2021.02.25 チューリッヒ生命 日本法人化でより身近な存在、「誠実」「顧客第一」など経営理念に[2021年2月18日]

 チューリッヒ生命は2月18日、JPタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区)で、4月1日に予定している日本法人化についての説明会を開催した。日本法人の営業開始に先立ち、同社の日本市場におけるビジョンやデジタル戦略について説明した日本における代表者兼最高経営責任者の太田健自氏は「当社は日本法人化によって、より皆さまにとって身近な存在になる。今後はこれまで以上に誠実さや顧客第一主義といった経営理念を生きた形でお客さまにお届けしていきたい」と日本法人化に向けた意気込みを語った。
 チューリッヒ生命は4月1日より、「チューリッヒ生命保険株式会社」として、日本法人に会社形態を変更する。それと同時に刷新される経営理念では①誠実であること②お客さまのために③社員のために④社会のために―という4項目で、企業としての理念が語られている。
 また、日本法人化と同時期にVI(ビジュアル・アイデンティティ)も刷新。「『うまくいかないかもしれない』ではなく、『どうすればうまくいく?』」という明るく前向きなメッセージを打ち出している。
 同社の2030年に向けたビジョンとしては、チャネルイノベーションの追求、商品とサービスイノベーションの推進、競争力を維持するためのさらなるコスト効率化と生産性向上の実現、他業種の独立系プレーヤーとのウィンウィン的コラボレーションや提携を掲げ、成長が見込まれる乗合代理店、金融機関代理店、インターネットチャネルへのフォーカスを明言。金融サービス仲介業など、より手軽なオンラインチャネル提供者との提携を視野に入れていることも明らかにした。
 また、他業種の独立系プレーヤーとのコラボレーションについては、保障性商品に特化した生保会社として、ベスト・オブ・ブリード(各分野で最も優れたものの組み合わせ)を追求したい顧客のための優れたサービス提供者の輪に入っていきたいと意欲を示した。
 同社はこれまでも、現役世代の保障性ニーズを中心に、商品・チャネル・サービスといった各種戦略を展開してきた。コロナ禍に入って以降は、完全オンライン・ペーパーレスの募集プロセスや在宅勤務を中心とした顧客サービス体制を構築。説明会で太田代表は、コールセンター業務を在宅で行う画期的な仕組みについても紹介した。
 多面的な戦略が功を奏し、同社が重視するT―NPS(ネット・プロモーター・スコア:顧客ロイヤルティーを数値化した指標)は19年から20年にかけて大幅に改善した。保有契約数は14年から20年までの6年間で6倍に成長し、新契約も15年度から80億円前後の水準を維持している。収入保険料も20年度は462億円と14年度からの6年で5倍に成長した。
 太田代表は30年までに日本の生保市場ではチャネルの大きなシフトや保障性商品領域におけるイノベーション、運用・貯蓄と保障の分離といった大きな変化が訪れるとの見方を示した上で、「さまざまな人々を支え、リスクから守り、人生における目標を達成しやすくすることが私たちのミッションだ。日本法人化を通じてさらにこれらのミッションを力強く推進していきたい」と締めくくった。