2021.01.07 ■とうきょう共済 東京都代理業協同組合と委託契約、所属代理店の共済取扱が可能に[2020年]

 東京都火災共済協同組合(とうきょう共済、河合章司理事長)は11月に、東京都保険代理業協同組合(竹内美千代理事長)と、保険事業の代理店に当たる代理所の委託契約を締結した。1月から東京都保険代理業協同組合の所属代理店が共済商品の募集活動を開始する。共済を扱うために代理店団体が共済団体と委託契約を結ぶのは珍しく、保険・共済業界で注目を集めそうだ。
 今回、共済商品の募集を始めるのは代理所となる東京都保険代理業協同組合に所属する代理店のうちの8店。共済商品の試算や申込書を作成するシステムが設置され、とうきょう共済職員から共済制度やシステムの利用、募集手続きなどについての研修を受けた上で、1月から募集を開始する。被共済者の住所や被共済物件の所在地は東京都(島しょ部を除く)に限られる。
 共済では、保険代理店のような募集資格はなく、システム上で見積書や申込書を作成して募集を行い、申込書など必要書類をとうきょう共済に提出して契約が成立する。一般的に保険会社が販売する同様の商品よりも掛金がリーズナブルで、保険とは異なる設計の商品もある他、手数料率が原則一定であることなどが、代理店が商品ラインアップに加えるメリットになる。今後は、初回口座振替を利用できる自動車共済や火災共済を中心に取り扱っていくとみられる。
 とうきょう共済は、法律に基づき東京都の認可を受けた唯一の中小企業共済組織として1957年に設立。中小企業事業主やその従業員、家族を対象とした共済事業(火災共済、生命傷害共済、自動車事故費用共済、医療総合保障共済、自動車総合共済、傷害総合保障共済)を運営している。2019年度末時点での組合員数は約7万人、共済掛金は約12億7000万円に上る。
 今夏、東京都保険代理業協同組合の理事会で共済についての検討が始まったことから、個別に代理所登録をしていた会員代理店の仲介でとうきょう共済の幹部職員がプレゼンテーションを実施。理事会での協議の結果、共済の取り扱いが決定され、代理所委託契約が結ばれた。
 河合理事長は、「とうきょう共済は、60年にわたって東京都の中小企業者の皆さまのための共済事業を運営してきたが、今後の発展を考えると窓口をいかに増やしていくが重要であり、そういった意味で今回、初の試みとして東京都保険代理業協同組合に所属の代理店の皆さまに共済を扱っていただくことはありがたく、お客さまに広く紹介して、ご利用いただければと思う」として、今後の進展に期待を寄せている。