。親会社株主に帰属する中間純利益は国内損保子会社および海外子会社における増益を主因に同29.2%増の1248億円を計上した。進捗率は54%。グループ修正利益は同526億円増益の1837億円で進捗率は61%となった。2021年度業績予想については、正味収入保険料は、海外子会社の減少を主因に年初予想を330億円下回る3兆5800億円を見込むが、当期純利益は、年初予想どおり2300億円(過去最高益)とし、グループ修正利益も年初予想どおりの3000億円を見込む。

 国内損保主要2社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の業績では、正味収入保険料は、火災保険や自賠責保険が減収となったものの、自動車保険や新種保険の販売好調により、前年同期比1.5%増の1兆4801億円となった。家計地震・自賠責を除くと同2.2%増の1兆3321億円だった。
 三井住友海上の種目別正味収入保険料は、火災が前年同期比3.3%減の1229億円、海上が同13.0%増の304億円、傷害が同2.3%増の782億円、自動車が同1.3%増の3458億円、自賠責が同6.1%減の766億円、その他が同7.0%増の1632億円で、合計は同1.4%増の8173億円。
 あいおいニッセイ同和損保の種目別正味収入保険料は、火災が前年同期比6.2%減の1033億円、海上が同6.1%減の37億円、傷害が同2.9%増の309億円、自動車が同3.5%増の3769億円、自賠責が同3.2%減の711億円、その他が同9.0%増の766億円で、合計は同1.6%増の6627億円となった。
 国内損保主要2社の保険引受利益(除く家計地震・自賠責)は、前期に新型コロナ影響で大きく減少した反動により自動車保険のロスが増加したものの、販売好調によるアーンド保険料の増加(前年同期比412億円増の1兆2818億円)や国内自然災害ロスの減少を主因に同377億円増益の486億円となった。このうち三井住友海上は同206億円増益の434億円、あいおいニッセイ同和損保は同171億円増益の51億円だった。
 インカードロス(含む損害調査費)は同217億円増の7548億円。国内の自然災害ロスは同245億円減の313億円だった。なお、2社合計の保険引受利益(異常危険準備金反映前)は、344億円増益の1062億円。
 2社合計の正味支払保険金は同3.3%増7413億円、正味損害率は同1.2ポイント上昇し56.0%、正味事業費率は同0.2ポイント上昇し32.8%となった。コンバインド・レシオは同1.4ポイント上昇し88.8%。家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同0.2ポイント低下して58.9%となった。
 2社合計の資産運用・その他収支は、有価証券評価損が増加した一方で、利配収入や有価証券売却益の増加により同170億円増の884億円となった。
 2社合計の経常利益は、前年同期比547億円増益の1370億円を計上。このうち三井住友海上は同336億円増益の1072億円、あいおいニッセイ同和損保は同211億円増益の298億円だった。2社合計の中間純利益は、同398億円増益の1013億円。このうち三井住友海上は同260億円増益の822億円で、あいおいニッセイ同和損保は同138億円増益の191億円だった。
 ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上が前期末比10.9ポイント上昇して757.4%、あいおいニッセイ同和損保が同8.2ポイント下がって782.7%となった。
 グループ連結の生命保険料は前年同期比368.3%増の2650億円。国内生保2社(三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命)のグロス収入保険料は同23.0%増の6654億円を計上した。保険料等収入は同992億円増の7128億円。
 三井住友海上あいおい生命の保険料等収入は、払込満了契約の増加等により同▲34億円の2499億円となった。新契約高(個人合計)は同8.4%増の9004億円。新契約年換算保険料は収入保障系商品や法人向けの定期保険の販売増等により、同11.7%増の138億円。19年度同期比では▲5.5%となる。保有契約高(個人合計)は期首比0.6%減の24兆1184億円。保有契約年換算保険料は同0.4%減の4462億円だった。経常利益は前年同期比28.9%増の180億円、基礎利益は同35.9%増の165億円を計上。中間純利益は、保有契約の経過・解約等に伴う責任準備金繰入負担の減少や代理店手数料の減少などにより31.5%増の116億円だった。
 三井住友海上プライマリー生命の保険料等収入は新型コロナウイルス感染拡大の影響で金融機関代理店の預かり資産ビジネス自粛の影響等を受けた前期の反動により、前年同期比1026億円増収の4629億円となった。グロス収入保険料は、新型コロナ影響が継続する中、非対面を組み合わせた営業活動の積極展開により、同44.4%増の4157億円。19年度同期比では▲12.5%となる。新契約高(個人合計)は同44.9%増の4179億円、保有契約高(個人合計)は期首比1.2%減の6兆5170億円。経常利益は同39.8%減の236億円、中間純利益は、運用目標値に到達した契約が多数発生した前年同期に比べ責任準備金繰入負担が増加したことや、当中間期の増収に伴う代理店手数料の増加などにより35.6%減の171億円。
 ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上あいおい生命が前期末比4.2ポイント上昇して1443.7%、三井住友海上プライマリー生命が同50.2ポイント上昇して1105.0%となった。
 海外保険子会社の正味収入保険料は、マーケットのハード化に伴う欧州での増収や連結決算上の円換算に用いる為替レートの円安影響等により、前期比383億円増の4309億円となった。中間純利益は、前期の新型コロナ関連ロスの反動、その他の保険収支の改善、資産運用損益の増加、海外生保における増益等により、同164億円増の49億円となった。
 なお、グループのESR(エコノミック・ソルベンシー・レシオ〈=時価純資産÷統合リスク量〉)は、内部留保の増加に伴う時価純資産の増加と超長期債購入等によるALMの推進に伴う統合リスク量の減少を要因に前期末の235%から19ポイント上昇し、9月末で254%となっている。
 株主配当金については、当期の中間配当および当期末の配当予想をそれぞれ82円50銭に引き上げ(前期比それぞれ+7円50銭、+2円50銭)、年間配当金は165円(前期比+10円)を予定している。