2021.05.21 明治安田生命 社長交代含む役員人事発表 人事マネジメント改革に注力

 明治安田生命は5月18日、社長交代に係る人事について、新任取締役候補として永島英器常務執行役、菊川隆志常任顧問、キッコーマン㈱代表取締役社長の堀切功章氏の3氏を決定したと発表した。7月2日に開催する第74回定時総代会と定時総代会後の取締役会での決議を前提に、根岸秋男取締役代表執行役社長が取締役会長代表執行役に就任し、永島常務が取締役代表執行役社長に就任する予定だ。鈴木伸弥取締役会長代表執行役は特別顧問に就任する予定。同日、東京都千代田区の同社ビル内の会議室で行われた記者会見で永島常務は「人事マネジメント改革、次世代アドバイザー制度を何としても成功させ、『チーム明治安田』で大きな結果を出せるよう全力でまい進していく」との意向を強調した。

 記者会見で根岸社長はこの時期に役員の異動を決定した理由について、2013年の就任から8年が経過し、世代交代の節目を迎えたことと、同社が10年後に目指す頂きとそこに至る成長軌道を描いたとき、その完遂のためには情熱と実行力のある若きリーダーが主導していくことがベストだと考えた、と説明した。
 永島常務については「変革の実行力に長けており、チーム力の発揮を通じて会社全体を動かす力がある。その主導力やチーム力を発揮して、新中期経営計画を完遂してくれることを期待している」と紹介した。
 約8年の任期を振り返り「お客さまをはじめ、ステークホルダーの皆さまのおかげで全力投球・完全燃焼できた」と語った根岸社長は、社長就任時に前体制からの積み残しの課題と考えていた『新生明治安田』にふさわしい役職員の結集軸である『明治安田フィロソフィー』を在任中につくり上げることができたことに達成感をにじませ、さまざまな改革にスピード感を持って取り組むことで、成長にふさわしい軌道づくりができたと強調。
 内向きだった社風を変革し、社会に開かれたものとするため、社会貢献や地域貢献、Jリーグのスポンサードや健活プロジェクトなど、国民一人一人に社会的価値を提供する施策に注力し、その道筋をつけることができたのではないかと手応えを語った。
 一方、スタンコープ社のM&Aと、Jリーグのスポンサードに関しては、役職員の理解を得られるか、トップとして厳しい決断を迫られたとも述べ、「退任に当たり、20年度の顧客満足度と従業員による会社への評価が共に過去最高値を記録したことが一番の思い出になる」と笑顔を見せた。
 コロナ禍での船出となる永島常務は、現状について、社会において格差・分断の拡大が進む一方、融合や持続可能な社会の重要性に対する認識が深まったとの考えを示し、「デジタル化が加速する中で人間の役割の再定義が迫られている。今後はあらゆる分野で人とデジタルがキーワードになる」と語った。
 営業職員チャネルについては、今後も同社の基幹チャネルであることに変わりはないとした上で、人とデジタルの融合、個人営業と法人営業の融合、自治体との連携などによって新たな展開を模索していくと述べ、従来、営業職員の人縁や人柄に頼ってきた部分については会社としてサポートしていく意向を示した。
 これまで根岸社長の下でさまざまな構造改革を進めてきた永島常務は、「保険会社は人産業。人に関わる改革である人事マネジメント改革、次世代アドバイザー制度を何としても成功させ、『チーム明治安田』で大きな結果を出せるよう全力でまい進していく」と意気込みを語った。