2020.12.21 ■生保各社20年度第2四半期決算 利益はおおむね前年水準、新契約減は持ち直しの兆しも[2020年]

 生保各社の2020年度第2四半期成績は、新契約は新型コロナウイルス感染拡大の影響により依然として大きな落ち込みを示し、新契約年換算保険料は42社全体で前年同期比34.6%減となったが、第1四半期の54.2%減からは持ち直してきている。利益はおおむね前年並みの水準。新契約年換算保険料で前年同期を上回ったのは14社で、SBI生命、メディケア生命、はなさく生命、エヌエヌ生命は3桁の増収率を示した。〈5~7面に生保協会会員各社の業績詳細を掲載〉
 日本生命グループで、日本生命の新契約年換算保険料は、前年同期比35.8%減の739億円、大樹生命は、同60.5%減の74億円だった。グループの連結保険料等収入は同14.9%減の2兆5112億円。日本生命では、海外金利の低下等による銀行窓販チャネル向けの商品の販売減や、営業職員の活動自粛による販売減等により減収、大樹生命は、一時払外貨建養老保険の販売減を主因に減収した。基礎利益の合計は、同5.3%減の3419億円。日本生命では、販売量減少に伴う費差関係費用の減少等による保険関係損益の増加があったものの、企業業績の悪化に伴う国内株式配当金の減少等を主因とした利差益の減少により減益、大樹生命は、一時払外貨建養老保険の販売減に伴う付加保険料の減少を主因とした保険関係損益の減少により減益した。
 かんぽ生命は19年7月中旬以降、第2四半期においても積極的な営業活動を自粛していたことから、個人保険の新契約年換算保険料は大幅に減少し、前年同期比88.6%減の150億円にとどまった。連結業績では、保険料等収入は同3833億円減の1兆4178億円、中間純利益は同22.8%増の936億円となった。かんぽ生命の単体ベースでは、順ざやが前年同期比84億円減少したものの、新契約の減少に伴う事業費等の減少、20年3月期に計上した保険金等支払引当金について、契約調査の進展等を見積もりに反映したことによる戻入等により保険関係損益が前年同期を大きく上回った結果、基礎利益は前年同期を208億円上回る2265億円となった。
 明治安田生命は、単体の新契約年換算保険料が新型コロナによる営業活動自粛の影響などにより、前年同期比18.5%減の409億円だった。
 明治安田生命グループのグループ保険料は、明治安田生命単体での金利低下による外貨建一時払保険の販売や団体年金保険の減少を主因に、同7.9%減の1兆3431億円となった。グループ基礎利益は、明治安田生命単体、海外保険事業等共に減益となったが、連結調整項目である明治安田生命単体が受け取るグループ会社からの配当(グループ基礎利益から消去される額)が減少したことを要因に、3129億円と前年同期比では横ばいだった。グループの親会社に帰属する中間純剰余は同3.5%増の1328億円。
 第一生命ホールディングスのグループ全体の新契約年換算保険料は前年同期比42.5%減の859億円となった。国内3社(第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命)計の新契約年換算保険料は、新型コロナ感染拡大に伴う営業自粛等の制約下で同53.1%減の529億円。
 第一生命は、保険料等収入が同6%減の1兆865億円で中間純利益は同550億円減の512億円だった。基礎利益は順ざやの増加を主因に同13%増の2302億円。なお、連結純利益は同9%減の833億円だった。
 住友生命グループの新契約年換算保険料は前年同期比14.2%減の974億円となった。国内事業の新契約年換算保険料は同25.0%減の468億円となり、そのうち住友生命は同32.6%減の400億円となったものの、メディケア生命は4月に医療保険の商品改定を行った効果もあり、大幅に増加して同124.5%増の68億円となった。グループの保険料等収入は、同6.8%減の1兆1676億円で、このうち国内事業は、メディケア生命で同14.3%増と大幅な伸びを示したが、住友生命は一時払商品の販売減少の影響が大きく、同7.5%減の1兆759億円となった。。グループの基礎利益は、国内事業が前年同期比減少、海外事業は増加し、同3.0%減の1965億円だった。
 メットライフ生命の新契約年換算保険料は前年同期比で42.0%減の302億円だった。保険料等収入は7489億円で、同22.4%の減収。基礎利益は同2.5%増の769億円と、前年同期を上回った。中間純利益は449億円で同336.6%の大幅な増益となった。
 アフラックの新契約年換算保険料は前年同期比44.3%減の205億円となった。保険料等収入は6884億円で同3.5%減少した。基礎利益は同0.4%減の1694億円だった。中間純利益は同5.7%増の1142億円を計上した。
 ソニー生命の新契約年換算保険料は前年同期比25.7%減の287億円となった。基礎利益は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う対策関連費用を計上したものの、変額保険の最低保証に係る責任準備金繰入額が減少したことなどにより増加し、同19.6%増の688億円となった。中間純利益は同28.2%減の224億円を計上。
 プルデンシャルグループの生命保険会社3社(プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)の新契約年換算保険料は前年同期比1.9%減少し、644億円だった。連結保険料等収入は同0.4%増の1兆312億円で親会社株主に帰属する中間純利益は同24.0%増の498億円。このうち、プルデンシャル生命の新契約年換算保険料は同8.9%増の347億円、基礎利益は同8.4%減の312億円、中間純利益は同5.6%増の202億円だった。また、ジブラルタ生命の新契約年換算保険料は同15.2%減の233億円、基礎利益は同13.5%減の556億円、中間純利益は同44.4%増の260億円だった。
 T&D保険グループの中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の新契約年換算保険料は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う営業自粛の影響から持ち直し、前年同期比0.6%増の484億円となった。太陽生命の新契約年換算保険料は同10.1%減の146億円、大同生命は同15.7%増の234億円などとなっている。合算の基礎利益は前年同期比9.8%減の771億円だった。グループの親会社株主に帰属する中間純利益は、米国再保険持株会社フォーティテュード社の関連会社化に伴う持分法による投資利益の計上によって同218.0%増の1152億円と大幅に増加。
 アクサ生命の新契約年換算保険料は前年同期比2.0%減の261億円となった。基礎利益は同59.0%増の222億円。中間純利益は同42.9%減の93億円。
 フコク生命グループの新契約年換算保険料は前年同期比26.7%減の76億円となった。合算の基礎利益は同5.3%減の364億円。富国生命単体の中間純剰余は同16.4%減の265億円だった。
 朝日生命の新契約年換算保険料は前年同期比8.5%減の110億円となった。基礎利益は同70億円増加し215億円となった。中間純剰余は同22億円減の172億円だった。