2021.07.27 損保料率機構 自動車保険参考純率を改定、平均で3.8%引き下げ

損害保険料率算出機構(損保料率機構)は、「損害保険料率算出団体に関する法律」(料団法)第9条第1項後段の規定に基づき、自動車保険参考純率の変更に関する届出を6月21日付で金融庁長官に行い、6月30日に料団法第8条の規定に適合している旨の通知を受領した。改定では、①自動車保険参考純率について平均で3.8%の引き下げ②料率区分ごとの較差(割増引率)の見直し③自動車保険参考純率を算出する対象に人身傷害保険を追加―を行う。改定の背景として損保料率機構は、①先進安全技術の普及促進等を背景とした交通事故の減少②直近の保険統計等に基づくリスク較差の反映③人身傷害保険の普及・マーケットへの定着―を挙げた。

 自動車保険参考純率の引き下げは、衝突被害軽減ブレーキなど運転者の安全運転を支援するシステムを搭載した自動車(安全運転サポート車)の普及が進んでいることなどを背景に交通事故が減少しており、その影響を受け、直近の保険統計(19年度まで)等に基づく参考純率の水準に引き下げ余地が見込まれることを受けたもの。
 料率区分ごとの較差(各種の割増引率等)の見直しでは、個々のリスクの差異に応じたものとなるよう、直近の保険統計等に基づき、料率区分ごとの較差(割増引率)の見直しを行った。
 初度登録後経過期間による割引の見直しでは、改定前は、保険期間の初日の属する月が被保険自動車の初度登録から「25カ月以内」の区分を割引の対象としていたが、対象期間を拡大し、「25カ月超49カ月以内」の区分も割引の対象とする。これに加え、対象の用途・車種も拡大し、「自家用軽四輪乗用車」を追加する。さらに直近の保険統計等に基づき較差を見直し、改定前は、「割引なし」との較差が補償内容一律に約1.10倍だったものが、改定後は、用途・車種、補償内容により異なる較差となり、自家用普通・小型乗用車で約1.08~1.20倍、自家用軽四輪乗用車で約1.05~1.22倍になる。
 ノンフリート等級の割増引率の見直しでは、保険契約者の過去の無事故年数や事故件数などに応じて設けている等級ごとの割増引率を見直し、主に、無事故の9等級から19等級の割引率が拡大、それ以外では割引率が縮小または割増率が拡大する。なお、契約者数のボリュームが最も多い無事故の20等級の割引率に変更はない。
 年齢条件の較差の見直しでは、自動車を運転する人の年齢の範囲と記名被保険者の年齢層に応じて区分している年齢条件の較差を見直し、対人賠償責任保険の26歳以上補償の区分を例にすると、改定前は最大と最小の較差が約1.34倍だったものが、改定後は約1.35倍になる。
 運転者限定の較差の見直しでは、改定前は、運転者の範囲を「本人・配偶者」に限定した場合に、補償内容一律の較差としていたが、直近の保険統計等に基づき、改定後は補償内容により異なる較差になる。改定前は、本人・配偶者限定なしとの較差が補償内容一律で約1.06倍だったものが、改定後は補償内容により異なり、約1.05~1.11倍になる。
 自動車保険の参考純率を算出する対象への人身傷害保険の追加では、人身傷害保険はその普及率において対人賠償責任保険や対物賠償責任保険と遜色ない水準に達しており、従前の搭乗者傷害保険に代わる傷害に対する基本的な補償としてマーケットに定着。これは、事故の相手方との過失割合にかかわらず、損害賠償責任の確定を待たずに、契約者自身の保険から迅速に補償を受けられるという、人身傷害保険の特徴が社会のニーズに合致していることがその背景にあると考えられることから、こうした状況を踏まえ、自動車保険の参考純率の補償の一つだった搭乗者傷害保険に代えて人身傷害保険を算出の対象に追加する。
 なお、自動車保険の参考純率で料率区分の一つとなっている型式別料率クラスは、従来、対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、搭乗者傷害保険、車両保険ごとに設定していたが、同クラスについても、本改定により、搭乗者傷害保険に代えて人身傷害保険の料率クラスを追加する。これに伴い、同機構のウェブサイトに掲載している型式別料率クラス検索についても、22年始期の契約から検索結果の記載内容を変更する(21年11月にウェブサイト掲載予定)。
 損保料率機構が示した各契約条件における改定率の例は別表の通り。