2021.02.12 日本生命、明治安田生命、富国生命 MICINと業務提携を締結[2021年1月26日]
日本生命、明治安田生命、富国生命の3社は1月26日、オンライン診療のリーディングカンパニーである㈱MICIN(マイシン、東京都千代田区、原聖吾代表取締役)と業務提携、資本業務提携を締結したことをそれぞれ発表した。MICINは同日、生保3社のほか、H・U・グループホールディングス㈱、SBIインベストメント㈱、Sony Innovation Fund by IGVなどを含む複数の事業会社と、各社が持つ技術、ノウハウ、サービス、顧客基盤等と、同社の開発力やサービスとのシナジーを見込んで、資本・業務提携したことを発表している。
MICINは患者と医療従事者をオンラインでつなぐアプリケーションによって、医療機関や薬局向けにオンライン診療、オンライン服薬指導サービスを提供している。また、診療・患者生活を支援するデジタルセラピューティクス(医学的エビデンスに基づいたソフトウエアによる治療介入で、疾病の管理のみならず、予防・治療を支援する治療法)事業、新たな付加価値創出を可能にする医薬品の臨床開発向けデジタルソリューションも提供している。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、オンライン診療における規制が時限的に緩和されるなど、オンライン診療に対する注目度は高まっており、医療分野におけるデジタルトランスフォーメーションは今後さらに加速していくと考えられている。
【日本生命】
日本生命はMICINとの間で、ヘルスケア領域における業務提携を締結した。今回の業務提携により、今後はMICINが研究を進めるAIなどを活用して診断・治療につなげるデジタルセラピューティクスの領域においても共同研究やサービス展開を検討していくとしている。
日本生命は健康増進に関する取り組みの中で、生活習慣病の予防や早期発見の促進に取り組んでいる。2018年から、Wellness―Star☆(ニッセイ健康増進コンサルティングサービス)を企業・団体・健康保険組合向けに提供しており、その一環として、20年に糖尿病予備群を対象に糖尿病の発症を予防する糖尿病予防プログラムを展開した。この糖尿病予防プログラムでは、保健師等が参加者と面談を行う際にMICINが提供するオンライン診療サービス「curon」(クロン)を使用してきていた。日本生命は今後も医療・ヘルスケア分野での豊富な知見と優れた技術を持つMICINとの業務提携を通じ、魅力あるヘルスケアサービスの開発を目指していくとしている。
【明治安田生命】
明治安田生命は、同社が推進する「みんなの健活プロジェクト」等に関する取り組みとのシナジー効果を見込み、MICINとの資本業務提携に至った。本提携に基づく具体的な取り組みとして、明治安田生命内診療所の医師をかかりつけ医とする関東近郊の同社職員や同社OB向けに、MICINが開発したオンライン診療サービス「curon」による診療を開始した。継続的な通院治療を要する中、コロナ禍を踏まえ自宅等でテレワークを行っている明治安田生命職員や、外出自粛等により移動を控えているOB等を対象に、オンライン診療を通じて健康の維持・改善に向けたサポートを行っていく。また、その取り組みを通じて得られた知見も踏まえ、今後の顧客向けサービスの展開に向けた検討を進めていくとしている。
【富国生命】
富国生命は、ヘルスケア領域における新たな保険商品およびサービスの企画・開発に向けてMICINと資本業務提携を締結した。コロナ禍で関心が高まるオンライン診療や、既存の薬では解決できない治療や診断への新たなアプローチとして注目されるデジタルセラピューティクスなどMICINが持つテクノロジーを、生命保険を通じて顧客へ提供する方法を検討していく。
同社では、10年後のありたい姿である「お客さま満足度№1の生保会社となる」という長期経営ビジョンの実現に向け、今後も差別化された商品・サービスの提供に取り組んでいくとしている。