2021.10.25 あいおいニッセイ同和損保 企業向けに特約販売開始、災害時の車両避難費用補償

あいおいニッセイ同和損保は、近年頻発化・甚大化する自然災害に対して企業の防災・減災取り組みを支援するため、業界で初めて(2021年10月、同社調べ)、自治体から自然災害に関する避難情報が発令された際に、企業の車両避難時に発生する費用を補償する「災害時車両緊急避難特約」を開発し、9月30日以降始期契約から販売を開始した。

 近年、水害を中心とした自然災害が頻発化・甚大化しており、発災時の迅速・確実な避難行動の実現が社会課題となっている。中でも、企業活動では適切な避難行動がその後の事業の立ち上がりに大きく影響を与えており、企業にとってリスクマネジメントの一環としての事業継続計画(以下、BCP)策定は重要な取り組みとなっている。しかし、中小企業におけるBCP策定率は5割程度にとどまっており、依然大きな課題となっている。また、企業が避難行動を行う上では財物の避難も必要となるが、運搬費用などの経済的損失が発生することを懸念し、避難行動が間に合わず車両等の大切な資産に損害が発生するケースもある。
 あいおいニッセイ同和損保は、このような背景を踏まえ、自治体から避難情報が発令された際に、自然災害発生時の事故を回避するために要した費用を補償することで、企業の円滑な避難活動を後押しすることにした。
 BCPを策定している企業においても、重要な資産である車両を安全な場所へ避難させる際には、避難時の運搬費用や駐車場料金に多くの負担を強いられる。災害時車両緊急避難特約は、災害の恐れが生じた場合に車両の避難費用を補償することで、営業車両等の損害を未然に防止し、被災後の企業活動を円滑に再開できるよう支援する。また、併せて「水災タイムライン」の策定支援(台風などの自然災害発生時に適切な判断・対応をちゅうちょなく行えるよう、事前の気象情報をもとに時系列で直接・間接被害を低減させるための対応の整理・マニュアル策定を支援するもの)も提供する。販売先は、自動車を保有している全ての企業となる。
 同特約は、企業が所有・使用する車の総付保台数が10台以上の契約の自動車保険が対象で、車の台数に応じ、100万円・300万円・1000万円から支払限度額を設定できる。車を日常保管している場所において、自治体から「高齢者等避難(警戒レベル3)」以上の避難情報が発令された場合、損害の防止を目的に補償対象物を近隣の安全な場所まで搬送した運搬費用、10日間を限度に避難先の駐車場代または保管料をそれぞれ実費で補償する。
 同社は今後、自然災害発生時の緊急情報を通知するcmapアプリの利用も促進し、企業の防災・減災取り組みをさらに支援する。また、自然災害発生時の被害を極小化するため、企業の避難活動を促進する商品・サービスの開発を検討するとしている。