2021.04.30 損保ジャパン スマホ完結実費型医療保険発売へ、入院準備金を補償、家族の負担も軽減

 損保ジャパンは6月から、「スマホでピタッと充実保険」シリーズの新商品「入院パスポート」を発売する。将来の予測不能な入院治療費を不足なく補償することを可能にした実費型医療保険で、加入する際は、チラシやパンフレット等掲載の2次元バーコードから申込み画面にアクセスし、5分程度で手続きが完了する。保険金の請求時は、病院から発行される領収書等をスマートフォンで撮影・送信することで、原則24時間以内・最短30分で保険金を支払う。治療費だけでなく看病する家族の負担を軽減する補償も充実し、入院1日当たりの入院治療費の高額化や、共働き世帯の増加などの家庭環境の変化に対応できる商品としたことが特長で、2022年3月までに20万件の販売を目指している。

 損保ジャパンでは、今回の商品開発にあたって1万人を超える顧客調査を実施し、入院にまつわる顧客の困りごとを分析し、顧客が本当に求めている医療保険を目指した。顧客からのヒアリングの中から、「これまでの『入院日数に連動した保険』では、将来入院したときの補償が足りるか分からない」「入院の準備のために必要なものが意外と多く出費がかさむ」「入院した際に、家事の負担や子どもの世話など、残された家族の生活に負担がかかる」「治療がすべて終わった後に保険金請求したが、支払われた保険金は何に使ったのか覚えていない」「保険の手続きは書類が多くいろいろと面倒くさい」「すでに加入している契約を解約して切り替えるのは抵抗がある」といった声に着目、大別して「お金の悩み」「家族の負担」「煩わしさ」の三つの悩みを顧客が抱えていることが判明したため、その悩みを解決することをコンセプトに商品を開発したという。
 同商品は、公的医療保険制度の対象となる入院について、病院から発行される領収書の診療報酬点数に応じて保険金を支払う実費型補償(入院治療費用特約)で、「入院治療費用」を月額50万円まで実費で支払う。入院日数にかかわらず、予測不能な入院治療費に備えることができる。
 また、保険業界で初めて(同社調べ)、所定の条件を満たす場合に「入院準備金」を入院前に一時金として5万円支払う。顧客は入院前に受け取ることで、入院保証金や入院時の身の回りの諸雑費など、さまざまな用途に利用できる。差額ベッド代や先進医療の費用等はオプションの特約で補償し、差額ベッド費用は1万円または2万円からの選択。先進医療等の費用は限度額無制限で補償し、これは同社によると業界初。
 入院を支える家族の負担を軽減するための補償では、入院時サポート特約で、家事や保育代行サービス、家族駆け付け費用など、入院した本人や家族が負担した費用を幅広く補償する。サービスにかかった費用を10万円まで実費で支払う(退院後30日までの利用が対象)。同社では、各種サービス提供事業者とのアライアンスを実現し、提携事業者のサービスはスマートフォンで予約取次、キャッシュレスでの利用ができる。
 保険金請求では、①必要事項の入力②提出書類の撮影③損保ジャパンへ送信―の3ステップのスマートフォンの操作で保険金請求を行うことができる。「自動損害調査AIシステム」(注)を導入し、顧客の保険金請求手続きから指定の口座に着金するまでの間を、保険業界で初めて(同社調べ)、原則24時間以内、最短30分で実現する。
 保険料は1歳刻みで変わる仕組みとなっており、20歳1390円、30歳2290円、40歳2130円と一般的な医療保険よりも割安となっている。保険期間は1年間で、自動更新。業界初となる加入済みの医療保険との組み合わせが可能なプランも用意しているという。
 同社では今後も 「スマホでピタッと充実保険」シリーズとして、ライフステージに応じた最適な補償のラインアップを充実させるとともに、インシュアテックを活用した新たな保険サービスの提供を目指していくとしている。
 (注)「自動損害調査AIシステム」は、AIソリューションを提供する㈱シナモン(東京都港区、平野未来代表取締役社長CEO)と共同で開発したもので、ビジネスモデル特許出願中。