2021.11.29 東京海上HD 21年度第2四半期決算、連結修正純利益70%増

東京海上ホールディングスが11月19日に発表した2021年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比5.2%増の2兆8856億円、連結経常利益は同236.0%増の3668億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同331.6%増の2692億円と大幅増となった。修正純利益は、コロナ影響の反動に加え東京海上日動や海外の好調な保険引受と資産運用により、同1314億円(70.4%)増の3181億円で、年初予想対比で75.0%の進捗率(過去5年平均進捗率は42.2%)。好調な業績を踏まえ、同社では通期業績予想を引き上げるとともに、配当性向50%への引き上げを23年度に前倒して実施し、21年度の通期配当予想を215円から245円へ引き上げる。

 グループ連結の正味収入保険料は国内外ともに年初予想対比で好調に推移し、同6.1%増の1兆9203億円となった。為替影響を除くと前年同期比4.5%増。このうち国内は1兆2430億円(同2.0%増)で、海外は6775億円(同9.5%増〈除く為替〉)。グループ正味収入保険料の年初予想は同2.2%増(除く為替)の3兆7600億円だったが、これを同3.8%増(除く為替)の3兆8300億円に引き上げた。内訳は国内2兆4730億円、海外1兆3570億円となる。また、グループの生命保険料は国内が堅調な販売拡大の一方で事業保険解約増加等により損保様式(解約返戻金等を控除)では減収となったことなどから、同2.0%増(除く為替で同0.6%増)の4789億円だった。こちらも年初予想同▲4.9%(除く為替)の9300億円を同▲2.2%(除く為替)の9600億円に引き上げた。内訳は国内5530億円、海外4030億円。
 東京海上日動の保険引受利益は、火災、海上保険が好調だったほか、自動車、火災保険の発生保険金が想定を下回ったことから、前年同期比1290億円増益の1241億円となった。各種準備金等の影響を除いた保険引受利益は1513億円で、年初予想に対する進捗率は78.7%に到達した。
 正味収入保険料は同2.2%増の1兆1523億円。家計地震・自賠責を除く民保合計では同3.2%増の1兆361億円だった。種目別に見ると、火災は21年1月の料率改定効果や企業火災の大口契約等により、同3.0%増の1692億円。海上はコロナ影響(物流減等)が想定よりも小さいことや営業施策の実行等により、同17.8%増の375億円。傷害はコロナ影響(外出自粛等)が残るものの年初予想に対し順調に推移し、同4.7%増の957億円。自動車は車両保険の付帯率上昇や21年4月の商品改定効果によるノンフリート単価の上昇等により、同1.8%増の5568億円となった。自賠責は21年4月の料率引下げの影響により、同5.8%減の1159億円。ただし、同実績は年初予想は上回って推移している。その他はコロナの影響が残るものの、賠償責任保険や航空保険(海外受再)における増収等により、同4.2%増の1769億円だった。
 発生保険金はコロナの反動があるものの、自然災害の減少等により、同270億円(▲4.6%)減少し、5641億円となった。民保E/Iベースの正味損害率は、既経過保険料の増加と発生保険金が想定を下回ったことにより、同4.7ポイント改善し55.4%。事業費率は同0.5ポイント上昇し31.7%、コンバインド.レシオ(民保E/Iベース)は同4.2ポイント低下して87.1%に改善した。
 資産運用等損益は同235億円増益の1193億円。このうち、ネット利息及び配当金収入は政策株式や外貨建てファンドからの配当金増加を主因に、同299億円増益の930億円、売却損益等計(キャピタル)は年初予想に対して順調に進捗した一方、前年同期比では売却ペースの差による政策株式売却益の減少(約▲100億円)を主因に、63億円減益の427億円だった。なお、政策株式売却額は590億円(同▲120億円)。
 経常利益は同1525億円増益の2465億円、中間純利益は同1268億円増益の1898億円となった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比46.0ポイント上昇し、871.9%。
 日新火災の保険引受利益は前年同期比95億円増益の116億円。正味収入保険料は同6億円減益の737億円だった。経常利益は同102億円増益の154億円、中間純利益は同68億円増益の102億円だった。
 東京海上日動あんしん生命の新契約年換算保険料は、回払変額保険や新商品(介護年金保険など)の販売好調により、前年同期比32.2%増の243億円となった。保有契約年換算保険料は、前年度末比0.8%減の8133億円だった。中間純利益は同8億円減の215億円。基礎利益は同48億円減益の284億円。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比113.5ポイント上昇し1543.6%。
 海外保険事業の保険料(損保・生保の合算)は、Tokio Marine HCC(TMHCC)、米フィラデルフィアを中心に増収した他、年初に計画した各事業における成長施策の実行(レートアップの取り込みや引受拡大等)やコロナ影響の反動により、前年同期比14.1%増(為替影響除き同8.9%増)の9459億円となった。
 北米の正味収入保険料は同15.4%増の6546億円。フィラデルフィアは収益性重視の引受を継続しているものの、レートアップと好調な新規契約により増収。デルファイはGroup LifeやLTD/STDの好調を主因に増収。TMHCCは好調なMSLや良好なレート環境下で前年同期比25.3%増と計画を上回る増収を実現した。
 海外保険の事業別利益は、同896億円増益の1276億円となった。テキサス州寒波の影響があったものの保険引受・資産運用共に好調で、第2四半期の計画を大幅に上回って進捗。北米主要拠点の今期実績は計画対比で+約250億円だった。これらに加えて、コロナ影響の反動(+約730億円。うち保険引受+約420億円、資産運用+約310億円)等が後押しした。
 グループの9月末のESR(Economic Solvency Ratio)は、株主還元の一方で上期の利益貢献等により、前年度末比8ポイント上昇し135%(ターゲットレンジ内)となっている。
 通期の連結業績予想については、年初の予想を修正し、経常利益4800億円(年初予想4400億円)、当期純利益3450億円(同3150億円)、1株当たり当期純利益501円55銭(同454円30銭)に引き上げる。連結修正純利益の通期予想も、年初予想の4240億円から660億円上方修正し4900億円とする。修正純利益は23年度も上振れを見込んでおり、同年度は5000億円を突破する見込みとしている。
 また、同社は同日、「剰余金の配当および配当予想の修正に関するお知らせ」で、年間配当金について1株当たり215円としていた予想を30円上方修正し、1株当たり245円に引き上げると発表した。普通配当としては前期から1株当たり45円の増配となる。21年9月30日を基準日とする中間配当が1株当たり120円、期末配当が1株当たり125円の予想とする。