2021.06.07 朝日生命 20年度決算、基礎利益が大幅増益465億円に

 朝日生命が5月26日発表した2020年度決算によると、基礎利益は465億円で、利息及び配当金等収入の増加による逆ざや額の改善により前年度比168億円増益となった。基準利益のうち保険関係損益は、同25億円増の804億円となり、利差損益(逆ざや額)は、同143億円改善し、▲339億円となった。個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は同0.7%増、うち第三分野についても同1.3%増と伸展した。保有契約年換算保険料は、主に貯蓄性商品の保有減少により減収となった一方で、第三分野は順調に増加した。なお、保険料等収入は同0.6%減の3914億円、資産運用収益は同4.8%増の1465億円を計上、経常利益は同17.9%増の366億円、当期純剰余は232億円(同28億円増)、総資産は前年度末比2.8%増の5兆5394億円となった。

 個人保険・個人年金の新契約年換算保険料は、前年度比0.7%増の251億円。このうち第三分野は同1.3%増の209億円となった。解約・失効・減額の合計から復活を差し引いた消滅契約年換算保険料は、同6.4%減の219億円と減少した。
 保有契約年換算保険料は前年度末比1.8%減の5212億円と減少した。このうち第三分野部分は同2.6%増の2214億円と増加した。保有契約全体に占める第三分野の構成比は同1.8ポイント上昇の42.5%となった。
 貯蓄性商品を除く死亡保障および医療・介護保障等の第三分野の保障性商品の新契約年換算保険料は、前年度比1.3%増の253億円となった。このうち営業職員チャネルは横ばいの183億円となった。一方、代理店チャネルは同3.8%増の69億円と伸展した。
 保障性商品の保有契約年換算保険料は、前期末差プラス7億円と増加し3407億円となり、経営者向け保険を除くと同39億円プラスの3056億円と増加した。
 財務の状況については、ソルベンシー・マージン比率は前年度末比29.2ポイント上昇し、972.0%だった。実質純資産額は同1000億円増の1兆1599億円となった。
 前中期経営計画「TRY NEXT~成長を実現し、未来を創る~」の経営戦略目標の達成状況については、個人顧客数が20年度末目標の258万人に対して260.2万人、介護保険新契約件数が同9.8万件に対して9.9万件と目標を達成した。
 一方、企業顧客数が20年度末目標4.3万社に対して4.1万社、保障性商品の保有契約(年換算保険料)が同3470億円に対して3407億円、このうち個人保険が同2830億円に対して2809億円となり、18年度始から着実に伸展した。
 新中期経営計画「Advance~The road to 2030~」(21~23年度)については、30年に向けた成長の道筋をつくる3カ年にするとし、なないろ生命設立によるグループ戦略やデジタル化に対応したDX推進、ヘルスケア分野での新たな価値提供など同社ならではの新たな領域への挑戦に加え、医療・介護保険への注力や営業職員体制の質・量の拡充といった前中計の取り組みを進化させるとした。
 これらを踏まえ、同社の強みである医療・介護保障分野に加え、今後拡大するヘルスケア分野にも注力し、独自性のある会社として存在感を発揮することや、顧客一人一人のニーズに応じた最適な商品・サービスを最適なチャネルで提供することに取り組んでいくとした。
 各経営戦略目標の23年度目標数値については、グループ顧客数は280万人、グループ保障性商品の新契約年換算保険料は350億円、グループ介護保険新契約件数は11.7万件、グループ保障性商品の保有契約年換算保険料は3300億円を目指すとした。