2021.09.02 あいおいニッセイ同和損保 中小企業向けサイバー保険提供、複数ベンダーと協業

あいおいニッセイ同和損保は、複数のセキュリティベンダーとの協業の下、サイバー攻撃の未然防止に必要な「サイバーリスク評価」と「セキュリティサービスの導入支援」をパッケージ化した中小企業向け「サイバーセキュリティ保険」の提供を10月から開始する。

 近年、サイバー攻撃は高度化・複雑化しており、特にこの1、2年ではランサムウエアへの感染、テレワーク利用のためのサービスを狙った攻撃が拡大し、大企業に限らず中小企業においてもその被害が増加している。中小企業においては、対策の必要性は感じているものの、具体的対策を把握できていない、人員・費用・時間上の制約がある等を理由として、サイバー攻撃を防ぐための各種対策の導入が十分に進んでいない現状がある。
 これまで、あいおいニッセイ同和損保では、サイバー攻撃発生後のソリューションとして、対応・復旧・再発防止にかかる費用などを補償するサイバー保険および未然防止・損害の極小化・迅速な回復に資する各種サービスを提供してきたが、このほど中小企業のセキュリティ対策向上の一助として、複数のセキュリティベンダーと協業することで、より網羅的な対策を実現するパッケージ型のサイバー保険を提供することにした。
 新しいパッケージ型のサイバー保険では、保険の提案に際して「サイバーリスク評価」(セキュリティベンダーが作成するレポートの提供、対策のアドバイス等)を実施し、顧客の現状を踏まえた上で、サイバー攻撃を防ぐための「セキュリティサービスの導入支援」(セキュリティベンダーの紹介)を行う。また、この導入支援の一環として、サービス提供に当たって各ベンダーは価格メリット等を付加し、より多くの顧客に導入しやすい環境を提供する。
 さらに、サービス導入の結果としてセキュリティ対策が強化されることにより、サイバー保険自体の保険料を割引くことも可能としており、中小企業に対するサイバー攻撃の対策に必要なセキュリティ環境の構築と、合理的な保険料でのサイバー保険への加入を実現するとしている。
 本保険販売のスキームは、多くの中小企業と接点を持つあいおいニッセイ同和損保の代理店が、事故が起きた後の補償だけでなく、事故を未然に防ぐセキュリティサービスも提案することで、幅広い顧客をワンストップでサポートする。
 今回協業を行う事業者とそのセキュリティサービスの内容は次のとおりで(7月29日現在)、今後も継続的なサービス拡充を行っていく予定としている。
 ①ルール作り・従業員教育:プロフェッショナル・ネットワーク・コンサルティング㈱が提供。既存ルールにつきインタビュー・文書精査により改善策等をコンサルティングする。
 ②端末対策:コニカミノルタジャパン㈱が提供。従業員端末等への次世代型ウイルス対策ソフトの導入を行う。
 ③出入口対策:コニカミノルタジャパンが提供。UTM(出入口対策の基本的な機器)の導入を行う。
 ④ウェブサイト対策:㈱セキュアスカイ・テクノロジーが提供。ECサイト・会員サイト等を攻撃から守るためのセキュリティ対策であるWAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)などの導入を行う。
 あいおいニッセイ同和損保は、今後も高度・複雑化するサイバーリスクをはじめとした未知のリスクにも対応し、「CSV×DX」(シーエスブイバイディーエックス)のキーワードの下、顧客・地域・社会とともにリスクを削減し、社会課題解決に資する商品・サービスのラインアップを拡充し、「レジリエントでサステナブルな社会」の実現に向けて取り組んでいくとしている。