2021.07.06 損保協会発表 20年度決算概況 当期純利益は4.4%減、外出自粛で支払保険金は減少

 損保協会は6月28日、加盟28社の2020年度決算概況を発表した。それによると、正味収入保険料は、火災保険や自動車保険の増収などにより、前年度比1.0%増の8兆6927億円となった。正味支払保険金は、外出自粛に伴う事故件数の減少による自動車保険の支払いの減少や、自然災害の減少に伴う火災保険の支払いの減少などで、同9.2%減の4兆5637億円。当期純利益は、同4.4%減の4376億円となった。

 保険引受の概況では、正味収入保険料は、火災保険が前年度比14.7%、自動車保険が同1.9%増加したことなどから、同1.0%(833億円)増の8兆6927億円と前年実績を上回った。
 正味支払保険金は、同9.2%(4631億円)減少して、4兆5637億円となった。なお、国内自然災害による全種目合計(家計地震保険を除く)の正味発生保険金は、19年度が4430億円、20年度が2948億円となっている。
 損害率は、同5.9ポイント低下の58.0%となった。事業費率は、諸手数料および集金費の増加により、同0.1ポイント上昇の32.7%となった。損害率と事業費率を合計したコンバインド・レシオは、同5.8ポイント低下の90.7%となった。
 以上の増減益要因の他、その他の保険引受収益および保険引受費用を加減算した保険引受利益は、同1.7%(16億円)減の927億円となった。
 資産運用収益は、有価証券売却益の減少などにより、同11.0%(806億円)減益の6547億円となった。一方、資産運用費用は、有価証券評価損の減少などにより、同51.2%(810億円)減の773億円。資産運用収益から資産運用費用を差し引いた資産運用粗利益は、同0.1%(4億円)増の5773億円となった。
 経常利益は、同0.1%(6億円)増の5971億円。経常利益に特別損益や法人税等合計を加減算した当期純利益は、同4.4%(201億円)減の4376億円となった。
 総資産は、前年度末に比べ5.5%(1兆6883億円)増加し、32兆3363億円となった。
 ソルベンシー・マージン比率は、協会加盟会社28社とも法律で求める水準を超えており、経営の健全性について問題ない水準となっている。